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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.12

「………………どうしてこうなっちゃうのかしら」


「………わからん」


「絶対に部屋を用意するわ」


「俺は構わんが………」


「用意するわ」


 再度言いつけて太い腕を払い除けて抜け出す。これで二度目。泣きたい気分よ。熊男に眠りの魔法をかけた。絶対にかけた。断言できる。なのになぜこうも私は抱えられなくてはならないのかしらね?気づかない自分が腹ただしい。


 なんだか違和感を感じると思えばこれよ。私を後ろから抱えるように熊男が隣のいた。熊男がベッドを使うと窮屈なのに、なぜ私は気づかない。危機感が足りなさすぎるわ。


 自己嫌悪に陥っても自室で熊男と二人っきりで同じ場所にいたらやってられない。悔しい。着替えるから出ていけと言えばいきなり呆けて見せる。私の手のひらが唸ったのは言うまでもないわ。ただ………私の方がダメージが大きかった。身体強化すればよかったと後悔するだけ。


 因みにこれは彼なりの冗談だったらしい。質が悪い。最低である。変わりに髪だけ残してどこまでが髭なのか分からない毛を剃って来なさいよ。まったく―――


「とりあえず井戸の近くに小さな桶が4つあるわ。それでも使って剃ってちょうだい」


「わかった。行ってくる」


「どうぞ」


 わざわざ私に断りをいれなくてもいいわ。ようやく重い腰を動かしてくれてこっちは助かっているの。熊男が出ていった後にすぐさま着替える。エルフの法衣に近いローブとほとんど変わらない服を色違いで着回しているそれを取ってベルトで固定。またローブで姿を隠して居間へ下りた。


 そこには早くからテテラがいた。貴方もお料理が好きだものね。今日は前に焼いていたパンを半分に切っていたのね。少し日にちが経っていたので、きっと焼くための準備をしている。


「おはよう」


「おはようございます、ホルティーナ様。さっき―――ガトラ、さん………が、ナイフを持って裏へ出ていったのですけど………狩りにでも行かせたんですか」


「あの人を名前で呼ぶなんて慣れそうにないわね。イーグたちが羨ましいわ。彼は刈りに行ったけど魔物ではないわよ」


「え?じゃあ、なんですか?」


「なんだと思う?」


 んー。と考える仕草をしつつ、準備は止めない。きっとテテラと寄り添う男は彼女の気遣いに骨抜きになりそうね。私も水瓶から鍋に少し移してお茶を用意する。まだ子どもたちは起きそうにないわね。


「あ。木の実ですか?」


「外れよ」


「え~。狩るもの………狩るもの………かるもの………あ、分かりましたお茶の花を刈るのですね!」


「ふふっ。テテラ、食べ物だけ?」


 準備をしていたらお腹は空いちゃうものね。そういうと恥ずかしそうに視線をさ迷わせる。でも手はしっかり準備してる。後はお皿ぐらいかしらね。


 もう少しでみんなが起き出してくる時間だけど、まだほんの少し後。じゃあテテラにお茶でも教えようかしら。今日は天気がいいから乾燥させたアルネの実を使いましょう。これは匂いもいいし、お茶も暖かいから。朝でもゆっくりできるわ。


「私、このアルネの実のお茶大好きです!甘いからどんな時でもゆっくりできます。あ、ホルティーナ様結局ガトラさん、は何しに行ったんですか?」


「戻ってきたら、分かるわよ」


 名前を呼ぶのに苦戦してるわね。なんだか楽しいわ。本人を目の前にして呼ぶときはどうなってしまのかしら。ちょっと笑いが堪えられなくて笑ってしまったらテテラの頬が少しふくれたわ。ごめんなさいね。テテラの反応は可愛いからいたずらしたくなっちゃうのよ。


 代わりにアルネの実の美味しい淹れ方、教えるから許してちょうだい。そう言えばむくれていた頬を戻して嬉しそうに笑う。この一喜一憂が楽しいわ。


「まず、お湯を沸かす」


「それは分かります」


「怒ってるの?」


「ホルティーナ様、さっきからからかってますね?」


「食べ物に関してのテテラの反応は楽しいもの」


「だって、美味しいものは美味しいんです。ここに来てよかった………」


「暖かい料理をみんなで食べると幸せよね。―――はい。いつもみんなで飲むためやや大きいティーポットに、輪切りにして干したアルネの実を人数分を入れます」


「やや大きいって、それティーポットじゃないです」


「これは保存用の給水茶器に見えても、ティーポットにしておきなさい。気分も大事よ?」


「ぷ、はは!もう、ホルティーナ様!」


 そう、笑っていなさいね。ティーポットは買おうと思えば買えたのだけど、人数を考えたら数回もやらなくてはならないから面倒なのよ。言わないけど。


 そして沸騰寸前のお湯ををティーポット(仮)に淹れて五分待つだけ。まだみんなが下りてこないから待ちましょうね?そんな待ち遠しそうに喜んで。お茶は逃げないのだから落ち着きなさい。ほら、足音が聞こえてくるでしょう?もうすぐ、みんな姿を見せるんだから、待ちましょうね。





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