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第12章 加速

マサトは事務所で一人考え込んでいた。

シスリアがいるかもしれない家を見つけたものの、確信を得られず焦りと迷いが続いている。


マサトの心の中「どうすればシスリアさんがそこにいるって分かるんだ……?」


その時、ふとある考えが浮かんだ。


マサトの心の中「隣人さんに聞けばいいじゃないか……なんで僕、こんなことに気付かなかったんだろ……」


彼は立ち上がり、拳を握りしめた。


マサトの心の中「一瞬だったけど、あの隣人さんなら特徴を覚えてるかもしれない! 次こそ聞いてみよう……犯人らしき人物が出てきた時にも対応できるよう準備しておかないと!」


決意を固めたマサトは、再び隣町へ向かう準備を始めた。


一方、タースは自分の計画を進めながらも内心で苛立ちを覚えていた。

彼の手の中で踊らされているシスリアに、以前の冷静さは見る影もない。


タースの心の中「計画は完璧だ。だが……このままシスリアを利用するのも飽きてきた。正直、一緒にいるだけで邪魔だ……。記憶を失っただけで、こんなに無力になるとはな……気持ち悪いくらいだ」


その時、キッチンからシスリアの明るい声が聞こえた。


シスリア「タースさん、ご飯できましたよっ♪」


タースは平静を装い、優しい声で返事をする。


タース「今行くよ」


だが内心では次の行動を検討し始めていた。


タースの心の中「そろそろ片付ける頃合いか……。何か新しい事故の計画を練るべきだな」


マサトは隣町に向かう途中で、再び考えを巡らせていた。


マサトの心の中「もしシスリアさんがそこにいたとして……誘拐されてない状況だったら? いや、でも写真の状況を見ると明らかに誘拐されてた……」


彼は頭を抱えた。


マサトの心の中「もし、あの写真が囮だったとしたら……いや、でも、それならもっと違う形で助けを求めるはず……」


正解が見えない状況に苛立ちながらも、彼は次の行動に賭けることに決めた。


マサトの心の中「とにかく、隣人さんに聞くだけだ……。迷っても仕方ない!」


…マサトは行動する…


マサト「えっ…?」


次の日…マサト…隣人に聞き込みに行くと驚いて


隣人の家でシスリアについての情報を得たマサトは、混乱しながらも確信を得られずにいた。

「柔らかい感じだった」という隣人の言葉に違和感を覚えつつも、彼の心には希望と疑念が交錯していた。


マサトの心の中「写真では確かに囚われていたはずなのに……なんで柔らかい印象なんだ……?それに…あのシスリアさんが…」


その時、不意に背後からドアが開く音が聞こえた。


シスリア「おはようございますっ…♪」


その声に振り返ると、そこには間違いなくシスリアの姿があった。


マサト「シスリア……?」


マサトは驚き、言葉を失った。


隣人は微笑みながら彼女に話しかける。


隣人「あら、おはよう、シスリアさん。この方、あなたに用があるみたいよ?」


シスリアは少し戸惑った様子でマサトを見る。


シスリア「私……ですか?」


マサトは混乱しながらも、彼女の名を口にした。


マサト「シスリアさん……本当に…シスリアさんですか…?」


タース――予想外の展開


その頃、タースは自宅の監視カメラでこの状況を目の当たりにしていた。


タースの心の中「……くそ、シスリアめ!買い物なんて必要ないと言ったはずだろうが……。あいつを惚れ込ませ過ぎたか……こんなタイミングで出会わせるとは……どうする……?」


