悪魔の間に囁かれている名
なんでだろ……。
2400字ほどになりました……。
おかしいな……。
「ありがとうございます!」
「別にいいわよ~♪」
「し、しかしどうやって幻魔を……」
「神様の力に決まってるじゃない♪」
「神の力ですか!? ま、まさかあなたが神様……」
「そんなわけないでしょ♪ 私は……そう! 救世主に決まってるじゃない♪」
「おぉ、救世主様!! 我らの救世主様!! これからはあなた様のために――」
むむ……なんかいいかも……。
「おい。あれ止めなくて大丈夫か? マヒの執事やメイドだぞ?」
「た、確かにぃ……。カナちゃんがおかしくなっていますもんねぇ……」
「カナ様がおかしいのはいつもの事なのです」
「「否定できないのがなんとも……」」
なんだか後ろでかなり失礼な事を言われてるんだけど……。
ねぇ。これって私が悪いの?
ズゥゥゥゥンッ
「な、なんですかぁ!?」
「おいおい。まさかデケェ奴が来るんじゃないよな?」
「悪魔のお出ましね♪」
「「「悪魔!?」」」
マヒちゃんやルーガちゃん、そして執事やメイドさんたちも慌てふためく。
そんな様子を見ていられず、笑顔100%で……、
「大丈夫♪ 私が倒してあげちゃうからね♪」
安心させるように言った。
のだが……、
「なんと! 救世主様が助けてくださる!?」
「ありがとうございます救世主様!!」
……これは重症かもしれない……。
執事やメイドさん達が一斉にかけよって口々にいうものだから、少し顔がひきつったのは言うまでもないだろう。
さて……。
さっきの幻魔を集める時の声から、出てくる悪魔は……。
この狭い場所には入れないだろうと思い、床を蹴って上の開いている所から外に出た。
それなりに高かったけど、魔力で強化してある脚で跳躍すればあら不思議♪
何と簡単に外に出――ゴンッ
「痛っ!」
「ぐぉぅ……」
ズゥゥゥンッ!!
何か岩の様なものに当たって、勢いがなくなりその辺の木の枝に引っかかる。
岩の様なものは私とは反対側に倒れた。
「いたたたた……?」
「貴様、小娘ぇぇぇ!!」
ズゥゥゥンッと地響きをさせて立ち上がる岩の巨人が出現。
うん。
下級悪魔『岩石巨人』だね♪
「もう、私の進路先にいないでよぉ。思いっきりぶつかっちゃったじゃない」
「こちらの台詞だぁ!! 我にいきなり突進しておいて無事だっただけ幸運だ……?」
そこまで言うと隣にいた幻魔が悪魔に耳打ち(耳ってあるのかな?)をすると、悪魔はこちらをマジマジと見つめて、一言。
「貴様が我が下僕達を皆殺しにした者だと? もっと屈強な戦士を思い浮かべていたのだが……」
なるほど。
幻魔からすでに私の事を聞いてるか~♪
それはそれで私の事を説明する手間が省けてよかったけど♪
「そうよ! 私が天才魔法少女カナちゃんよ♪」
「いや。カナちゃんの前いらないんじゃないか?」
「きっと目立ちたいだけだと思うですぅ」
「……悪魔退治屋魔法少女カナちゃんよ♪」
「更に付け加えたぞ?」
「五十歩百歩ですぅ」
「…………」
《ズーン》と背後に暗い空気を漂わせ、膝から崩れ落ちる。
もういや……なんて思っていながらもなんとか姿勢を立て押し、巨人の悪魔と対峙する。
精神的には大ダメージを味方から受けてしまったが、体力はまだ残っているのだ。
この私、魔神少女カナちゃんが、こんなところで負けてたまるもんですか!
「カナ様。どう考えてもその思考はおかしいと思うのです。それと、それも先ほどとそんなに変わんないと思うのです」
完全にやる気を無くすカナ。
もうめんどくさくなったのでとりあえず……。
「ティマちゃんあとよろしく♪」
「なんでなのですか!? 私はカナ様の掩護なのですよ!?」
「だってティマちゃんが痛恨の一撃をくらわせるから……」
とそこまで言ってその場を離れる。
すると先ほどまでいた場所に巨大な腕が貫通した。
岩石巨人の攻撃だ。
まったく、話させる気が無いんだねきっと。
「普通真剣勝負の時にのんきに話すカナ様のほうがおかしいと思うのです」
「ほう、今のをかわしたか。ならばこれならどうだぁ!!」
巨人の巨大な手が完全によけきれない速さでカナの体を捉えた瞬間だった。
私は魔法を少しだけ手に流れさせ……、
一本の腕で、いとも簡単に巨人の手を止めることに成功した。
「何ィ!?」
「う~ん。あんまり強くないんだね~♪ こんなのじゃあ……」
右手に少しだけ魔力を通し……、
「簡単に返されちゃうよ?」
ズガァンッと手に強烈な攻撃。
「ぐ、おぉぉぅ!!」
しかもその強烈な攻撃は何と巨人の手を砕いてしまったとさ♪
ボロボロと崩れ落ちたのは巨人のはなってきた左手だけにはとどまらず、左腕、すべてに亀裂が走ったかと思うと左腕は簡単に崩れ落ちた……。
「き、貴様ぁ!! 人間の分際でぇぇぇ!!」
「怒っても怖くないもん♪」
まぁ所詮低級悪魔だしね♪
私は低く跳躍し、怒り狂った巨人に風のように近づいていく。
それに気づいた巨人は残った右腕と魔法〈グレイブ〉を放つ。
右腕は大した速さではないし、〈グレイブ〉だって、地面からたくさんの岩が生えて私を串刺しにしようとしても生えるまでが私のスピードについて来れない。
いとも簡単に岩石巨人の顔面の目の前に跳躍してたどり着いてしまった私は手に魔力を溜めて大太刀を顕現。
「さて、あんまり時間をかけたくないからこれで終わって♪」
「!?」
低級悪魔の瞳孔が開いた様に感じる。
それもそうだろう、今私の手にある武器を、悪魔が知らないハズがないのだ……。
それは……、
「〈四の太刀 椿〉」
光とギリシャの数字に包まれた刀身で、鍔のところには天使の翼を思わせる模様だ。
柄を掴んでいる手の甲にはギリシャの数字が時計のように並んでいる。
数か月と言う中で悪魔の間では有名になってしまったその姿。
悪魔の間でつけられた名前は……
――魔神殺しの夢幻少女。
「ただの、迷信では無かったのか――」
大太刀は岩石巨人の顔面に遠慮なく振り下ろされた。
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