第十二話 天界で神になる 〜竜胆園拓哉編〜
〜竜胆園拓哉の視点〜
――――天界――――【現在時刻、不明】
――――きて………。
―――起きて…………。
――――起きてってば……!
〈………? なんか……声が聴こえる……?〉
自身の脳内に響いている声に気が付いた拓哉は、ゆっくりと瞼を開いてゆく。
「んっ……んん〜……?」
「あっ! やっと目を覚ましたみたいねタクヤ……!」
目を開いた拓哉の目の前に居たのは、ホッとした様な顔を浮かべている『セウン』だった。
「……ん? セウン……? い、一体……何処だ? 此処は……?」
「あら、もう忘れたのタクヤ? 此処は、”天界”よ?」
「は? ……あぁ、そう言えばさっき迄、天界にまで連れてってくれるとか何とか言ってたっけ……? えっと、詰まり此処が正真正銘”本物の天界”って事……なのか?」
「えぇ、そうだけど?」
「へぇ〜、”此処”がねぇ〜……?」
すると拓哉は、辺りをキョロキョロと見回すと、胡座をかきながら考え込む。
「こんな所が、天界……だと? な、なんか思ったより暗いし、何だか”薄気味悪い所”だなぁ〜……。 ほ、本当に天界なのか? 此処は……?」
拓哉は、訝しげにセウンに向かって問い掛けると、セウンは苦笑いを浮かべながらその質問に返答する。
「まぁ、確かに今の天界には私達しか居ないから、かなり”殺風景”よね……」
〈んだよ、それ……? なんで天界なのに俺達以外には誰も居ねぇんだよ……?〉
と、拓哉はセウンの顔色を伺っていると、何やらセウンが”暗い表情”を浮かべている事に拓哉は気付く。
「おい、セウン? そんな暗い顔してどうしたってんだよ……?」
すると、セウンはその問い掛けに対して、哀愁を漂わせるかの様にボソッと呟いた……。
「いや、ちょっと”昔の事”を思い出しちゃってね……? はぁ〜、昔は神様達全員で、楽しくどんちゃん騒ぎしてたんだけどね……? ”ある日”を境に、私を含めたほぼ全員の神様達が一斉に下界に降りちゃったのよ……」
「はぁ? ある日を境に、神様達が一斉に下界に降りたぁ……?」
言ってる事の意味が良く理解らない様子の拓哉は、腕を組みながら思わず首を捻る。
「えぇ。 だから今の”神の威光”を失った天界は、あの活気があった頃とは比べ物にならない程に、とても……暗くて寂しいわね……」
「そ、それで……。 その、ある日を境にって……い、一体その日に何が起こったってんだよ……?」
拓哉は恐る恐る聞いてみると、その拓哉の問い掛けに対して、セウンが神妙な面持ちで答え始める。
「……えっと実はね? 今でこそ、天界の神様達は普通の人間と付き合ったり、結婚したり出来るんだけど、幾数百年前には、神様と人間の恋愛事は”御法度”だったのよ……」
「ん? 御法度……? 詰まり、天界から人間との交際は”禁止”されてたって事か?」
「えぇ、そうよ……。 でも、ある時に、とある天界の神様が気付いちゃったのよ……」
「気付いた……? 一体、何に……?」
「……えっと、その気付いた事って言うのはね? 要するに、こんな下らない天界のルールを作った”一人の神様”さえ、この天界から追放して仕舞えば、自動的にその追放された神様が作ったルール自体が”天界から消滅”するから、晴れて自由に恋愛が出来る……! と、気が付いちゃったのよね……」
「えぇッ!? 人間との恋愛禁止と言うルールを作った神様の事を、天界から追放する……だって!?」
「うん……」
すると、そんなセウンの昔話を聞いた拓哉は、思わず驚愕の表情を浮かべ始める……。
「お、おいおいっ! 天界の神様達ってのは、案外滅茶苦茶な思考してんだなぁ……! だってさ、自分達が好きに恋愛したいからって、自分達の”仲間”を天界から追放しようだなんてさぁ……?」
