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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第一章 各々の思惑が始まる一日目
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第三十話 電子冒険者名簿 〜立花翔真編〜


〜立花翔真の視点〜


――――カミラの酒場内――――【現在時刻、14時20分】



 『ご馳走さまーーっ!』


 カミラから提供された、”昼食限定コース料理”を食べ終えた翔真達は、満足気にお腹をサスった。


 〈さてと、腹も一杯になった事だし、そろそろ”冒険者ギルド”ヘ向かうとすっかな!〉


 すると翔真が立ち上がったタイミングで『アケミ』が、大きく膨らんだお腹をポンポンッと叩くと、そのままゲラゲラと下品に笑う……。


 「いやぁ~、食った食ったぁッ! 腹が重くて動けねぇ〜ッ! ギャハハハッ!」


 すると、そのみっともないアケミの姿を見たロゼリアは、肩を竦めながらアケミに対して苦言を呈した……。


 「まったく……。 アケミったら端ないですわね……。 もっと、この”麗しき私”と『リセス』の事をしっかりと見習いなさいよねっ!」


 「はぁ……? まだ、リセスに言われるんなら分かるが、”おこちゃま体型”なロゼリアに言われてもなぁ〜? それに、そもそも一体お前の何処に見習う要素があるってんだぁ〜?」


 アケミは、ニヤニヤと煽る様な口調でロゼリアを挑発すると、その言葉を聞いてイラッとした様子のロゼリアが途端にキレ散らかし始めた……。


 「きぃーッ! 五月蝿いですわねーッ! 少なくとも、私は貴女よりは”マシ”な筈よ……! ふんっ、お下劣な貴女と一緒にしないで下さるッ!?」


 と、下らない口喧嘩をおっ始めている二人に対して、翔真が慌てて間に割って入って宥める。


 「まーまー、落ち着けよ二人共……! 争い事は”同レベルの相手”じゃないと起きないんだぞ? だから、ロゼリアもアケミも大して”差”は無いんだっ!」


 すると、その翔真の言葉を聞いたロゼリアは、愕然とした表情で頭を抱え始めた。


 「そ、そんな……っ!? わ、私が……アケミと同レベル……?? ひ、酷いですわ〜っ! お兄様〜!」


 ロゼリアは、翔真に向かって泣き喚きながら駆け寄ったものの、そのロゼリアの行動に対して翔真は”無視”を決め込むと、そのままトイレから戻ってきた様子のリセスの方に視線を向ける。


 「お? それよりも、見ろよ! リセスが戻って来たぞ〜!」


 「あらっ!? わ、私の事は無視なのですか……!? お兄様……!?」


 すると、トイレから戻って来たリセスが、首を傾げながら今の状況の説明を皆に求めた。


 「あら? どうかなさいましたか皆さん? 何やら揉めている様子ですが……?」


 すると、アケミが溜息を漏らしながらロゼリアに指を向けた状態で、リセスに現状の説明を始めた。


 「えっと……。 このロゼリアが、突然アタシに向かって立ち振る舞いが下品とか難癖付けて突っかかって来てさぁ〜? んで、翔真に争いは同レベルの相手じゃないと起きないぞ〜って言われたら、勝手にショックを受けて喚き散らして今に至るって感じだなぁ〜?」


 すると、アケミから事情を聞いたリセスは、クスッと笑みを浮かべながらロゼリアに話し掛けた。


 「ふふっ、なるほど……。 まぁ、何時イツもの事ですね……! ほらロゼリア……? お料理も食べ終えた事ですし、早く冒険者ギルドに行って依頼達成の報告を致しましょうね? だから、泣き止んで……ね?」


 すると、リセスから”依頼達成の報告”と言う言葉を聞いた途端に、ロゼリアはハッとした様子で涙を引っ込ませた。


 「ハッ! そ、そうでしたわっ! お兄様のご活躍によって、ギルドで依頼されていた《ワロン30体の討伐》を無事に達成したと言う報告をする為に、一早く冒険者ギルドにへと向かうって話でしたわねっ! よ〜しっ! そうと決まればッ! お兄様、リセス、アケミ! 早く冒険者ギルドに行きますわよ〜っ!」


