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平日の5日間は完璧な他人。週末の2日間だけは、俺の部屋で「めちゃくちゃにして」と強請ってくる学校一の優等生。~あざとい後輩と、週休二日のナイショの夜を~   作者: 藤沢 淵
第1章:『学校では完璧な他人のフリ。だけど週末は、家賃4万の部屋でめちゃくちゃに甘えてくるあざとい後輩』
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プロローグ

俺たちは付き合っていない。ただの、先輩と後輩。――それと、夜の都合がいい関係


始まりは、同じゲームサーバーの、同じダンジョンの中だった。


ボイスチャットの向こうからあざとい甘声で俺を頼り、都合よく耳を溶かしてきたあいつ。


それがどうして、今、俺のベッドの中にいるのか。


カサリ、とシーツが擦れる音。 カーテンの隙間から差し込む朝陽が、薄暗いワンルームを白く染めていく。


「……ん、先輩。起きたんですか?」


隣から聞こえたのは、イヤホン越しに聴いていたのより、ずっと低くて生々しい吐息。 振り返ると、少女は俺が昨日脱ぎ捨てた白シャツを一枚だけ羽織り、はだけた襟ぐりから華奢な鎖骨を覗かせていた。


「起きたなら言ってくださいよ……。あ、コーヒー淹れますね」


ベッドから這い出る拍子に、わざとらしくシーツを蹴飛ばして、白くて細い太ももが俺の肌をかすめていく。


シャツの裾から覗く、何も穿いていない絶対領域。 自己的な身体のどこをどう見せれば、俺の視線が固定されるか、彼女は百パーセント理解している。女の子の特権をフル活用した、実にあざとい導線設計だ。


トタトタと軽い足音を響かせて、小さなキッチンへと向かう。 その後ろ姿から目が離せない。 俺の白シャツの裾は、彼女が歩くたびにふわふわと揺れて、男物にはない柔らかな曲線の境界線を際どく隠しては覗かせていた。


お湯が沸騰するまでの数分間。手持ち無沙汰そうに、キッチンのシンクに背中を預け、こちらをじっと見つめてくる。


「……何見てんだよ」


「べーつに? 先輩が、私のことすっごい見てるなーって思っただけです」


くすくすと悪戯っぽく笑いながら、片方の足をもう片方の足首にすり寄せるようにして、重心をくねらせる。はだけた襟ぐりから、華奢な肩と、昨日俺がつけた薄赤い痕が朝陽に晒されていた。


「お前、わざとやってるだろ」


「なんのことですか? ……あ、もしかして、お湯が沸くまで暇になっちゃいました?」


確信犯の笑みを浮かべたまま、彼女はゆっくりとベッドの方へ歩み寄ってくる。 俺の視線を引き連れたまま、ベッドの縁に腰掛け、わざとらしく身を乗り出してきた。だぼついた胸元が自重で大きく垂れ下がり、布地の隙間から、まだ熱の残る柔らかな果実が容赦なく視界に飛び込んでくる。


湯気が立ち上る前の、静かなワンルーム。 少女は俺のシーツを細い指先で弄りながら、吐息が届くほどの距離で囁いた。


「コーヒーの前に、もっとあったまること……しちゃいます?」


わずかに開いた唇から零れ出たのは、甘く熱を帯びた、これ以上ないほど露骨な誘い。


覗き込んでくる彼女の瞳には、完全に俺を翻弄して楽しんでいる余裕の色が浮かんでいた。香ばしい珈琲の香りが広がる前の部屋に、彼女自身の甘い体温がじわりと満ちていく。


目が離せない。シャツの隙間から覗く肌の白さにも、からかうように小さく揺れるその睫毛にも、すべてに脳を狂わされそうになる。 生唾を飲み込むかすかな音すら、この至近距離では筒抜けになりそうで、喉の奥が引き攣るように熱かった。


どろどろに溶けていく理性の輪郭を、辛うじて残ったプライドだけでどうにか繋ぎ止め、喉の震えを抑え込む。


「……早く着替えろ。服、貸してやるから」


精一杯の拒絶を込めて突き放そうとするが、声は思った以上に掠れていた。彼女はそれを聞き逃さない。ふふ、と喉を鳴らして笑うと、ベッドに這い上がり、膝をついてじわじわと距離を詰めてくる。


「やーです。先輩が脱がせてくれるなら、考えてあげてもいいですよ?」


挑発するように上目遣いで見つめてくる瞳は、完全に俺をハメにきている。 だぼだぼの白シャツの裾がシーツの上を滑り、彼女が動くたびに、剥き出しの柔らかな太ももが俺の脚にぴったりと押し当てられた。ストッキングも何も穿いていない、吸い付くような素肌の熱がダイレクトに伝わってきて、頭の芯が痺れそうになる。


