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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第一章 各々の思惑が始まる一日目
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第三十八話 アモンからの連絡 〜佐藤琴子編〜


〜佐藤琴子の視点〜


――――楽園の密林――――【現在時刻、16時3分】



 別行動を取っている『ドルネイン』と『アモン』の二人の事が気掛かりな琴子は、不安げな表情で思案する……。


 〈ドルネインさんとアモン君……。 大丈夫なのかなぁ……? なんだか”胸騒ぎ”がする……〉


 琴子は、2時間前に見送ったドルネインとアモンの事を気に掛けていると、魔王ベルファスが琴子の肩にポンッと手を置いて、そのまま優しい口調で声を掛けた。


 〈え、ベルファス様……?〉


 「その事なら、安心して下さい琴子さん。 今、まさに、監視役のアモンから私の脳内に”連絡”があったので、少々お待ち下さいね……」


 「えっ、アモン君から連絡が来たのですかっ!? それで、なんと言ってるのでしょうかっ!?」


 琴子は、慌てた様子でベルファスに詰め寄ると、ベルファスは片耳を塞ぎながら琴子の事を制止する。


 「すみません琴子さん。 今、喋られると脳内に聴こえて来ているアモンの声が少し聞き取り難くなって仕舞うので、どうか暫しの間静かにして頂いても宜しいでしょうか?」


 「あっ! すっ、すみませんベルファス様っ! それじゃ私は、ちょっと黙っていますねっ!」


 魔王ベルファスから指摘された琴子は、慌てて両手で口を塞ぐ。


 「ふふっ、御協力頂き感謝致します琴子さん。 それでは……。 アモン、続きをどうぞ」


 《あ、聴こえてますか魔王様〜っ! 急に連絡してすみませんっ!》


 悪魔アモンの所持スキルである【魔王様へのテレパシー】によって、自身の脳内に響き始めたアモンの声を聞いている魔王ベルファスは、そのアモンからの言葉を聞き逃さない様に意識を集中させる。


 「いえいえ。 それで、そちらの様子はどうですか? ドルネインさんと上手くやっていますか?」


 すると、その魔王ベルファスの問い掛けを聞いた途端に、悪魔アモンが言葉を選ぶかの様に言い淀みながら話しを続ける……。


 《……えっと、ですね魔王様……? 実は、あの〜……。 先程、二人組の『魔族抹殺連盟』と出食わしましてね……?》


 アモンから魔族抹殺連盟と言う言葉を聞いた魔王ベルファスは、目を丸くしながら慌てて聞き返した。


 「な、なんですって!? そ、そうですか、魔族抹殺連盟と運悪く相対してしまったのですね……。 それで、アモンとドルネインさんはどの様な対応を取ったのですか?」


 《あのー、それでドルネインさんが、その二人組を”殺害”して仕舞いまして……。 あっ、でもでもっ! ドルネインさんが頑張ってくれなかったら、逆に僕の方が殺されそうになっていたんですよっ!》


 悪魔アモンは、慌てた様子で魔王ベルファスに対して、必死の弁明を(オコナ)っていた。


 「お、落ち着いて下さいアモン。 なるほど……詰まり、その場に居たドルネインさんが魔族抹殺連盟に狙われているアモンの事を守る為に、二人組を見事に返り討ちにしてくれたと言う事で合っていますね……?」


 《あ、はい……。 それで合っています魔王様……。 あの二人組は、僕の変装を一瞬で見抜くや否や、突如として僕達に向かって襲い掛かって来て……。 それで、ドルネインさんが非力な僕の代わりに必死に戦ってくれたのです……》


 「……なるほど、喧嘩っ早い事で有名なドルネインさんなら、確かに後先考えずに戦いそうですね……」


 《それで、その結果ドルネインさんは、僕の命を守る為にその二人を殺害する事に……。 でっ、でも! これは、”正当防衛”なんですよ……っ! ドルネインさんは決して間違った事はしていませんっ!》


