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第21章 大空翔対コマンド

傭兵部隊の隊長から1対1の戦いを申し込まれ、それを受けて立つことにした翔。

人格が自由に変われれば、恐ろしい人格になって、勝可能性も高くなる。

だが、いつ人格が変わるか分からない。

人格が変わる前に殺されるかもしれない。

だがコマンドを倒さなければルーナのもとには行けない。

翔はこっちの人格なら普段使わない水神流を使う覚悟を決めた。


街では誰もがどう見ても翔が殺されると思っていた。


「(隊長…)」

「(翔…)」

先に動いたのはコマンドだ。

ものすごい威力の右パンチが翔の顔を目掛けてはなったが、翔は両手でガードした。

だがものすごい威力のため、2メートル近く吹っ飛ばされた。

だが、倒れはしなかった。

「ほう」

今度は翔が攻撃正面から突っ込んだと思わせ、1回転してかかと落とし!

コマンドの肩に直撃した。

さらにもう片方の足で蹴り飛ばそうとした。

これは水神流の業で「天誅」という。

だが顔面に直撃したが、そのまま蹴り飛ばした方の足を掴み、遠心力で翔を投げ飛ばした。

だがすぐに起き上った。

この様子を見ていたルーナは翔が自分に対してどれほどの想いを寄せていたのかが伝わった。

「(翔君勝って!)」

だが、やはり今の翔ではコマンドに勝つ可能性は低かった。

「小僧!一つ詫びを言っておこう」

「詫び?」

「ああ…お前は確かに一人でも戦えた。馬鹿御曹司と一緒にしてすまなかったな」

「いえ」

「だがいつまでもお前と遊んでいるわけにもいかんからな」

そう言うと、手をあげた。

と同時にどこからか鉄砲の弾が飛んできて、翔の右肩に当たった。

「翔君!」

と、ルーナが叫んだ。

「見ましたかルーナしゃん。これであいつは死んだでしゅ」

「翔!」

舞がコマンドを睨んだ。

「1対1の戦いのはずよ」

「悪いなあ。あんたらと違って俺たちは戦場を生きてきた。これが戦場での戦い方だ」

「ああ…そうだな」

翔がそう呟いた。

「(ん?なんだ目つきが変わった)」

ついに翔の恐ろしい人格が目覚めた。

「あなたはまた大きな勘違いをしています」

と、沖田が言った。

「ここにいる私たち3人も戦場を生き抜いてきました」

「ふん…そうは見えんが」

「隊長!危ない!」

ジュリアが大声で知らせた。

一瞬の隙を見て、翔はコマンドの間合いに入り込んだ。

そして翔の右正拳突きがコマンドの顔に直撃した。

「なんだこいつ…今の一撃、なんて速くそしてなんて重い一撃なんだ」

コマンドはまた手を挙げた。

だが翔はコマンドの顔目掛けて上段蹴り。

コマンドはかわしたが、翔の攻撃は止まらない。

狙撃者は狙いが定まらなかったため、撃てなかったようだ。

コマンドは距離を置いた。

「普通、また鉄砲の弾が飛んでくると思い、警戒して動きが鈍くなり隙が出来るんだがな」

さらに翔は刀を抜き、間合いに入り攻撃しようとしたため、ジュリアが発砲した。

だが刀で弾をジュリアの足に跳ね返した。

水神流「弾」という業だ。

「くっ…」

ジュリアは膝をついた。

「お前さっきとはまるで別人だな(こいつ本当に生死を懸けた戦場を生きてきたのか?)」

さすがのコマンドも驚きを隠せないようだ。

当然これを観ていたキモーイや街の人たちも驚いた。

「さすが隊長。人格が戦時中あのころに戻れば私の援護はいらないですね」

「何をやっているんでしゅ!あいちゅらは」

キモーイも慌てだした。

「ルーナしゃん、あいちゅらに帰るようにこの通信機で伝えるでしゅ」

「…はい」

「コマンド隊長!御曹司の花嫁がその少年たちに話があるとのことです」

コマンドも翔も戦いに集中していた。

一瞬の隙が命取りになるからだ。

だが、傭兵部隊の兵士が通信機の映像ボタンを押した。

そして、ルーナとキモーイの姿が映し出された。

「翔君、皆、私はキモーイさんと結婚するといいましたよね」

「…」

翔は一瞬ルーナの映像を観た。

その隙にコマンドは攻撃しようとしたが、すぐにコマンドの方に目を向けた。

「まったく。お前には隙が無いな~」

「皆、私の幸せを願ってくれるなら、おとなしく帰ってください」

「ルーナしゃんのためにもおとなしく帰るでしゅ」

「(キモーイの野郎、あの女にそう言わせているということは、傭兵部隊おれたちはもう必要ないってことかよ)」

「傭兵部隊のみなしゃんはもう下がっていいですよ」

コマンドはまだ負けていないと思っているが、キモーイの命令に背くわけにもいかないため、近くの部下に全員戦いを止めるように指示した。

「俺たちは金で雇われた傭兵だから、あいつに忠誠心なんてないが、金を貰っている以上、あいつの命令には逆らえん。お前たちもあいつには逆らわない方がいい。この国を敵に回したくなければな」