焦りながらも、タースは手を打つには既に遅いことを理解していた。


タースの心の中「間に合わない……だが、マサトに俺の存在を気付かれるわけにはいかない……」


一方、シスリアは目の前のマサトに対して、どこか懐かしいような、しかし不思議な違和感を覚えていた。


「すみません…どなたですか…?」


その言葉を聞いたマサトは、絶望と混乱の入り混じった表情を浮かべた。


マサト「……シスリア、僕だよ! マサトだよ! 事務所で一緒に働いてたじゃないか……!」


シスリアは首を傾げながら答えた。


シスリア「ごめんなさい…分からないです…」


隣人が状況に気まずさを感じ、軽く肩をすくめるようにしてその場を離れた。


タースは、冷静を装いながらも次の手を練り始めていた。


タースの心の中「ここでマサトに何か掴まれるのはまずい……やつを別の場所に誘導する必要がある……シスリアを再び連れ戻すには、別の計画を立てるしかない」


彼はすぐにスマホを取り出し、監視カメラを切り替えながら行動を決めた。


タースの心の中「まず、マサトがシスリアを連れていく前に、俺がシスリアを確保する。やつを陽動に誘導する罠を仕掛けて……」


タースはシスリアに電話をかけ、冷静に計画を実行に移していた。


タース「もしもし……俺だよ……えっと、シスリア、ちょっと頼みがあるんだ」


シスリアは普通の会話と思い込み、素直に応じた。


シスリア「はいっ、どうしましたか?」


タースは一瞬間を置き、演技を開始した。


タース「あれ……ごめん、なんか電波が悪いみたいだな……」


シスリアは首をかしげながら答える。


シスリア「スティーブさん?もしもし?」


その一言を聞いたマサトは驚きと困惑の表情を浮かべた。


マサトの心の中「スティーブ……?誰だそれ……どういうことだ……?」


タースは内心でニヤリと笑いながら、さらに計画を進める。


タースの心の中「きた…スティーブという名前をマサトは聞いた…これでマサトに疑念を植え付けた…次はもっと混乱させてやる……」


タース「あぁ……直ったよ。えっと、シスリア……」


シスリア「はい……」


そして、タースは突然放つ。


タース「結婚しよう」


シスリアは一瞬、言葉を失い、顔を真っ赤に染めた。

シスリア「けっ……!!?」


しかしその直後、電話は切れた。


シスリア「も、もしもし!?スティーブさん!?」


電話を切ったタースは、わずかに笑みを浮かべながら考えていた。


タースの心の中「考える時間なんてなかった……。正直、無理がある手だが、俺なら成功させられる……結婚という単語を使えば、シスリアがマサトにその話をするのは間違いない。マサトが家庭の話をどう受け取るか……。だが、時間稼ぎには十分だ。俺が直接向かえば……さらに混乱させられる」