 「ははっ、そんな必死に弁明しなくとも大丈夫ですよ、アモン……? 私は、ドルネインさんを責める気なんて更々御座いませんよ?」


 《えっ!? ほ、本当ですか魔王様っ!》


 「えぇ。 それに詳しい事情は分かりましたので、貴方達は安全の為にも、今直ぐにその場から離れて一旦遠くの安全な所で休息を取っていて下さい」


 《休息……ですか?》


 「はい。 騒ぎを聞き付けた他の魔族抹殺連盟の連中が貴方達を見付けるや否や、仇討ちと言わんばかりに襲い掛かって来る危険性がありますからね……」


 《うぅ……。 なんだかヤバい感じですねぇ……》


 「ですから、状況が落ち着く迄の間、アモンとドルネインさんは何処か安全な場所で身を隠す必要が有るのですよ」


 《なるほど~。 それに確か、此処から少しだけ離れた所に、『街ルタイア』と言う街が在る筈ですので、僕達はこれから早急にその場所へと向かって行こうかと思います……っ!》


 「ふむ、街ルタイアですか……。 確かに、その街は心優しき人々が沢山住んでいると言われている”平和な街”ですね。 それでは、アモン。 ドルネインさんの事……引き続き頼みましたよ……?」


 ベルファスから頼みの言葉を聞いたアモンは、元気良く返事をした。


 《はい、分かりました魔王様っ! よーしっ、僕とドルネインさんの力を合わせて、街ルタイアの人々との”友好関係”を無事に築き上げて見せますともっ! ふふっ、期待して待っていて下さいね魔王様〜っ!》


 「アモン。 なるべく無理し過ぎない様に心掛けて下さいね? その事も、しっかりとドルネインさんにも伝えておいて下さいよ?」


 《はいっ、了解致しました魔王様っ! それでは、これにて”現状報告”を終わらせて頂きますねっ! 今度は、良い報告が出来る様に気を引き締めて参りますよぉ〜っ!》


 アモンは、ハキハキとした元気な口調でそう言い終えると、【魔王様へのテレパシー】を解除した。


 「ふぅ……。 色々有ったみたいですが、なんとか切り抜けていたみたいですね……」


 こうして、悪魔アモンとの通信を終えた魔王ベルファスは、少々ぐったりした様子で地面に腰を降ろした。


 「やれやれ、然し少々”困った事”になりましたね……。 まさか魔族抹殺連盟が、この地域にまで活動範囲を拡大していたとは……。 このままでは、この『楽園の密林』から移動すのは難しいでしょうね……」


 すると、疲れている様子の魔王ベルファスの身を案じた琴子が、とある提案をした。


 「えっとベルファス様……。 それなら、此処で明日になるまで休む事にしませんか……? ……バルルーナさん達も、それで良いですよね……?」


 琴子は、バルルーナ5世に目線を向けると、バルルーナ5世は、腕を組みながら数秒程の時間を使って悩んだ末に、自分の考えを率直に述べた。


 「うーん……。 実を言うと僕は今すぐにでも、”バルルーナ王国”にへと戻りたいんですけど……。 でも、この辺りにも魔族抹殺連盟の魔の手が広がっているのなら……。 確かに一先ず今はこの場に身を潜めるのが最適解だとは思います……」


 「分かりました。 それでは取り敢えず、これからは街ルタイアに辿り着いたアモンからの連絡が来るのを心待ちにしながら此の場で待つ事と致しましょう。 それで、他の者も何か意見はありますか?」


 魔王ベルファスがそう言うと、《元夢幻旅団員》である事をドルネインにバレされた事によって、今や普通の口調に戻った『アドムンハ』も会話に加わる。


 「第一、俺達の目的はバルルーナ5世様を”護衛する事だけ”だ。 だから、俺も今は此の場を動かない方が良いと言う考えには同意する。 お前等もそうだろ? ナルル、バーバル?」


