第66話 おしまい
その日、僕達はAランクになった発表の配信も兼ねてさっそくダンジョンへと向かう事にした。
各々準備をして入り口前に集合。僕はいち早く準備を済ませ、ダンジョンの入り口で皆を待つ事となった。
僕は3人を待ちながら物思いにふける。
(それにしても、色々あったなぁ)
この世界に来て1年が経った。思えば探索者になってからというもの、色んな街に行って色々な人との出会いがあった。シナーブルの村でリディルカ、シシルー、ニーリェの3人と出会ってパーティーを組み。オバランではリディルカのライバル、ロザリンの率いる極炎の光星と、シャモアではシシルーの幼馴染であるブレイドファングの皆と、ニーリェの故郷アメティスタでは騎士団の皆との縁もできた。探索者として配信も続けていたから、それなりにファンも増え、配信を見ましたなんて話しも聞く様にもなった。
そんな過去を思い返している僕に神様は語りかける。
(可奈芽さんも、だいぶこの世界に馴染んできましたよね。私達に質問する事も減ってきましたし、もう私達が居なくても大丈夫そうです)
(へへーん。僕の環境適応能力のたまものだね)
頭の中で自慢げに言う僕。そんな僕の思考を聞いて、神様達は少し寂しそうに意思を伝えていく。
(でもさ、あーしさみしいよ。聞きたい事が減っちゃったら、可奈芽ちゃんと話す機会が減っちゃうんだもん)
(だよなー。せっかくあっしらが話せる人がこの世界に来てくれたんだから、もっと話したいぜ)
(俺も)(僕も)(我も)と言葉が続く。
(ははは、分かったよ。これからは世間話とかもするから、ちょくちょく話そうね)
と神様とのやり取りをしていると、
「可奈芽さーん」
僕を呼ぶシシルーの声。リディルカとニーリェも一緒だ。
「では皆も揃った事だし、行こうではないか。可奈芽、ニーリェ、シシルー」
「あぁ。Aランクパーティーになってからの初配信だ」
そして僕達はダンジョンの中へと入り、配信用の魔道具を起動させ、各々名を名乗っていく。
「シシルー・ディーカーです」
「ニーリェ・ドーランズだぜ」
「リディルカ・ハーヴェントである」
「遊朝可奈芽だよ」
名乗りの後、皆でポーズを決め、声を揃えて言い放つ。
「私達」
「オレ達」
「我ら」
「僕達」
「「「リトライズでーす」」」」
これからも僕はこの世界で生きていく。探索者パーティーリトライズとして、僕達は幾多のダンジョンへと挑み続けるのだ。
これまで神様リスナーと転生者を読んで頂きありがとうございました。
主人公が大きな事件の解決した節目でもあるし、これ以上続けるとこの作品を終わらせる事ができなくなりそうなので、ここらで最終回とさせていただきます。




