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第15章 大空翔対神威武蔵

舞は翔たちの話を信じたが、武蔵は信じようとしなかった。

「おい、俺はお前らの話は信用せんぞ。どこで調べたが知らんが、お前は俺の名前どころか、水神流の事も知っていた。だが、信じね~お前は俺の弟子らしいが、もし信じろというなら、俺と戦え!お前の強さが本物なら信じてもいい。だが弱かったらお前ら全員を殺す!大体、水神流の者以外の者が水神流を知っていたら殺すが掟だからな」

「そうでうですね…」

「翔」

「大丈夫ですよ。信じてもらえるのは分かっています(だけど無事ではいられないだろうな~)」

「この病院から少し離れたところに野原がある。あそこで勝負だ」

そう言って、武蔵と翔は待合室を出て行った。

美奈子は後を追った。

「しょうがないから行ってあげるわよ」

と、言いながらマリーも後を追った。

「私も役に立てないけど行きます」

マーナも後を追った。

「ワシはここに居るよ。魔力も体力も回復させねばならんしな」

「そうですね」

「翔…」

「舞さん、貴女はここでイムターさんといてください。イムターさん、舞さんをよろしくお願いします。それと幼い翔君が目を覚ましたら教えてください」

「分かった」

ルーナも後を追った。


病院から少し離れた野原で二人は戦いを始めていた。

「どうした!小僧!やはり貴様の話は嘘だったか!?」

「ハアハア…強い…でも負けられない」

「行くぞ!」

武蔵が翔の間合いに入った。

そして右上段回し蹴りを放った。

翔が両腕でガードするが吹っ飛ばされた。

だが、翔は立ち上がった。

まだ、恐ろしい人格になっていないのに、あの甘えん坊の人格の翔が立ち上がった。

今度は翔が右正拳突きを放つが、武蔵は片手で受け止めた。

「拳打ってのはこうやるんだ」

今度は武蔵が右正拳突きを放ち、また翔は吹っ飛んだ。

だが、やはり立ち上がった。

武蔵に自分の言っていることを信じさせないと、幼い自分が弟子にならないからだ。

「翔君…」

ルーナは今にでも止めたそうだった。

いや、彼女だけでなく、美奈子やマーナも止めたいと思っていた。

「ルーナ、止めさせないとあいつ死んじゃうよ」

未来から来たとはいえ、未来の翔が過去のこの日に生きていたか死んだのかは誰にも分らない。

それでも翔は戦い続けた。

「しぶとい奴だ」

そう言うと、武蔵は刀を抜いた。

「ハアハア…こ、怖い…でも、もう一人の僕なら最後まで戦うはずだ」

「もう一人の僕だ~?」

武蔵は間合いの入っていない状態で攻撃をしようとしている。

これは水神流の秘剣「鎌鼬」だ。

だがその時、

「やめて~!」

と、翔の前に姉の舞がやってきて、自分の体を張って守ろうとしていた。

「姉さん…」

「いいだろう。まず女お前から殺してやろう。どうせここにいる奴らは水神流の事を知っているから皆殺しにする気だがな」

「やばい。秘剣鎌鼬だ」

「死ね~!!!!」

ザンッ!

ぽたぽたと血が流れていた。

「翔…」

血を流していたのは翔だ。

とっさに姉を庇い背中をまた斬られたのだ。

「たとえ…たとえ師匠でも…」

拳を強く握りこう言った。

「姉さんや仲間たちを傷つけることは許さん!」

そしてもう一人の恐ろしい方の人格の翔となった。

「(なんだ?目つきがさっきとは違う)」

「翔、もうやめて…あなた背中を斬られたのよ」

「大したことありませんよ。師匠は本気を出さなくても姉さんを殺せるから、手を抜いた。おかげで俺はこの程度の傷で済んだ」

「こ、この程度って…あなた、背中から血が流れているのよ」

「今まで血ならたくさん流してきました。それより危ないから下がっててください」

ルーナたちが舞を翔から遠ざけた。

「来い!」

翔が武蔵の間合いに入った。

そしてまた右正拳突きを放とうとしたが、これはフェイントで武蔵の鳩尾に前蹴りを放った。

だが武蔵は紙一重で交わし、さっきと同じように右上段回し蹴りを放った。

翔は今度は片手でガードした。

だが、武蔵の攻撃は続く。

右手で持っていた刀を後ろで左手に持ち替え、片手でガードしていない左の首目掛けて薙ぎにいった。

だが、翔はもう片方の手で受け止めた。

「(こいつ…さっきとはまるで別人だ)」

「(強い…十三歳あの時は師匠は病んでいたから、倒せた。いや、殺せた。だが今は違う。これが本当の神威武蔵の強さ…ならばこれでどうだ)」

翔は刀を離し奥義龍神を放った。

見事に決まったがあの時のように倒れない。

翔は再び龍神を使うため武蔵の間合いに入ろうとした。

だが、武蔵は鎌鼬を放った。

「ん?残像…幻影か…」

翔は一瞬のうちに武蔵の間合い近くまで来ていた。

だが、今度は武蔵が奥義龍神を放った。

吹っ飛んだが、翔も倒れなかった。

翔はまた、武蔵の間合いに入ろうとしたが、武蔵は刀を収め、背中を向け立ち去ろうとした。

これで戦いが終わったと皆思ったが、翔は武蔵の後頭部目掛けて跳び蹴りを放った。

だが、水神流の業の一つ幻影で交わした。

師匠あんたが誰も殺さず去るわけないからな~」

「(チッ…読んでやがったか…そうとう修羅場を潜っているな…どうやらこいつの言っていたことは本当のようだな)いいだろう。お前の強さは本物だ。俺が恐怖を感じるくらいだからな。久々だぜこんな恐怖」

「俺もですよ」

「お前は継承者になったのか?」

「ええ、刀は自分のいる時代に置いてきました。けど、俺が継承者になれたのはあの時師匠が病んでいたからですよ。じゃなきゃ殺されていた。あなたの息子の神威龍一のようにね」

「ほう。俺は龍一やつの事をお前に話したのか」

「ええ、死ぬ間際に、俺の事を心の中では龍一と呼んでいたらしい。だから俺は戦時中は神威龍一と名乗った。あとそれから師匠が死ぬ前に俺に今は姉に会えなくてもいつか時の中で出会うみたいなことを言い残した。その時は意味が分からなかったが、イムターのじいさんのおかげで謎が解けた。俺は姉さんが生きているかもしれないと思い、この時代へ来た」

「お前が継承者になったのはいくつの時だ?」

「13歳の誕生日。それから間もなくして戦が始まったんです」

「そうか…」

「でもなんで武蔵さんは舞さんが死んだと幼い翔君に嘘を教えたの?」

「水神流の修業の邪魔になるから…俺は家族を失い、神威武蔵の弟子となり、戦争に参加する。それが俺の運命だったんだな~」

「さて、帰ろうよ」

マリーの言葉にルーナがこう言った。

「舞さんはどうなるの?」


翔の知っている歴史では舞は死んだことになっている。

そのため一同は悩んだ。

舞の運命はどうなるのだろうか。







この翔対武蔵の格闘シーンを描くため、自分を熱くさせるために「ドラゴンボールZ」のバーダックのテーマとも言える曲「ソリッドステート・スカウター」という曲を何回も聞いて書きました。

いい曲ですので、聞いたことのない方はぜひ聞いてみてください。

あっ、そういえばバーダックの妻でもあり孫悟空の母親の名前が明かされましたね。ギネだそうです。

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