コトコトと、背後でケトルが小さく音を立て始めた。 その音すらじれったく思えるほど、目の前の存在が放つ甘い匂いに、俺の理性はチリチリと削られていく。


「……調子に乗るな」


我慢できずに手を伸ばし、だぼついたシャツの襟元を少し強めに引っ張ると、彼女は「わっ」と小さく声を上げて俺の胸元に倒れ込んできた。


予測済みのハプニング、といった風に、彼女は俺の胸に顔を埋めたまま、ずる賢く微笑む。


「あーあ、先輩から襲ってきた。本当は、したくてたまらないくせに」


「うるさい。今のはお前が悪いだろ」


呆れたように言いながらも、腕の中に収まる身体は驚くほど華奢で、柔らかくて、抱きとめた拍子に、彼女の小さな身体が俺の胸にすっぽりと埋まる。


俺のシャツを着ているせいで、彼女が呼吸をするたびに、布地越しに伝わる体温がダイレクトに俺の肌へと移ってきた。女の子特有の、ふわりとした、それでいて吸い付くような肉体の質量。


腕の中に閉じ込めているはずなのに、逆にこちらが逃げ場をなくしていく感覚に陥る。


彼女は俺の胸元に顔をうずめたまま、わざとらしく「ん……っ」と小さく鼻を鳴らした。その拍子に、彼女の甘い吐息が直接吹きかかる。ドクドクと、自分の心臓がうるさいくらいに跳ねる音が、密着した彼女の胸元にも絶対に響いているはずだ。それがたまらなく気恥ずかしく、同時にひどく興奮を煽ってくる。


離さなきゃいけないのに、腕に込めた力をどうやって抜けばいいのか分からない。それどころか、指先が勝手に、彼女の細い背中の曲線をシャツ越しになぞろうと動いてしまいそうだった。


俺のそんな葛藤をすべて見透かしているかのように、彼女は俺の胸元に顔をうずめたまま、くすくすと低く、 愉しそうに喉を鳴らす。


「隙、わざと作ってあげてるのに。先輩、全然意気地なしなんだから……」


彼女は俺の胸元に指先で小さな円を描きながら、わざとらしく小さく溜息をつく。そして、俺の顎に自分の額を擦り付けるようにして、さらに甘えた声を漏らした。


「……本当は、私のこと、めちゃくちゃにしたいって思ってますよね?」


向けられた瞳は、熱を帯びてドロドロに潤んでいる。シャツのボタンがいくつか外れ、はだけた胸元から覗く、昨日俺の手のひらが何度も形をなぞった柔らかな果実が、俺の肌にぴったりと押し潰された。


薄い布地越しに伝わる、狂おしいほどの弾力と熱。 もう限界だった。ひねくれた理屈で武装した頭の中が、彼女の香りと、肌の柔らかさだけで真っ白に塗りつぶされていく。


「……後悔するなよ」


低く呟くと同時に、俺は彼女の細い腰を抱きすくめ、そのままベッドに押し倒した。


仰向けになった彼女の長い髪が、白いシーツの上に乱雑に広がる。俺の白シャツを羽織った彼女の細い身体を完全に組み敷くと、彼女は一瞬だけ驚いたように目を見開いたが、すぐに勝ち誇ったような、とびきりあざとい笑みを浮かべた。


「ふふっ、コーヒー、冷めちゃいますよ?」


「まだ沸いたばっかりだろ」


言い訳のようなセリフを噛み潰し、俺は彼女の柔らかい唇を塞いだ。


「ん……っ、ん、う……」


鼓膜に直接響く、甘い鼻鳴らし。 容赦なく舌を滑り込ませると、彼女は小さく震えながらも、細い腕を俺の首の後ろに回し、逃げられないようにしがみついてくる。吸い上げるたびに、彼女の小さなひと言が吐息に混じって漏れた。


ひとしきり唇を貪り、息を整えるためにわずかに唇を引き剥がすと、彼女の唇は真っ赤に腫れ、ツヤツヤと光っている。


「ねえ、先輩……。今日も私を……いっぱいいじめて、可愛がってくださいね……っ?」


自分のシャツのボタンを、だぼだぼの袖から覗く指先で、ひとつ、またひとつと自ら外していく。布地が左右に割れ、遮るもののない彼女の真っ白な素肌が朝陽の下に完全に晒された。


恥ずかしがるどころか、自分で自分の胸元を少し押し上げるようにして、俺の視線をそこへ釘付けにする。あざとさが、暴力的なくらいにエロい。


俺の手を自分の腰へと導き、熱い太ももを俺の腰に絡めつけてくる彼女の熱量に、俺の奥底にある独占欲が完全にハジけた。


朝陽が照らすワンルームの中で、ケトルが沸騰を知らせるカチリという音を虚しく響かせる。


そんな音などもう二人の耳には届かない。珈琲の香りが立ち上るより先に、昨夜の甘い残香が再び濃密に燃え上がり、俺たちはシーツの海へと、深く、深く溺れていった。

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