第一章 05-01
「いったーあ。」
何か硬いものに思いっきり足をぶつけて、あまりの痛さにマヤは目を覚ました。どうやら寝返りをうった際にテーブルの脚を蹴飛ばしてしまったようだ。そもそもベッドや布団の上に寝ているのではなく木の床に敷いた硬いラグの上にゴロ寝していたようで、なんだか身体中がズキズキする。そういえば昨日とても身体を動かしたんだっけ。
傍らにはコヤネとウズメがまだ寝息をたてているので、二人の上にそっと薄い毛布をかけた。家というより山小屋、1部屋だけで10畳くらいだろうか、部屋の中央に赤い格子模様のラグがあり、片隅にそっけない木の机と木の椅子、床はところどころささくれだっており、窓のカーテンも薄くてハンカチのようで、その薄いカーテンを通して朝の柔らかい日差しが部屋を照らしている。
昨日はどうしたんだっけ、そうだ、疲れてここに帰ってきて、3人で固まってすぐに寝ちゃったんだっけ。ふと自分の着ている服を見ると、そのままのコスプレ衣装、うん夢じゃなかったんだなとマヤは納得した。
天井は高く、ふと見上げるとロフトがある。どうやらロフトで兄が寝ているようだ。
そろそろと音をたてないように、マヤは戸を開けて外に出てみた。戸を開けると朝の光がやわらかく森を照らし、葉の上の朝露がきらきらと輝いている。小屋の周りをテクテクと一周廻ってみたがなんの変哲もない普通の山小屋だ。小屋の外に台所や水道やトイレがあり、お風呂はなさそうだ。とりあえず顔を洗ってすっきりした。
周囲は森の木々が生い茂っており、確か魔物は全部倒したはずだけどなんだか1人では怖いので、中に入ろうとしたところ足もとの小さい生き物を踏みそうになり、避けたところバランスを崩してしりもちをついてしまった。
「うぁっ」
手のひらくらいの大きさの小さな白いヤモリがじっとしている。白というよりほとんど透明だ。
「んもう、踏んじゃうよ。」
「やめろ、マヤ。」
ん?誰かの男性の声が聞こえた。
「ユウ兄ちゃん?起きたの?」
兄はまだ寝ているようだし、他に誰か住んでいる人がいるのだろうか、マヤはキョロキョロ周りを見回した。




