声の主
オオオオオオオォォォォォォォゥゥゥゥ!!!!
「え、な、なに!?」
「何だよ!? このうるせぇ雄叫びは!?」
いきなり聞こえてきた重苦しい雄叫び。
それは私が村で聞いたことのある、人外の声であった。
二人がこの声を聞いたことが無いことに少々びっくりするが、神も悪魔にも、下僕である幻魔でさえ倒せない者達が聞いたことがないと思うと、少々納得してしまった。
だから……ちょっとしたチャンスね♪
ベットから立ち上がり、その部屋の窓に近づく。
「ねぇ。あなたたち。神を信じる?」
今日二度目の質問をする。
「え? な、なぜ今なのですぅ?」
「いいから答えて♪」
「信じれるわけないだろ!? いたらなんで今、助けてくれないんだよ!」
やっぱり……ダメ……か……。
じゃあ、信じさせる!
「今さっきの雄叫び」
「雄叫びがどうしたでずかぁ?」
「悪魔が幻魔を集めた声よ♪」
「「…………え?」」
訳がわからないといった風に固まる二人。
嘘は言ってない。
これは、ある低級悪魔が僕である幻魔を呼び集め、人を襲うために先ほどの雄叫びを上げるのだ。
なんども村で聞いて、そのたびに襲ってきた低級悪魔。
悪魔は初級、中級、上級とクラスがあり、悪魔一体につき作り出せる幻魔は、初級が200、中級が500。
上級になると、750体を作り出せる。
初級は数も多くないし、力も弱いので私たちの村では軽くあしらえることができた。
中級は数も力もそれなりに。手こずるが勝てる程度の力。
上級は非常に厄介で、力はとても強く、数も半端ではない。
幻魔も、そのクラスにあわせて、強くも、弱くもなるからだ。
「あ……悪魔……?」
「さ……さっさと逃げないとッ」
「だ、大丈夫ですぅ! これを狙ってちゃんと秘密兵器が!!」
そう言ってマヒちゃんは部屋から出ていく。
ルーガちゃんはその後を追っていった。
その秘密兵器とやらが気になって後を追おうとすると……、
「カナ様」
「どうかしたの?」
ティマちゃんに止められて向かい合うようにする。
「やっぱり、世界の人々はわかっていないのです……。神を信じない人の作るものが……悪魔になど、かなうハズがないのだと……」
その表情は沈んでいて先ほどまでの笑顔がただの作り笑いだと言うことを知る。
強がってあの二人の前では笑顔でいたのだろう。
そんな彼女を見て、私は彼女を抱き締めた。
「いったじゃない♪ ちゃんとみんなに神がいること。そして世界を救ってあげるって♪ 契約するときに言ったでしょ?」
にっこりと笑顔で彼女に安心をさせる。
ティマちゃんはその笑顔に「はい……」とだけ答える。
私はこの時、今更ながら大切な人を探す事と同時に世界を救うというなんだかよくわからない状況になっていたことに気がついた。
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