一方、電話を切ったシスリアは頬を真っ赤に染め、ぼうっとしていた。


シスリア「……」


その様子にマサトは驚き、声をかけた。


マサト「ど、どうしました!?」


シスリアは小さな声で答える。


シスリア「プロポーズされました……」


マサトはさらに驚き、声を上げる。


マサト「えぇっ!?で、でも電話で!?それって普通なんですか!?」


シスリアは俯きながら小さく頷いた。


シスリア「は……はい……」


マサトは目の前の状況に頭を抱えつつ、シスリアの言葉に耳を傾けた。


マサトの心の中「スティーブ……プロポーズ……?シスリアさん…彼氏が!?いや、落ち着け……まずは冷静に話を聞こう……!」


一方、タースは監視カメラを確認しながら急いで準備を進めていた。


タースの心の中「あとはシスリアが混乱するマサトを完全に信じ込まないように仕向けるだけだ。あいつがシスリアを連れ出そうとするなら、そこで一気に仕掛ける……」


彼は冷静にシスリアがいる家に向かう準備を整えた。


オールアクシデント 二期――騒然とする街角


マサトは必死にシスリアを説得しようとするが、その焦りが空回りしていた。


マサト「い……一旦! 一旦来てくださいよ!」


シスリア「ちょ……は……離してください!」


シスリアはマサトの手を振り払おうとしながら、困惑した表情を浮かべる。


流石のマサトでは説得できなかったのだ…


その騒ぎに周りの住民も興味を引かれ、次々と窓やドアを開けて様子を伺い始めた。


マサト「電話でプロポーズだなんておかしいですよぉ!」


マサトは声を張り上げる。


マサト「それに! シスリアさん、モテないじゃないですかぁ!」


その言葉に、シスリアの表情が赤く染まる。


シスリア「な……なんなんですかぁ! もぅ!」


怒りと恥ずかしさで声を上げ、マサトの手を振り払った。


一方その頃、タースは車で現場に到着していた。


タースの心の中「っ……な……何してんだあいつら……!」


シスリアとマサトのやり取りを遠目で見て、状況を把握する。

焦りと怒りが入り混じる中、冷静を装って行動に移った。


タース「ど……どうしたんだい? シスリア!」


タースは車を降り、急いでシスリアの元に駆け寄った。


シスリアは、タース(スティーブ)の姿を見ると、安堵した表情を浮かべた。


シスリア「スティーブさん……!」


タースはシスリアを心配そうに見つめながら、優しく声をかけた。


タース「大丈夫かい? 」


タースの心の中「こいつは…一体何をしているんだ…」


マサトはタースを睨みつける。


マサト「スティーブだと!? あんた、何者なんだよ!」


シスリアは間に入り、マサトを止めようとする。


シスリア「ちょっと!やめてください! スティーブさんは関係ありません!」


しかし、マサトは引き下がらない。


マサト「関係ないわけないだろ! シスリアさんのことを利用してるに決まってる!」


タースは冷静さを保ちながらも、マサトを制する言葉を探していた。


タース「利用? 一体どういうことだい?」


彼は柔らかな口調でマサトに問いかけるが、その瞳には冷ややかな光が宿っていた。


タースの心の中「やつがどこまで知っているか確認する必要がある……だが、ここで事を荒立てるわけにはいかない…」


マサトはシスリアを指さしながら、声を荒げた。


マサト「シスリアさんは……探偵なんだよ! あんたに利用されてるってことを思い出してもらう必要がある!」


その言葉にシスリアは困惑した表情を浮かべ、タースに視線を向けた。


シスリア「スティーブさん……どういうことなんですか?」


タース「いやぁ…」


マサトはさらに声を張り上げる。


マサト「それに! あんたが乗ってる車! シスリアさんを誘拐する時に使ったんだろ! 事務所のマグネットがついてる!」


その言葉にタースは表情を僅かに引き締める。


タースの心の中「やはり……そういうことだったのか……しかし、それはもうない……口車に乗せるしかない」


タースは落ち着いた様子で反論した。


タース「ゆ……誘拐? か……勘弁してくれないか?」


だが、その瞬間シスリアは何かを思い出したかのように表情を変えた。


シスリアの心の中「誘拐……確かに私は……閉じ込められて……でも、スティーブさんが助けてくれて……待って……でも、スティーブさん……そんな仕事じゃ……」


その様子にタースも焦りを覚え始める。


タースの心の中「まずい……シスリアが勘づき始めている……」


タース「シスリア……悪い……どうやら誤解っぽい……」


彼はシスリアに柔らかい声で話しかけた。


シスリア「ど……どういうことですか?」


シスリアは戸惑いながら尋ね返す。


タースは一瞬で考えを巡らせ、説明を続けた。


タース「以前……シスリアを助けに行ったことがあったろ? 実は……その……探偵に最初は依頼してたんだ……っていうのも、俺はもともと一般人で……シスリアの張り紙があって、俺も力になれるかもって……頑張ってたんだ。だけど無理で……探偵は顔も見たことないけど……もしかしたらこの人で……俺がシスリアを救い出した時のが誘拐に見えたのかも……」


