顔に出やすい姫川さん
「「ギルティ!」」
西宮と後藤に指をさされて言われてしまう。なぜだ!?後こっそり後ろで両手で指をさすな姫川!そんなキャラだったっけ?
「俺は悪くないだろ!寝てる間の事なんてわからないんだし!」
「光輝君、部屋に鍵とか付けないの?」
「いや、香苗が引っ越してきた時に付けようとしたんだけどな?何故か母さんと睦月に断固拒否されたんだよ」
「なんてこと…お義母さんまでグルだったなんて…こうなったら…」
何故か違和感がある言い方で言うと西宮は自分の席にもどってまーたブツブツ言い始め、姫川は自分席について委員長の仕事の日報を書いている。ちなみに姫川の席は後藤の前だ。近いから割りと話をするのだよ。
そしてその後藤はスマホを出して動画を見始めた。って、それは!?
「なぁ光輝、お前も知ってるか?このミツキって子の動画」
「ア、アァシッテルヨ」
「ん?片言?まぁいいや。この子可愛いよなぁ~!超タイプだわ!こんな子と付き合えたら自慢になるよなぁ~」
「お前まじか…」
「まじかってお前。誰が見たって可愛いだろ。まわりに美人が多いから麻痺してんじゃねーのか?」
「いや、そーゆーわけじゃないんだけどな…」
「この贅沢もんが!にしてもミツキちゃん彼氏とかいんのかな?」
ゾワッ
「すげぇ純粋そうだし、絶対処女だな!むしろそうあって欲しい!」
ゾワワッ
後藤よ…もうやめてくれぇ!それは俺なんだよ!
「そいえばミツキちゃんってこの辺に住んでるかもって噂だぜ?めったに外で撮らないミツキちゃんが前に撮影した公園が北区の公園とそっくりだってコメント欄にあってさ!もしかしたらどこかで会えるかもな?」
か~な~え~!
大丈夫大丈夫言うから撮ったのに場所バレしてんじゃねーか!あの野郎!
「おい光輝、顔青ざめてるけど大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ。ちょっと寒気がしてな」
お前のせいだけどな!後、昨日の撮影のせいで寝不足なのもあるんだろうけど。
「佐々木君大丈夫?ホントに顔色悪いけど?保健室行く?」
ん?姫川か。どうすっかな?一時間目は確か数学か…よし、さぼろう。
「あー少し休むかな」
「そう。なら行こうよ。付き合うから」
「いや、いいよ。一人で行けるから」
「ダメ。委員長としてついていきます。」
言いながら俺の腕を掴んできた。これって委員長の仕事なの?まぁいいか。責任感が強いんだろう。
「わかったよ。なら頼むわ」
姫川に腕を掴まれたまま教室を出ていくと後ろから後藤の声が聞こえた。
「え゛?まさか姫川も《《そう》》なのか?」
なんのことだ?
「なぁ、後藤が今言ってたけど姫川も具合悪いのか?」
横を見ると頬を染めた姫川に睨まれた。
「違うよ、大丈夫。」
赤いけどやっぱり熱があるんじゃないのか?
姫川の額に手を当ててみる
「ふえ」
「熱は無いみたいだな」
「な、な、な、何を」
「顔赤いから熱あるのかと心配になってさ。嫌だったならすまんな」
「嫌じゃないけど…じゃないけどぉ~!もうっ!」
いたいっ!何故か腕を叩かれながら保健室につくと姫川が保健室の先生(36歳女性既婚)に説明してくれて、俺はベッドに腰かけた。
「すいません。佐々木君朝から体調がすぐれないみたいで、休ませてもいいですか?」
「えぇいいわよ。空いてるベッド使ってね。でもあれ?姫川さんのクラスの保健委員は?」
「え、えーっと、近くにいたのが私だったので…えっと…」
「なんとなくわかったからもういいわよ。なるほどねぇ~(好きなんでしょ?がんばってね!)」
「ふぇ!は、はいぃ……」
なんか話してるみたいだけどこっちには聞こえてこない。あーやばい。横になると眠気が一気にきたな。せめて姫川に……お礼を━━━ぐぅ。
「佐々木君、私戻るね━━ってもう寝てるの?……ふふっ、寝顔かわいっ。今ならバレないよね?スマホ持ってきてよかった。」
カシャッ
「寝顔撮っちゃった♪ってもうSHRはじまっちゃう!戻らなきゃ!」
◇教室◇
「光輝どうだった?」
「なんか布団に入ったらすぐねちゃったよ。」
「そっか。後、姫川ちょっと」
「ん?なに?」
「(今のニヤケ顔西宮に見られるとバレるぞ?)」
「(えっ!そんなに??ヤバい、落ちつけなきゃ。てゆーか後藤君にはもうバレちゃったよね?誰にも内緒にしてね?)」
「(そりゃあんだけあからさまだとね。りょーかい)」
キーンコーンカーンコーン
「ブツブツブツブツ…はっ!もう時間?あれ?光輝君は?」
「西宮……」
「西宮さん……」
「ん?どしたの?」