「…ルーナさん…やはり今のルーナさんの顔は幸せそうな顔をしていない。俺たちの事を気遣ってそう言っているなら、そんな気遣いはやめてくれ」

「私は本当に幸せなのよ」

ルーナは嘘の笑顔でそう言った。

「俺は必ずルーナさんのところに行って、助け出す。たとえこの国…いや世界を敵に回してでも…そして今まで言えなかった俺の気持ちを伝えたい」

「翔君…」

「お前しゃんじゃ、ルーナしゃんを幸せにできないでしゅ。街の皆しゃんもそう思ってくれてましゅ」

街の人たちはキモーイの方こそ無理だろうと思った。

「しかしペガサスも相手が悪いな~」

「でもあの男の子、カッコいいわ。私もあんなこと言われたい」

「だが、あいつの親父の権力にはやっぱ逆らわない方がいい。たとえ白でもアイツの親父が黒と言えば黒になる」

「そうだな。本当にこの国を敵に回してしまうぞ」

街の人たちはマネール家が大嫌いだが、逆らえば今のペガサスたちみたいな目に遭うのを怖がっていた。

「キモーイ!ルーナさんを解放しろ!でなければ、生き地獄を味あわせる」

そう言いながら、翔はキモーイの屋敷へ向かおうとした。

だが、ルーナがこう言った。

「お願い来ないで!女の子が一人トーラの餌にされようとしているの!」

「何!」

トーラとはこの世界の絶滅したサーベルタイガーに似ている動物だ。

どうやらルーナが大人しくキモーイの言うことを聞いていたのは、その女の子を守るためのようだ。

「キモーイ!」

翔はキモーイを睨めつけた。

「ルーナしゃん余計なこと言わないでくだしゃい。まあ特別でしゅ。トーラしゃんの餌をあげるところを見せてあげましゅ」

キモーイは翔たちにトーラを見せるため、トーラの部屋に設置されている監視カメラの映像を見せた。

部屋には二匹のタイガーとサーベルという名前のトーラがいた。

そしてトーラの部屋に12歳くらいの女の子が裸にされ手錠をかけられ、怯えていた。

「キモーイ様お許しを」

と命乞いする少女。

「キモーイ!お前のしている事は殺人だぞ!」

「僕しゃんはただシャーベルちゃんとタイガーちゃんに餌をあげようとしているだけでしゅよ」

「生きた女の子が餌だと!てめ~今までそうやって生きた人間をその二匹に食べさせていたのか?」

「生きた人間は今回が初めてでしゅ。こいつはメイドのくせに僕しゃんに暴力を振るった。当然死罪でしゅ」

「ふざけるな!」

「ふざけていないでしゅ。こいつは一昨日、僕しゃんがセックシュして気持ちいいことをしてあげようとしたんでしゅよ。それなのに僕しゃんのおちんちんを入れたら、痛いとかいって僕しゃんを突き飛ばしたでしゅ。これは完全に主に対してへの反抗でしゅ。そんなやちゅは死罪に」

「うるせ~!!!!」

翔がキモーイに怒鳴った。

「僕しゃんが説明している途中でしゅよ」

「今すぐにルーナさんとその女の子を解放しろ」

「お前たちの方こしょ、おとなしく帰るでしゅ」

「お願い皆帰って…じゃないとあの子が」

「あの二匹はお利口しゃんでね。僕しゃんの言うことは何でも聞くように訓練されていましゅ。僕しゃんが合図したらあいちゅはタイガーちゃんたちに食べられるでしゅ」

さすがに街の人もこんなことが許されていいのかと思った。

「お前に死罪かどうか決める権限なんかないだろう!」

翔の問いにキモーイはこう答えた。

「この国の法律はお父しゃまでしゅ。お父しゃまも死罪にすべきだと言ったでしゅ」

「だから言っただろう。あいつに逆らえばこの国を敵に回すことになると」

「翔君、お願い。あの子のために皆と帰って」

「ルーナさんあいつはルーナさんがどんなに言うことを聞いてもトーラの餌にするきですよ」

その時だった。

ジーンが翔の前に現れたのだ。


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