「まぁ、神様なんてもんは、得てしてそんなもんよ……」
「……マジかよ。 いやぁ〜、しっかしよぉ? だって、恐らくその追放された神様は、天界の”秩序”の為にそんなルールを作ったんじゃないのかよ? それなのに、追放されちまうなんてさ……。 いやぁ、その顚末は正直ちょっと可哀想過ぎないか?」
すると、その拓哉の言葉を聞いたセウンは、何やら申し訳無さそうに唇を噛み締める。
「えぇ……。 今思えば、かつて私達の仲間であった『全知全能の男神クリス』に対して、とても酷い事をして仕舞ったって、今でも悔いているわよ……っ。 で、でもっ! クリスを天界から追放しなかったら、貴方の”お爺ちゃん”……。 そして”お父さん”……。 そして今、”タクヤ”と恋愛をする事は決して出来なかったのよ……!」
〈え……っ? い、今なんて言った……? じ、爺ちゃんと父さん……?〉
セウンが言い放った”衝撃的な言葉”に対して、思わず困惑の顔を浮かべた拓哉は、慌ててセウンに向かって聞き返す。
「……は? 今、なんて言ったんだ……セウン? お、俺の聞き間違いじゃねぇよなぁ……?」
すると、たじろぐ拓哉に対してセウンは、真剣な面持ちで拓哉の顔を見詰めながら”真実”を話した。
「いえ、決して聞き間違いじゃないわよタクヤ。 私は、天界の女神として、貴方の一族……”竜胆園家”の人達と三世代に渡って恋愛してきたの……」
すると、そのセウンの驚きの発言を聞いた拓哉は、思わず後ろに倒れ込むと、慌てて起き上がってセウンの方にジリジリと詰め寄ると、そのままの勢いで問い詰め始める。
「はぁッッ!? ちょ、ちょっと待て……ッ! はっ!? い、今、なんて言った……? 三世代に渡って”恋愛”……だとぉッ!?」
「えぇ……そうよ。 詰まりタクヤは、私の”恋人”でも有り、私の”実の息子”でも有り、私の”実の孫”でも有るのよ?」
「はぁ!? セ、セウンが俺の恋人でも有り、俺の母さんでも有り、俺の婆ちゃんでもあるって、んだそりゃッ!? このままじゃ、理解が追い付かなくて俺の脳が破壊されちまうよぉぉおおッッッ!!!」
〈……一体、何なんだよこの展開はッ!? それともあれかッ!? 女神様の概念では、これが普通の事なんか!? 人間の俺だから理解が追い付いてねぇだけかッ!?〉
拓哉の脳内は”混乱”と言う二文字に埋め尽くされた。
「因みに、この事は、貴方のお爺ちゃんと、お父さんには、とっくに話している事だから、知らなかったのはタクヤだけよ?」
「えぇっ!? 詰まり、俺の爺ちゃんと父さんはセウンが女神様だと言う事をとっくに知ってたのか……っ!?」
「えぇ、そう言う事よ」
セウンからの衝撃的な話を聞かされた拓哉は、頭を抱えながら必死に考え込む……。
「は? は、はぁ? つ、詰まりセウン、俺達は、ガッツリ”近親相姦一族”だったって事かよ……ッ!?」
「いえ、それは”少しだけ”違うわね? 正確には、私は女神様だから、人間の同じ血筋の一族と幾ら交配しても”近親相姦”には、決してならないんだよ?」
「え、どう言う理屈……? うわぁ〜、マジかよ……。 俺って、今迄実の母ちゃんと”エッチな事”をしてたってことかよぉ〜……」
そう言うと拓哉は、露骨に萎え始める……。
「まぁまぁ、と言うよりもね? 寧ろ、同じ神様と交配すればする程に神聖な”神の血”が一族に、どんどんと根強く流れる様になるから、バンバンと同じ神と交配して更なる優秀な遺伝子を創ろう! と、言う訳なのよ? どう、”理解”出来た?」
「なんか、そう言った”屍を越えるゲーム”が有ったよな……。 いや、全くもって理解出来てねぇけど、取り敢えず無理矢理にでも納得してやるさ……」
