第18章 さらわれたルーナ
次の日の午前9時…
翔とルーナは食材を買いに出かけた。
ただの買い物とはいえ、大好きなルーナと二人でいられることに翔は心の中で喜び、デートをしているような気分になった。
そんな時30代くらいの二人の男性がルーナと翔に道を尋ねてきた。
「すいません。僕たちこの国に来たばかりで…クリスタルパークに行きたいんですが」
ルーナが親切に道を教え始めた。
だが、これは男性たちの罠だった。
一人がルーナの腕に痺れ薬という薬が入った注射を打ち、もう一人は、翔の腕に同じく痺れ薬の注射を打った。
「これでしばらくは痺れて抵抗もできないだろう」
さらにワゴン車がやってきて中から二人出てきて、4人でルーナを車に乗せようとした。
ルーナは抵抗しても痺れているため体が思うように動かない。
翔もルーナを助けようとしたが、翔も体が痺れているため、結局何も出来なかった。
「おい、この女も連れて行こうぜ」
と、男の一人が言った。
だが、翔の体を触って、翔が男だと分かった。
「なんだ男かよ」
そう言って翔を突き飛ばした。
そしてルーナは拉致された。
1時間以上たってようやく痺れが治まると翔は涙を流しながら会社に戻っていった。
会社に戻った翔は皆にルーナ拉致されたことを話した。
「僕はルーナさんを守れなかった。僕のせいだ」
涙を流しながら自分を責めた。
「翔…あなたのせいじゃないわ」
そう言って舞は右手で優しく翔を抱きしめた。
「舞さんの言う通り、隊長のせいじゃないです。私が隊長の護衛を任されているのに付いて行かなかった私のせいです」
沖田も自分を責めた。
「誰のせいでもないだろう!翔やルーナは体が痺れていたんだし、沖田は翔に気を使ってルーナと二人きりにしようとして付いて行かなかったんだろう」
と、スギールが言った。
「また女を集めて奴隷として売ろうとしている奴らが現れたのかもしれんのう」
怒りを抑えながらカーメーがそう言った。
「僕を女だと思って、僕も連れて行こうとしていたから…やっぱり奴隷商人の人たちの仕業なのかな」
「うえ~ん!ルーナお姉ちゃ~ん!」
キャルロット大声で泣き出したため、マリーが「うるさい!」と怒鳴った。
それでもキャルロットは泣き止まないため、ランがキャルロットの頭をなでながらこう言った。
「皆でルーナを助けよう」
「うん…ヒック…」
「奴隷商人で思い出しましたが、隊長がジャパールを出て間もなくして、大沢さんがこの国で捕縛されたらしいですね。大沢さん達を捕縛したのはこの国のリスポ隊が捕縛したと聞いていますが、あれ隊長が捕縛したんでしょう」
「はい…」
「もし本当に奴隷商人たちの仕業なら、また何人かの女性が拉致されるはずじゃ。ジャッキーにこの事を話してリスポ隊と協力し、ルーナがさらわれた場所を突き止めるんじゃ」
「はい!」
その時だった。
40代くらいの男性が現れた。
沖田は慌てて山崎に変身した。
「ルーナ様は今マネール家の屋敷に居られます」
「なんじゃと!マネールじゃと!?あのマネール財閥か?」
「はい。私はマネール家の執事、ジーン・ヒーツと申します」
「お前らがルーナを拉致したのか!」
「部下が手荒な真似をしたのはお詫びします。ただ拉致したのではなく、マネール家の屋敷にお連れしただけです」
マネール財閥はかつてルーナを花嫁にしようとしたエンドル財閥以上の大財閥でる。
「マネール家の御曹司であられるキモーイ・マネール様がこちらのルーナ様をぜひ花嫁として向かい入れたいと申されまして」
「また金持ちのご子息がルーナさんを花嫁にしようとしている」
と、美奈子が言った。
