表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第一章 各々の思惑が始まる一日目
29/132

第二十九話 服屋ドア・ゼル 〜五十嵐隼人編〜


〜五十嵐隼人の視点〜


――――街チーマ、服屋ドア・ゼルの個室――――【現在時刻、14時50分】



 新たな服を新調する為に、服屋ドア・ゼルに立ち寄った隼人は、『服屋の店主ドア・ゼル』に案内されるままに”姿見が有る個室”に連れ込まれていた。


 「それでは、其処の姿見の前に立ってくれるかしら〜ん?」


 「は、はいっ! えっと、こうですかね……?」


 すると、ドアゼルは立派に蓄えた口髭を引っ張りながら、隼人の後ろ姿をジロジロと興奮気味に凝視する……。


 「ンフフ。 堪らないわねぇ〜っ♡」


 〈うっ。 な、なんかジロジロと後ろ姿を見られてる様な……? こ、怖ぇから後ろを振り向けないぞ……〉


 ドアゼルからの嫌な視線を感じ取った隼人は、冷や汗を掻きながら問い掛けた。


 「え、えっと……。 それで、次は何をしたら良いんですかね……?」


 「あら、ごめんなさいねっ♡ アタシったら、ついつい見惚れちゃって……♡ それじゃあ、次は目を瞑ってくれるかしらん?」


 「め、目を瞑れば良いんですね……? りょ、了解しました……」


 「うふん♡ それじゃあ、失礼してぇ〜っ♡」


 と、隼人が目を瞑った瞬間に、何故かドアゼルから”目隠し”を掛けられると、そのまま身体をベタベタとイヤらしい手付きで触られながら服を勝手に脱がされ始めた……。


 〈えっ!? な、なんで目隠しッ!?〉


 身の危険を感じた隼人は慌ててドアゼルを制止する。


 「あ、あの〜? これって、今どう言う状況なんですか……? それに、そんなに俺の身体を触る意味は有るんですかね……?」


 「あらあら、アタシが”オネェ”だからって、そんなに警戒しないで下さるかしら〜ん?」


 「いや、そう言う事じゃなくて……。 何で、俺は目隠しをされながら服を脱がされてるんですか……?」


 「うふふっ♡ これは、アタシのとっておきの”サービス”なのよぉ〜? ほら、お客さんはアタシに服のコーディネートの事は”全て任せる”と仰ったじゃな〜い?」


 ドアゼルは不敵な笑みを浮かべながら、再度隼人の身体をサワサワと撫でる。


 「た、確かに言いましたけども……」


 「ふふっ♡ 安心して? きっと、お客さんは新しい服に着替え終わった時に、この目隠しを外して目の前の姿見に映った新たな自分の姿を見て驚いちゃう筈よぉ〜? ほらほらっ、そうこう言ってる内に、もう”着替え終わっちゃった”わよっ!」