 「ふふっ、機嫌が直ったみたいで良かったですっ♪」


 「ははは……。 まったく、ロゼリアったら立ち直りが早いな〜……」


 「ま、ずっとウジウジされてるよりはマシだと思うぜ。 そんじゃ、ショウマ! 早く行こうぜ!」


 「あぁ! そうだな!」


 気を取り直したロゼリアと共に、翔真達一行は冒険者ギルドに向かって歩みを進めた。



――――冒険者ギルド、街ゴンドロ支部1F――――【現在時刻、14時32分】



 〈おっ、珍しく今日は受付に列が出来て無いな~っ! これは”ツイてる”なッ!〉


 特に何事も無く冒険者ギルドに辿り着いた隼人達は、早速列が出来ていない受付の下に駆け寄ると、そのまま受付嬢に向かって話し掛ける。


 「あのー、依頼されていた《ワロン30体討伐》を、無事に達成したと言う報告をしに来たのですけどー」


 「あ、はい。 分かりましたー。 それでは、私の方から御確認を取らせて頂きますねー」


 翔真の報告を聞いた”心眼族の受付嬢”は、スキル【嘘八百発見心眼】を発動すると、翔真が嘘の報告をしていないと言う事を一瞬にして確認する。


 「はい、オッケーでーす。 では、依頼達成報酬の”金貨5枚”と、皆様の《冒険者ポイント》に”25ptポイント”を追加しときますねー」


 「よしっ、これで俺の冒険者ポイントも”1000pt”を超えたなッ!」


 「お兄様っ! やりましたわねっ!」


 受付嬢は、依頼の達成報酬の金貨5枚と”電子冒険者名簿”を素早い動作で取り出して、そのまま翔真達の冒険者欄のページを慣れた手付きでタップしながら開くと、新たに依頼達成報酬の冒険者ポイントを25pt(ポイント)追加した。


 「はい、これで現在の翔真さんの冒険者ポイントは1000ポイントを超えましたので、これからは《超上級クエスト》も受注可能になりましたよー。 是非これからも、この世界の為に頑張って下さいねー」


 〈よしっ……! これで、達成すると”一流の冒険者の証”になると言われている、『ニーヒャ』と『ドンマン』の討伐クエストを晴れて受注する事が出来るぞ……ッ!〉


 翔真は、心の中でガッツポーズを決めながら、受付嬢に向かって次なる依頼の受注を行った。


 「それじゃあ、受付嬢さん! 早速、この《ニーヒャの討伐》と言う超上級クエストを受けさせて下さい……ッ!」


 「なるほど、確かに承りました。 因みにニーヒャは、主に”古代の迷宮の地下50階付近”に生息していますので、万全を期してから討伐に挑んで下さいね。 それでは、良いご報告をお待ちしておりますねー」


 こうして新たな依頼を受注した翔真は、受付嬢からワロン討伐の達成報酬の金貨5枚を受け取ると、その場でコソコソと仲間達と作戦会議を始めた。


 「さて、これから俺達が討伐するニーヒャの”弱点”を知ってる者は居るか……?」


 「ん〜? アタシが記憶している限りだと……確か、”電撃系”が苦手なんだっけか? ビリビリって痺れる感じが弱点だったと思うんだがなぁ〜……?」


 「いやいや、ニーヒャの弱点は”火炎系”だった筈ですわよっ! 熱いのが苦手だったと思いますわ!」


 「うーん……。 どうなんでしょうかね……? 私は”射撃系”かと思っていましたが、段々と自信が無くなって来ましたね……」


 〈なるほどなぁ〜……。 こうなったら、答えを受付嬢さんから直接聞き出すか……?〉


 三者三様の回答が出揃った所で、翔真達は議論が行き詰まってしまった。


 すると、この状況に痺れを切らした様子の翔真が受付嬢にも問い掛ける。


 「む〜、このままじゃ埒が明かないな……。 仕方が無いから、受付嬢さんにも聞いてみるか……。 あの〜、受付嬢さんならニーヒャの弱点って分かりますかね……?」


 「あぁ、先程から一体何をコソコソと話し合っているのかと思っていたら、ニーヒャの弱点について話し合っていたのですね?」


 すると受付嬢は、人差し指を突き立てながらニーヒャの弱点について教えてくれた。


 「ズバリ言うとですね? ニーヒャの弱点は《明かり》ですよ。 詰まり、光っている物が苦手なんですよ。 なので、ニーヒャを討伐するのなら”閃光玉”等を上手く駆使して戦況を有利に進めて行って下さいね?」


 〈なるほど! ニーヒャは明かりが弱点なのかっ! って言うか、最初から受付嬢さんに聞いとけば良かったな!〉


 「おお〜っ! ヘヘっ閃光玉ってんなら、丁度良くアタシが”5個”も持ってんぞ〜! あ~……でも、たった5個じゃ直ぐに無くなっちまうなぁ……」


 すると、そのアケミの話を聞いた受付嬢が、翔真達に”とある情報”を教えてくれた。


 「その事なら安心して下さい。 閃光玉は、此処の冒険者ギルドの直ぐ近くに『マタルガ』と言う人が経営している《道具屋さん》に良く入荷されていますので、持っている閃光玉の数が心許ない様なら、是非そちらの方でお買い求め下さいねー」


 〈道具屋マタルガか……。 これは中々に良い情報を貰ったな!〉


 「なるほどですわ〜っ! 親切に教えて頂いて感謝致しますわよっ受付嬢さんっ! それでは……っ! お兄様、リセス、アケミッ! 早急に、マタルガさんのお店に向かいますわよ〜っ!」


 「あぁ……! 行こうか!」


 「へんっだ! いちいち、お前に言われなくたってアタシ達は分かってんよッ!」


 アケミがべーっと舌を出すと、それを見たリセスが微笑みながらアケミに向かって注意をする……。


 「ふふっ、アケミ? 折角ロゼリアの機嫌が直ったと言うのに、余計な事は言わないで頂けませんか〜?」


 ギロリ……ッ!