「確かにルーナさんは美人で優しい人だから、花嫁にしたいのはわかるけど、マーネ・エンドルにしてもマネール家にしても無理やり花嫁にしようとする」
美奈子がそう言うと、ジーンは通信機を出し、ボタンを押したらマネール家にいるルーナの姿が映し出された。
「ルーナさん!」
「翔君…」
「今から助けに行くぜ!」
とジンヤーが言った。
「その必要はありません」
その言葉に全員が驚いた。
「私はキモーイさんと結婚します」
「な、何を言っておるんじゃ」
「ルーナ無理やり言わされているのだろう」
と、スギールが言うと、ルーナは「私の本心です」と答えた。
「キモーイさんと一緒になれば私は幸せになれます」
「そんなの嘘だ!今のルーナさんの顔は幸せそうな顔をしてないじゃないですか!」
と、翔が大声で言った。
すると不細工な顔をした20代前半の男が出てきた。
「僕しゃんがキモーイ・マネールでしゅ。ぼくしゃんと結婚できるルーナしゃんは世界一幸せでしゅよ。僕しゃんはイケメンでカッコよくて、強くて勇敢で頭もいいしお金持ちのパーフェクト人間でしゅから、多くの女性が僕しゃんと結婚したがっていましゅ」
「何言ってんだあいつ」
と、ジンヤーが言った。
「不細工で阿保だと気づいてないのだろう」
と、ジェーソンが言った。
「僕しゃんがあんまり美しいから、そんなこと言っているんでしゅね」
「馬鹿に何を言っても無駄よ。そうですよねスギ様ラン様」
「そうだな」
「あなたたちの方こそ、何を言っても無駄でしゅ。ジーンこの人たちにお金を渡しなさい」
「はい」
ジーンはキモーイから渡された鞄を開けた。
その鞄の中には一億マーネ(一億円)の現金が入っていた。
「その金あげましゅから、これで文句ないでしょう」
「ふざけるな!」
とジンヤーが怒鳴った。
するとルーナがこう言った。
「これで私だけでなく皆も大金が手に入って幸せになれましたね」
「ルーナさん…本当に本気なんですか?」
するとルーナはキモーイにキスをした。
「これで分かったでしょう。私が本気だってことが」
「式は来週の月曜日でしゅ。この日は僕しゃんの誕生日でもありましゅから。結婚式にはぜひみなしゃんで来てくだしゃい。ではそろそろこの辺で…この後マシュコミを呼んで記者会見を行いましゅ」
そう言って映像が消えた。
「私も忙しいのでお暇します」
「ルーナはワシの大事な孫娘じゃ!あんな奴の嫁になどさせるか」
「お孫さんが幸せになれるのにですか?」
「あいつは本心であんなこと言ってはいない。翔も言っていたが、あいつの顔は幸せな顔をしておらん。あれは絶対にキモーイに言わされておるだけじゃ!キモーイに伝えろ!必ずルーナは連れ戻すと」
「それはやめた方がいいでしょう。マネール家に200人を超える傭兵部隊がいます。無断でマネール家の敷地に入れば殺されても文句は言えませんよ。では失礼します」
「おい、忘れもんじゃ!」
「忘れ物?」
「マネールからのお金などいらん」
「そうですか。あなた方は本気でマネール家と争う気なんですね」
「当たり前じゃ!」
「分かりました。忠告はしました。あとはどうなっても知りませんよ」
そう言ってジーンは鞄を持って帰っていった。
ペガサスのメンバーは早速作戦会議を始めた。
「しかし相手が悪い。マネールの権力があれば傭兵部隊どころか、この国の軍そのものを相手にすることになるかもしれん」
ジンヤーがそう言った。
「リスポ隊もジャッキー以外は味方してくれんじゃろうな~」
「隊長いざとなったら龍神隊を呼びましょう」
元の姿に戻りながらそう言った。
「そうですね。ただ、この国とジャパールの関係が悪くなるかもしれない」
そして作戦が決まった。
ペガサスのメンバーはルーナのいるマネール家目指して、出陣した。