マサト「依頼!? 僕はされてないぞぉ!」


マサトは反射的に叫ぶ。


タースは冷静さを保ちながら答えた。


タース「じゃ……じゃあ別の人だったのかな……?」


タースの心の中「っ……こいつ……」


シスリアは沈黙し、考え込むように視線を落とした。

一方、マサトは再びシスリアに訴えかける。


シスリア「やっぱりこいつ怪しいですよ! シスリアさん……!」


シスリアは耐えかねた様子で声を荒げた。


シスリア「いい加減にしてください!!!!」


その怒声に、タースは少し驚いたように眉を動かす。


シスリア「スティーブさんは……私を助けてくれて……その後も一緒に住まわせてくれた大事な人なんです!!! あなたはなんなんですか!? 最低です!」


タースの心の中「シスリア……ふっ……ははっ……良いぞぉ……それでこそだ……」


マサト「シ……シスリアさん……でも……写真……」

マサトは最後の切り札である写真の事を言い出す


シスリアはその写真の事を聞いて一瞬固まった。


シスリア「はい!? ……っ……」


彼女は写真に写る自分とマサトの姿を思い出して記憶を辿ろうとするが、答えは見つからない。


シスリア「写真……あ……あなたが……」


タースもカメラで見た写真を思い出し、事態の危険性を悟る。


タースの心の中「しまった……あの写真が……っ……これは無理あるか……? いや……やるしかない……」


タース「ちょっと待った! どういうことだい? まさか……加工したものじゃないだろうな……? シスリアは俺の大事なフィアンセだ!」


そう言って、彼はシスリアを強く抱きしめた。


シスリア「わっ……ぁ……スティーブさん……」


シスリアは驚きながらも身を委ねてしまう。


タースの心の中「来た……これは……」


マサトは動揺しながら声を絞り出す。


マサト「そ……そんなぁ……あんまりだぁ……」


タースはマサトに冷静な口調で話しかける。


タース「その写真……見せてくれ……」


シスリア「え……えっと……」


シスリアは躊躇いながら写真を持ってくる。


タースの心の中「あの時は……写真があまり見えなかったが……これは……使える……」


タース「写真のシスリアは笑っていない……加工の可能性があるじゃないか……」


シスリア「待ってください……でも……私こんな服装したこと……」


シスリアは戸惑い、探偵時代の服装に見覚えがないことを口にする。


タースの心の中「やはりそうなるか……」


マサト「そうですよ! やっぱりシスリアさん!」


マサトが再び勢いを取り戻すが、タースは冷静に反論した。


タース「シスリア……今の加工の怖さを教えてなかったな。今は服装も変えれる時代だ……しかし、この人はどうだろう……ストーカー的な人でもなさそうだ……今回は……その……マサト……さん? は……一旦帰ってもらって……また今度話せないかな? ほら……その……周りも……見てるし……今度は家で……どうだい?」


マサトはその言葉に心を揺さぶられ、結局引き下がることにした。


マサト「……分かりました……すみませんでした……」


マサトが去ると、タースはシスリアに優しく微笑みかけた。


タース「シスリア……その……すまなかった……俺がもっと早く気づけていれば……」


彼女は震えながらタースの胸に顔を埋め、泣き出した。


シスリア「怖かったですぅ……! スティーブさんぅ……」


タースの心の中「耐えた……」


タースはシスリアを抱きしめながら、心の中で冷酷な計画を再び練り始めていた。


タースの心の中「そろそろ始末だ…もううんざりだ…」


第七章「プライドと喪失」


タースの心の中――


「事故死……そうだ、シスリアは事故で死ぬ。それが俺の計画。だが……」

タースは頭を抱えるように、ゆっくりと壁にもたれかかる。


「考えれば考えるほど……負けた気になる……」

思考の奥底に、あの女の姿がちらつく。かつて世界一と称された冷静無比な探偵が、今は自分に頼り、縋り、微笑み、名を呼ぶ。


「情なんて湧いてない。1ミリもない。むしろ……殺したい。ずっと。」

しかし、

「ただ……今のこいつは……あまりにも無抵抗で、従順で、笑顔さえ浮かべて俺に触れてくる……」


タースは心の底で、何かが軋んでいるのを感じていた。

「こんな女を、“事故死”に仕立てるのは……俺のプライドが許さない……!」


そう考えている間にも、

シスリア「スティーブさん……今日も一緒に寝てくれますよね?」

と、シスリアは甘えるように肩をつついてくる。


タースの心の中:

「ふざけるな……それでも俺は殺す……だが……どう殺す? どう俺の誇りを汚さずに、こいつを……終わらせる……?」


続く


変な書き方してしまってたばかりに少し面倒なオールアクシデント…しかしお気に入りの作品…。

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