 〈うわ……。 相変わらずリセスは”笑顔で怒る”から恐ぇなぁ〜……〉


 リセスは、また喧嘩事に発展しない様に、アケミに向かって釘を差す様に”威圧”をすると、途端にアケミは冷や汗を掻きながらたじろいだ。


 「うっ!? な、何だこのリセスから放たれている”殺気”は……ッ!? わ、わぁーったよ! ロゼリアの言う通りにしときゃあ、良いんだろうッ!?」


 「うふふっ♪ どうやら、アケミさんも”御理解”頂けた様で良かったですっ♪」


 「マジで、恐ぇよリセス……」


 かくして、リセスの殺気に怯えながら翔真達はニーヒャ討伐に必須の閃光玉を買う為に、《道具屋マタルガ》へと向かうのだった……!



【現在位置】

【冒険者ギルド、街ゴンドロ支部1F】


【現在の日時】

【4月7日 14時49分 春】



【立花翔真】

【状態】:健康 《現在の冒険者ポイント1005pt》

【装備】:旅人の服 頑丈な剣 小さな袋

【道具】:回復アイテム10個 金貨5枚

【スキル】:不意の転倒

【思考】

1:このニーヒャ討伐クエストを無事に達成出来たら、晴れて俺は一流の冒険者の称号を手に入れられるぞ……!

2:あ、閃光玉だけじゃなくて回復アイテムも、もう少しだけ買っておこうかな……。

3:楽にアイテムを持ち運ぶ為にも、大きめな袋も買わないとだな……!

【基本方針】:道具屋に向かう。ニーヒャとドンマンを討伐して一流の冒険者の称号を手に入れる。イタズラで転ばしたムニルに謝りたい。

※一流の冒険者と言う名の称号に憧れを抱いています。



【リセス・トワ・イラル】

【状態】:健康 《現在の冒険者ポイント1040pt》

【装備】:ピンク色のプリンセスドレス 銀色のティアラ 腕時計 豪華な革袋

【道具】:金貨299枚 レインボーカード

【スキル】:絶対防御

【思考】

1:ロゼリアが元気になって良かったです。

2:ニーヒャですか……。

3:かなりの強敵ですが、私達が力を合わせれば、きっと勝てる筈です……!

【基本方針】:道具屋に向かう。冒険をする。魔王を倒して無事にイラル王国に帰って王位を継ぐ。ムニルに会いたい。



【ロゼリア】

【状態】:元気 《現在の冒険者ポイント1100pt》

【装備】:街娘の服 使命の剣と盾

【道具】:無し

【スキル】:元奴隷根性

【思考】

1:さぁ、マタルガさんのお店に行きますわよ〜っ!

2:ニーヒャなんか私達に掛かれば、敵でも無いですわよ!

3:あ、そう言えば……。 ロメオは、今頃何をしてるのかしらね……。

【基本方針】:道具屋に向かう。翔真に恩返しをする。生き別れた弟のロメオに会いたい。



【アケミ】

【状態】:健康 《現在の冒険者ポイント4805pt》

【装備】:紅色の和服 撃滅の斧

【道具】:閃光玉5個

【スキル】:火炎演舞

【思考】

1:ロゼリアの奴、またはしゃいでんな〜。

2:はぁ〜、ま〜た腹が減って来たぜぇ……。

3:後で、また何か食いに行くか〜。

【基本方針】:道具屋に向かう。腹一杯飯を食う。沢山強い敵を倒す。離れ離れになってしまった仲間達と再会したい。



【心眼族の受付嬢リアナ】

【状態】:健康

【装備】:受付嬢の服一式 双翼の腕章

【道具】:電子冒険者名簿

【スキル】嘘八百発見心眼【効果】:相手の”嘘”を瞬時に見破る事が出来る。因みに、このスキルは”心眼族”と言う特定の種族のみが取得する事が出来る”特殊スキル”である。

【思考】

1:はぁ〜……忙しい忙しい……。

2:様々な事務作業が本当に忙しい……っ!

3:早く家に帰りたいッ!

【基本方針】:仕事を頑張って家に帰る。

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