ただいま
「ふっふっふ~♪ 私は今とっても面白い事を思いついちゃった♪」
「おい待て! 何を話す気だ!?」
私は面白い事をするため、ルーちゃんをどかして、ルーちゃんの母親にある提案をする。
「ねぇねぇ。ルーガちゃんのお母さん♪」
「!? どうして息子の事を知っているんだぃ!?」
「そりゃぁ知ってるわ♪ だって森であったもの♪」
「ほ、ほんとかい!? い、生きてるだろうね!?」
「それは教えてあげない♪ だけど……この国の事を教えてくれたら教えてあげてもいいわ♪」
交換条件だ。だってこうすれば絶対に教えてくれるだろうと私は考えた。
マヒちゃんがルーちゃんを捕まえて動かさないようにして、ティマちゃんが魔法でルーちゃんの声を奪う。これによってルーちゃんは完全につかまり、なにもできない状況に陥る。
ナイス。そしてルーちゃんの母親はすぐに結論が出たんだろう。顔をあげた。
「教えたら教えてくれるんだね?」
「ええ。いくらでも教えてあげるわ♪」
「―――ッ! ――!!」
ルーちゃんが騒ぐ。だけど声も体も捕まったままでなにも伝えれないしなにもできない。
そしてルーちゃんの母親は重く口を開いた。
「今この国はね? 最悪の状況に陥っているんだよ」
「最悪の状況?」
「ああ、そうだよ。大体の国民は家にこもりっきりさ」
? そんなことはないだろう。だって私が来た時も人がたくさんいたのだから……。
「今外に出てるのは城にお金をたくさん献上している貴族どもさ。あたしたち一般市民は、言ってしまえば奴隷扱いをされるのさ。殺されても文句を言えない立場っていえばわかるかい?」
「それって……。どうして?」
「城の王様がこういう政治にしてしまったのさ。あたしの息子、ルーガも城の奴隷にされちまって……正直、嬢ちゃんが森でルーガとあったって聞いて、それだけであたしはホッとしてるのさ」
ルーちゃんの母親から聞いた話だと、この国は今、悪魔に征服されていた時よりも達が悪いらしい。
貴族に会えば大体がお金という物を盗られる。もしなくて、女性ならば犯される。犯されるってよくわからないけど女の人にとって大事なことらしい。ともかく、王様が全部悪いらしい。そして貴族たちも。こんな国ならば悪魔に征服されていて、さっさと食べられて死んだ方がましだと言うことだった。
「どうだい。わかったらこの国からは早く出たほうがいいよぅ」
「…………」
思いのほか、この国の政治は悪いらしい。なんとかしなければ……。
ルーちゃんはもう暴れておらず、マヒちゃんもルーちゃんを捕まえるようなことはしていなかった。それ以前に、この国の事を知って、それどころではないだろうと思ったのだ。
ティマちゃんは目を伏せている。この事を知っていたのだと思うが、ティマちゃんのから聞くことより、現地の人に聞いた方がどれだけ深刻な事かわかるとティマちゃん自信が言っていた。なるほど。どれだけ深刻なのか、ありありと分かった。
「わかった。ありがと、おばちゃん♪」
「いいよぅ。ところで……」
「わかってるわ♪ ルーちゃんの現状でしょう?」
「ルーちゃん?」
「――ッ! ――!!」
また騒ぎ出すルーちゃん。私はにっこりとしてそのルーちゃんの手を引いて前に出す。すると今度は逃げだそうとするルーちゃんを、魔力を使って完全に逃げれないようにと手で手を掴む。
そして超超超超笑顔で暴露した。
「この子が禅幣ルーガ♪ つまりあなたの息子で今は娘よ♪」
「……………………は?」
ルーちゃんの母親がポカーンと口をあけて白くなった。
ルーちゃんは諦めたようにして、白くなった母親に追撃するようにして挨拶をした。
「た……ただいま…………お袋……」
赤くなりながらなんとか挨拶できたルーちゃんに新鮮味を覚えながらルーちゃんの母親の反応にくすくすと笑っていた。
やっぱりこう言う反応を見ると面白いし楽しい。
「あれ? お袋? お袋!? 大丈夫か!? お袋!?」
母親の肩を揺らすルーちゃん。その顔は必死で何度も揺すって母親の意識を戻そうとしている。
ここにいてもなんなので、私は他のみんなとともにお店の奥へ入って行った。
「結構狭いのね~♪」
「勝手に入っといてそんなこと言ってんじゃないよ。ってか勝手に入るなよ」
中はそれほど広くなく、私たちが入っただけで部屋はいっぱいになってしまった。
まぁルーちゃんの言い分もよくわかる。なんたってこれは俗に言う不法侵入ですもの♪
「でも、店先にいるのはよくないのです。だから上がるのは仕方ないのです」
「それにしても、綺麗に整っているところですぅ。ルーちゃんの母様がお掃除しているのですぅ?」
「まぁ……な。そうだと思う。俺は小さい頃に城に連れてかれて重労働させられてたから知らないけど……」
まさかそんな事実が……。
「最後にお袋にあったのはもう七年前になる……」
へぇ。七年前っていうと……私五歳かぁ♪ 確かその頃いろんな村の人にいたずらしてたなぁ♪
村一番のお調子者って言われてたっけ♪ 村を出る前も同じようなものだけどね♪
完全に問題児であったカナである。しかも村長からおしかりを受けた回数は六歳にして五百以上とかなりの回数に達していた。
「う、ううん…………あれ? あたしはどうして部屋に……。確か店の方にいたはずじゃぁ……」
「お袋。よかった……。大丈夫か?」
「あ、ああ。あたしは大丈夫さ……」
そういうと、ルーちゃんの母親はマジマジとルーちゃんを見始めた。その行動にルーちゃんは微妙な顔でハテナを浮かばせる。
「本当に……ルーガなのかい……?」
そう聞いたルーちゃんの母親に、ルーちゃんは「ああ……」とだけ答えて目を逸らす。気まずそうにしているルーガに、母親は…………。
「おかえり……ルーガ……」
「!?」
優しく、ルーガの体を抱きしめる。
「くぅ…………ただ……いま……。おふくろ……」
ルーガの目から、ひとすじの涙が流れていた……。
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