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第22章 翔対ジーン

突如翔の前に現れたジーン。

カーメーたちも沖田と舞の所までやってきた。

「御曹司に、ルーナを紹介したのは私だ。ペガサスには美人で優しい女性がいると言ってな」

「今すぐに、ルーナさん達を解放しろよ」

「断る!」

「なんだと!」

「あのメイド…メイという名だが、アイツは昨日トーラの餌になる予定だったが、私が御曹司にしばし待つように願い出たのだ」

「ルーナさんに言うことを聞かせるためか」

「それもあるが、恐怖に怯えたメイをもうしばらく見ていたくてな」

その言葉に翔が攻撃を仕掛けた。

怒りの籠った重いパンチがジーンの顔に直撃。

だが、同時にジーンも翔の鳩尾に前蹴りを放っていた。

「こいつ強い!」

「驚いたジーンがあんなに強いなんて」

と、ジュリアが言った。

「太ももは大丈夫か?」

コマンドがジュリアに聞いた。

「大したことありません。私は兵士ですから」

「だ、だがな~お前は俺の娘」

「隊長!公私混同ですよ!任務中は親と娘ではありません」

どうやらジュリアはコマンドの娘だったようだ。

「任務は終わった。我らの負けだ。それより、お前の言う通り、ジーンが強かったのは驚きだ。あの小僧の一撃を交わさずに受けてそれと同時に自分も攻撃するとは」

その後も翔とジーンの戦いは、コマンドの時以上に凄い戦いであった。

「驚いたでしゅ。ジーンがあんなにちゅよいなんて」

「強い…ですが恐ろしくはないですね」

と沖田が言った。

「確かにジーンには殺気が感じられない」

と、コマンドが言った。

翔は奥義龍神を放った。

ジーンは吹っ飛んだが、倒れはしなかった。

「キラーマンとの戦いで使っていましたね」

と、ジーンが小声で言った。

「(キリトとの戦いを見ていたのか?)お前何者だ?」

「さあ…何者なんでしょうね?ジャパールの英雄、神威龍一さん」

「てめ~」

「翔たちは何を話しているのかしら?」

「小声で分かりませんね」

沖田がそう言うとキャルロットがこう言った。

「オイラは聞こえるよ。あのジーンて人翔兄ちゃんとキラーマンの戦いを見ていたようだし、翔兄ちゃんが神威龍一だって知っているみたいだよ」

「なんじゃと!」

カーメーや他の者たちも驚いたが、コマンドとジュリアも驚いた。

それは今まで戦っていた少年がジャパールの英雄神威龍一だと聞いたからだ。

「おい、あいつが神威なのか?」

「そうじゃが、聞かなかったことにしておいてくれ。英雄神威龍一がこの国にいると世間に知られたら大事になる」

「ああ…(どうりで強いわけだ。俺と戦う前や戦いをし始めた時は、神威だとばれないための演技だったのか?)」

「それにしても、いざ戦ったらあなたの強さと恐ろしさがよく分かりました」

「いい加減何者か答えろよ」

「まあまあ、あなたの強さは十分分かりました。あなただけでなく、ペガサスの方たちの強さもね。そうそう…僕も知りたいことがあるんですよ」

と言いながら攻撃を仕掛けた。

ジーンは翔の右腕を捕まえ関節技を使った。

「知りたいこととはなんだ?」

「あなたは多分知らないと思いますよ」

「だから何が知りたい」

「今はその話は置いといて、メイさんとルーナさんを助けましょうよ」

「一つだけ分かったぞ。お前は俺たちの力量を知るためにルーナさんを拉致したんだな」

「その通りですよ。それからこれだけは言っておきます。本物のジーンさんはある場所で五日前から眠ってもらっています」

「じゃあ、メイって子を本気で助けようと思っているんだな」

「ええ。正直あんなことまでしていたのには驚きです」

そう言って腕を話した。

「あの子は僕が何とかします。とりあえずあなたはキモーイさんの所に行って、きつくお仕置きしてきてください」

「お仕置き程度じゃ済まさねえよ」

「そうですよね。とりあえずあなたをキモーイさんの部屋に僕が連れていきます。ですからやられたふりしてください」

そう言って翔を投げ飛ばした。

「どうした小僧!もうおしまいか?」

ジーンに化けている謎の者が大声で言った。

「ジーンしゃき何をごしょごしょ言っていたんでしゅか?」

「いえ、キモーイ様に謝罪しルーナの事はあきらめろと言っていたんです。けど、こいつはそう言ってもあきらめないみたいなんですよ。そうだ!キモーイ様あの小僧もトーラの餌にしてはどうでしょうか?」

「その小僧を餌にでしゅか」

「ええ、トーラは二匹ですから、メイ一人では腹の足しにならないでしょう」

「そうでしゅね」

「キャルロット、あのジーンに化けたものは何をする気なんだ?」

「どうやらキモーイの所へ連れていくためにお芝居をしているようだよ」

「あいつを信じていいのかよ」

と、ジンヤーがカーメーに言った。

カーメーは信じることにした。

これで今翔たちが芝居をしているのに気付いているのはルーナ以外のペガサスの連中と沖田、そしてコマンドやジュリアと数名の傭兵たちくらいだろう。

傭兵部隊も全員実はキモーイを嫌っていた。

だから知らないふりをした。

そしてジーンに化けた者が、翔の両足を銃で撃った。

翔は倒れた。

だが、実は弾はペイント弾だ。

「翔!」

舞が叫ぶが、もちろん演技で心配しているふりをしただけだ。

「お前たちは動くな!コマンド隊長、こいつらに手錠を」

「分かった」

「小僧!お前にも手錠をしてやろう」

そう言って翔にも手錠がかけられた。

「おい、二人ばかり車でここに来い」

本物のジーンの命令だと思い、キモーイの部下が二人車に乗って現れた。

「お疲れ様です」

「ああ、こいつを車に乗せろ」

「は、はい」

「ビビることはない。もうこいつは立つことも出来んのだから」

「そうですね」

部下二人は翔を車に乗せ、ジーンに化けた者たちと共に屋敷へ戻っていった。



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