 〈えっ!? こ、こんな一瞬にして!? や、やっぱり相当な凄腕なんだろうなこの人は……。 色んな意味で、ちょっと怖いのがネックだけど……〉


 するとドアゼルは、隼人に着けている目隠しを優しい手付きで外していくと、隼人の両肩を軽くポンッと叩いた。


 「ささっ、もう目を開けても良いわよぉ〜っ♡」


 「え、本当ですか……? もう、目を開けても良いんですね……?」


 「えぇ、勿論良いわよぉ〜っ! ほらっ、目の前の姿見を御覧なさいっ! 前の服装よりも、数段格好良くなった自身の今の姿を早く見て頂戴っ!」


 「んんっ……? どれどれ……」


 隼人はゆっくりと目を開けると、目の前の姿見に映る自分自身の新しい服装を見て思わず動揺した。


 「なっ!? す、凄いじゃないですか……! め、滅茶苦茶オシャレで……格好良いですよ……っ!」


 隼人は、まるで自分じゃない様な不思議な感覚に陥りながらも、ドアゼルに向かって感謝の言葉を贈った。


 〈……異世界のファッションセンスに対して、若干疑っていた所も有ったけど、この服装は俺が元々居た世界にも通じる程に格好良いぞ……っ!〉


 「うふふっ、どうかしらお客さん? 気に入ってくれたかしらん?」


 「はいッ! 有り難う御座いますドアゼルさんっ! 変に疑って申し訳ございませんでしたっ!」


 「ふふっ、良いのよ〜? 気に入って貰えたのなら、嬉しいわぁ〜♡」


 「えぇ……! 凄く気に入りましたよ……! 特に、この紺色のコートが静かな雰囲気を醸し出していて……! まさに、俺の好みにピッタリなんですよ……!」


 「あらあら、そんなに嬉しそうにしてくれちゃうと、何だかコッチまで嬉しくなってくるわねぇ〜♡」


 ドアゼルは、再び立派に蓄えた髭を嬉しそうに伸ばしながら、満面の笑みを浮かべた。


 「あっ、そう言えば、まだお会計を済ませていませんでしたね……っ! えっと、確か俺の希望は”金貨一枚以内の全身コーディネート”なんですが……。 このコーディネートの料金は総額幾らぐらいなのでしょうか……?」


 と、隼人がコーディネートの支払い料金をドアゼルに訊ねると、直ぐ様ドアゼルは返答する。


 「ふふっ、安心なさい? お値段は、ご希望通りの金貨一枚ピッタリになるように、しっかりと調節致しましたわよぉ〜♡」


 「えっ、この出来で金貨一枚ピッタリで済むんですかっ!?」


 〈へぇ〜! これで金貨一枚なら、安いもんだな……っ!〉


 隼人は、感謝の気持ちを込めながらドアゼルに金貨一枚を手渡すと、ドアゼルの方からも、隼人に向けて”一枚の紙切れ”と紙袋が手渡された。


 「は〜い、確かに金貨一枚頂きましたわよぉ〜♡ はい、お客さんの元々着ていた服は、この紙袋の中に丁寧に折り畳んで入れて置いてあげたわねっ♡ 後は、この服屋ドア・ゼルの”ポイントカード”も受け取って頂戴ねぇ〜っ♡」


 「ポ、ポイントカードですか? そう言えば、世界中に店を構えてるって言ってたな……。 なら、結構使い道は有りそうだな……。 はい、それでは一応貰っておきますねっ! それでは……失礼します〜!」


 「は〜い、お元気でね〜っ♡」


 隼人は、ポイントカードを胸元のポケットに仕舞って紙袋を持ち上げると、清々しい表情で服屋ドア・ゼルを後にする。


 「うふふっ、良い表情をしているわねお客さんっ♡」


 服屋の店主ドアゼルに見送られながら、隼人は外に出ると、そのまま空を見上げながら充実した様子で伸びをする。


 「う〜ん! やっぱ、折角異世界に来たんなら、さっき迄着てた高校の制服なんかよりも、こう言う感じの御洒落な服装の方がテンション上がるよな〜っ! っと、そうだ……! そろそろ、ムニルさんのお家に戻らないとな……っ!」


 こうして、オシャレな衣装を無事に手に入れられた隼人は、駆け足でムニルの家にへと帰るのであった。



【現在位置】

【街チーマ】


【現在の日時】

【4月7日 15時3分 春】



【五十嵐隼人】

【状態】:気分上々

【装備】:紺色のコート クリーム色のズボン 深紅色のベルト 旅人の袋と紙袋 耐久の弓

【道具】:毒の矢10本 炎の矢10本 痺れの矢10本 普通の矢30本 紙袋の中に高校の制服 服屋ドア・ゼルのポイントカード

【スキル】:刹那の狙い撃ち

【思考】

1:いやー、良い買い物したなぁ〜。

2:意外と動き易いし、見た目も良いし最高だな……!

3:……いやいや、考え事してる場合じゃなくて取り敢えず早く帰らなきゃ!

【基本方針】:仲間達と異世界を楽しむ。ソアボの事が気になる。自分のスキルを早く使いたい。

※新衣装に着替えました。



【ドアゼル】

【状態】:健康

【装備】:ピンク色のシルクハット ピンク色のタキシード 双翼の腕章

【道具】:赤色の魔石の指輪

【スキル】:常人離れした観察力

【思考】

1:ふふっ、喜んで頂けたみたいで嬉しいわねぇ〜っ♡

2:さ、他のお客様のコーディネートも早く決めちゃいましょう〜っ♡

3:何色が良いかしらねぇ〜っ♡

【基本方針】:世界中の人をオシャレにしたい。勝手に家出して、気付いたら指名手配犯にまでなって仕舞った息子のザマに、いつか再会したら思いっ切り叱りたい。

※実の息子のザマの帰りをずっと待っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