第一章 08-07
雲で月が隠れるタイミングを狙って、3人は蔦を使って壁を越えた。
壁を越える瞬間に大きな門が見え、その根元の小さな小屋の中に小さな灯りがちらちらと見えた。おそらく門番が常駐しているのだろう。
3人が地上に降りるとほぼ同時に雲が晴れて、また月が周囲をほんのりと明るく照らし出した。
「みんなの力になれてよかったー。」
「ウズメ、ありがとう。でも思ったより楽に越えれたね。見つかったらどうしようってドキドキしてたのよ。」
そう言って喜ぶウズメとコヤネの横で、マヤが一人首をかしげている。
「どうしたの?」
「ん、なぁんか変。」
「何が?」
「上手く言えないんだけどね、なんだがとっても気持ち悪い。」
「え?また魔物がいるの。」
コヤネはあわてて身構えた。
「ちがうちがう。あのさ、ふくろういたでしょ。お父さんぽかったんだけど、そうじゃなかった。」
「お父さんはヤモリでしょ。」
「うん、そうなんだけど、ふくろうがこっち見てる気がして。
敵意があるわけじゃないから攻撃しそうにはないんだけど。」
「まぁ、無事越えれてよかったじゃない。気分入れ替えて行こう!」
コヤネは先頭に立って歩き出した。体力があるうちに、街までたどり着きたい。
木々の間の一本道は往来が多いのかかなりはっきりとしており、緩やかな上り坂になっている。
はるか彼方に集落の灯りが見える。
大きな門と城を背にして3人は道を急いだ。




