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第24話 最高の使い潰し方



 ドガガガガガガガガシッ!!!


 凄まじい神聖魔力のレーザーが、荒野の地面を抉り、奴隷部隊の肉体を幾度も貫いていく。

 意識はあるのに、身体の支配権を奪われている他クラスの生徒たちは、ただの【生きた肉盾】として、天使たちの攻撃を全身で受け止めさせられていた。


「ひ、ひぃぃ……頼む、誰か俺の首を刎ねてくれ……! こんなの、死ぬよりきつい地獄だろぉ!」

「委員長……いや、蓮様! お願いですから、もう俺たちを殺してください! 何でも言うことを聞きますからぁ!」


 現代で俺たちをパシリにし、ゴミのように見下していた元エリート勇者たちが、ボロボロに血を流しながら俺の足元に向かって泣き叫ぶ。

 だが、俺は彼らの間を音もなく擦り抜け、懐からサイレンサー付きの拳銃を抜き放った。


「謝る必要はありませんよ。あなたたちは現代で、俺たちの頭を踏みつけながら『お前ら負け組には俺たちの靴の裏がお似合いだ』と仰いましたよね? だから今、お前らはお嬢様のオーダーメイドの靴を汚さないための、最高に役に立つ『床の雑巾(デコイ)』になっているんです」


 パシュッ! パシュッ!


 俺が放った消音銃弾が、奴隷勇者たちを背後から襲おうとした天使2人の額を、ピンポイントで打ち抜いた。

 脳髄を破壊された天使が、声もなくドサリと崩れ落ちる。


「お前らが肉盾になって天使のターゲットを引きつけてくれているおかげで、俺たちプロが、こうして安全に敵の隙を突いてヘッドショットできるんだ。……なぁ、素晴らしい効率(戦術)だろ?」


「あ、あああ……悪魔だ……お前ら、バカクラスなんかじゃない、本物の悪魔だ……っ!!」


 元サッカー部リーダーの男が、絶望の涙を流しながら、強制駆動する足で再び天使の枪の前に立たされる。

 現代でのいじめやパシリのヘイトが、これ以上ないほどエグい形で他クラス全員に跳ね返っていた。

 

「おい、ぐずぐずするな、大魔導師部隊! 前方の天使が集まっている座標に向けて、最大火力の広域爆発魔法を放て!」


 後方から、軍師プロの男が眼鏡を指で上げながら、スピーカー魔法で冷酷に命令を下した。


「え、あ……でも、あそこにはまだ、A組の聖騎士たちが戦ってるんだよ!? 今魔法を撃ったら、味方を巻き込んじゃうよぉ!」


 C組の奴隷女子たちが、涙を流して詠唱を拒もうとする。

 だが、彼女たちの首元の呪印が真っ赤に脈打ち、強制的に魔力回路を暴走させた。


「嫌だ……嫌だぁぁぁ! 手が勝手に魔法を練り上げるぅぅぅッ!!」


「いいから撃ちなよ、一般人。君たちのチート魔力、ここで使い潰さなきゃ意味ないんだからさ。――【強制全弾発射(バグ・バースト)】」


 ハッカーの少年がキーを叩いた瞬間、奴隷女子たちの魔導書から、制御を失ったキチガイ染みた大火力の炎の嵐が、前線の味方(聖騎士部隊)ごと天使たちの群れに向かって撃ち放たれた。


 ドゴォォォォォォン!!!


「ギャアアアアアッ!? 何で味方が俺たちを撃ってくるんだよぉ!」

「身体が、身体が灼け焦げて――」


 味方のチート魔法に巻き込まれ、天使ともどもドロドロに溶かされながら全滅していく奴隷勇者たち。

 しかし、彼らが肉盾となって敵の戦力をすり潰したおかげで、数千いた天使の軍勢は、戦うまでもなくみるみるうちにその数を減らし、文字通り相滅していった。


 Xクラスのプロたちは、その大爆発の爆風すら、ハッカーの張った完璧な防壁の裏で、涼しい顔をして見つめているだけだった。


読んでいただきありがとうございます!

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