 アドムンハが、隣に居るナルルとバーバルに目線を配ると、ナルルとバーバルは意気揚々と答えた。


 「オレモ! フガフガ! ドウイ、ドウイッ! ボルダホ!!」


 「オイラモ、イマハ、コノバニイタホウガ、イイトオモウゾ! ウガウガ!!」


 こうして、この場に留まる事が満場一致で決定すると、魔王ベルファスは、顎に手を当てながらコクっと頷く。


 「……ふむ、これで皆の意見が出揃いましたね。 それでは、琴子さんの提案に従い、今日の所は一先ずこの場所で”野宿”と言う事に致しましょうか」


 「そうです、ベルファス様っ! 無闇に行動するよりも、先ずは今後に備えて体力を温存しましょうっ!」


 と言う訳で、琴子達一行は悪魔アモンからの連絡を待ちつつ、夜が明ける迄の間、この安全な場所で野宿する事に決めたのであった。



【現在位置】

【楽園の密林】


【現在の日時】

【4月7日 16時12分 春】



【佐藤琴子】

【状態】:健康

【装備】:眼鏡 学校の制服

【道具】:無し

【スキル】:無し

【思考】

1:それにしても、魔族抹殺連盟って……名前からしてヤバそうな連中ね……。

2:そんな人達が、此処の周辺を彷徨っているなんて……。

3:とにかく今は、アモン君とドルネインさんが無事に街ルタイアに辿り着ける事を祈らないとね……。

【基本方針】:晋也を探す。バルルーナ達と魔王達と協力する。アモン達の無事を祈る。

※無事に異世界生活一日目を生き残りました。



【魔王ベルファス】

【状態】:精神的疲労

【装備】:魔王の貴族服

【道具】:どんな物でも魔力で生み出せる

【スキル】:願いの犠牲

【思考】

1:アモン……どうか無事で……。

2:ドルネインさんも、ご無事で……!

3:兎に角、私は何の力も持っていない琴子さんの事を護らなくてはな……。

【基本方針】:世界を平和にする。魔族抹殺連盟に対して警戒を怠らない。アモン達の旅路の無事を祈る。琴子を護る。晋也を探す。

※4月7日を無事に生き残りました。



【バルルーナ5世】

【状態】:焦り

【装備】:英雄の王冠 英雄のマント 英雄の槍

【道具】:様々な効果の回復アイテム

【スキル】:バルルーナ王族の魂

【思考】

1:魔族抹殺連盟……何故こんな所にまで……っ。

2:連中は、今まさにバルルーナ王国を襲っている最中では無かったのか……?

3:まさか、この地域にまで僕達を捜索しに来たのか……?

【基本方針】:この場に待機する。世界を平和にする。晋也を探す。アモンからの連絡を待つ。

※4月7日を無事に生き残りました。



【ナルル】

【状態】:困惑

【装備】:騎士団長の服一式 断罪の槍

【道具】:様々な能力強化効果のあるアイテム

【スキル】:騎士団長の誇り

【思考】

1:イマハ……フガフガ……タイキダナ……ボルダホ……。

2:オレハ……フガフガ……ムリョクダ……ボルダホ……。

3:……………。

【基本方針】:仲間を命に変えてでも護り抜く。晋也を探す。アドムンハと魔族に対して警戒する。魔族抹殺連盟にも警戒する。

※4月7日を無事に生き残りました。



【バーバル】

【状態】:眠気

【装備】:応援団長の服一式 白い軍手

【道具】:様々な状態異常付与効果のあるアイテム ホイッスル

【スキル】:大応援

【思考】

1:ウーン……。

2:ネムイ……。

3:ウガウガ……。

【基本方針】:兎に角死なない様に努力する。この場で朝まで待機。晋也を探す。アモンからの連絡を待つ。

※4月7日を無事に生き残りました。



【アドムンハ】

【状態】:冷静

【装備】:特殊機密暗殺部隊隊長の戦闘服 サイレンサー銃

【道具】:弾丸1000発分 細い針1000本 太い針500本

【スキル】:絶対冷静

【思考】

1:魔族抹殺連盟か……。

2:それと流石はドルネインだ。 下っ端相手だと、簡単に返り討ちに出来るな。

3:まぁ、俺はバルルーナ様から離れる訳には行かねぇし、今は余計な事をするのは止めとくか。

【基本方針】:バルルーナ5世を護る。敵になり得る者は瞬時に始末する。

※4月7日を無事に生き残りました。


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