森の中で
「おい。このしがない俺に金を寄付してくれませんかねぇ?」
「わ、私はお金、も、持ってないですぅ!」
明らかにお金をたかろうとしてる不良に絡まれる少女。
逃げようとしたが、腕を掴まれ、動けない。
たかが少女の力で大人の男の力にかなうはずがないのだ。
「じゃあその高そうな着物を渡せよ」
「こ、これはダメェ! お母さんが……ひっく……織ってくれた……ひっく……だからぁ……」
大事そうに服をつかんで泣きながら言う少女。
それでも男は少女を離さない
「んなもん俺には関係なぇなぁ。脱げや!」
「だ、誰か助けてぇぇぇぇ!!」
必死に大声を上げる少女。
しかし周りは木々が生い茂っているだけで人など見当たらない。
「呼んだって無駄だぁ。こんなところ、人が通るはず――」
そのときだった。
――雪は白く、白銀の世界へ誘い込む……。
「あ?」
(だれ……?)
不思議な、でも綺麗な声が聞こえる。
――白銀の世界は凍結した世界……。静かなる世界……。すべてを凍結させる世界は……やがて人をも凍らせる……。
「なん……だ……?」
(誰かが魔法を詠唱してる……?)
しかしこんな魔法の詠唱は知らない。
そして姿は見当たらない。
周りを見ても、木が見えるだけで、他は何も……?
おかしい……!?
そして気づく。
すべてが止まってる!?
木々が、風が、音が、飛ぶために羽を動かしていた虫も、すべてが止まってる!?
有り得ない!
止める魔法なんて無いはず!
でも今は……。
「助けて!! お願い!!」
必死に声を上げる少女。
何がいるかわからないのに……、下手すれば自分も殺す悪魔の部下かもしれないのに……、私は全身の力を使って助けてと叫んだ。
――だれか……いるの?
私の声に気づいてくれたようだ。
私はさらに叫んだ。
「襲われてるの!! お願い! 助けて!!」
「そっか~♪ たいへんだね~♪」
「「!?」」
いきなり私と男の間に私より元気で幼そうな少女が割って入ってきた。
私はこんなに幼い子だと思わなかったので自分が助けを呼んだことが失敗だと悟った。
このとき私はこの子まで巻き込んでしまったと思った。
男は獲物が増えたと思った。
思って……しまった……。
「嬢ちゃんよ~。金出せや。痛いのは嫌だろ?」
「お金? お金って何?」
「え!?」
「ハハハ! バカか嬢ちゃんよ。そんなんじゃ嘘にもならねぇよ」
いや、嘘じゃない!
この子ホントに知らないって顔してる!!
どれだけ田舎から来たのよ!!
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