拓哉は、半ば強引に今迄の話を納得すると、何やらセウンが申し訳無さそうな顔を浮かべながら拓哉に小声で話し掛けて来た……。
「えっと急にゴメンね、タクヤ……。 この事は本来、”結婚”してから話すべきなんだけど、今のこの天界の惨状を見れば分かると思うんだけど、私は……天界を守らなくちゃいけなかったから……」
「まぁ、事情は分かったよ……。 でも、まさかセウンが俺のお母さんでも有り、お婆ちゃんでも有るだなんてなぁ〜……」
「ゴメンねタクヤ……。 恋人だと思ってた人が、自分の実のお母さんとお婆ちゃんだったって知って……。 私の事を気持ち悪いって思ったでしょ……? ”失望”したでしょ……?」
「セ、セウン……?」
「うぅ……ぐすん。 ひっく……っ」
セウンは今にでも泣き喚きそうになっている……。
すると、その目に大粒の涙を溜めているセウンの顔を見た拓哉は、慌ててセウンに対してフォローを入れた。
「い、いやいや! た、確かに多少びっくりしたけどさっ! お、俺的には、セウンが俺の”実の母さん”だったって解った衝撃よりも、実はセウンが”天界の女神様”だったって解った時の衝撃の方が個人的に大っきかったからさ……!」
「……え? そうなの……?」
セウンは、キョトンとした顔を浮かべると、拓哉は今がチャンスとばかりに、更に擁護の言葉をセウンに向かって投げ掛ける。
「あぁ、そうだよ! だから、別にセウンが俺の実の母ちゃんだとか婆ちゃんとかの事は、別にその、特に”気にしてねぇから”さっ! それに、セウンはすっごく可愛いから……あの、俺さっ! セウンと恋人になれて”本当に良かった”って心の底から思うぜ……ッ!!」
拓哉は、今の自分自身が思っている本心を、嘘偽り無く正直にセウンに向かって伝えた。
すると、その拓哉の本心の言葉を聞いたセウンは、再び涙が込み上げて来て、思わず泣き出しそうになっている。
「う……っ! うぅ〜……っ」
「……あ、あれっ!? お、俺の本心の言葉……。 あ、余り嬉しくなかったのかぁ……!?」
「違うよ……”逆”だよ! うぅ……嬉し過ぎて、泣きそうなんだよ〜……!」
そのセウンの表情は、安堵と恥ずかしさが織り混ざったかの様な、恍惚とした”大人の表情”になっていた。
するとその、恍惚としているセウンの表情を見た拓哉は、自身の鼓動が徐々に速まっている事に気付いた。
〈う……ッ!? な、何だこの”気持ち”は……ッ!?〉
ドクンッ……ドクンッと、拓哉の心臓の鼓動が大きく波打ってゆく。
「うっ!? な、なんだッ!? いきなり俺の心臓はどうなっちまったんだぁ……ッ!?」
次第に、拓哉の脳内は、とある”感情”に埋め尽くされてゆく。
〈か、可愛い……!!〉
と言う”萌えの感情”に。
〈は、え、えっ!? 改めて考えてみても……。 こ、こんな可愛らしい人が、俺の実の母さんってマジか……!?〉
〈か、顔すらも今迄一度も見た事も無かった母さんの正体が、女神様で、俺の”彼女”だとぉ……!?〉
〈い、一体どんな”エロゲー的”な展開だよぉッ!? そう言や、”18禁版美乳剣舞”にもこんな展開が有った様な……ッ!〉
拓哉は、現世でロングセラーを誇る”美乳剣舞”と言うエロゲーに、今の現状を当て嵌めた。
「……あれ? どうしたのタクヤ……? 急に黙り込んじゃって……?」
すると、無言の拓哉の事が気になる様子のセウンが、”上目遣い”で拓哉の顔をジッと見詰める……。
すると、その”色気の溢れる”セウンの表情を見た拓哉は、自身の”理性”が段々と失われてゆく事に気付く。
〈あれれっ!? な、なんかセウンの事が、すげぇ”エロく”見えて来たぞぉ……!? こ、これが所謂”人妻の色気”って奴かぁ……っ!?〉
などと、拓哉が脳内でセウンのイヤらしい”裸エプロン姿”などを妄想していると、セウンが嬉しそうに拓哉に向かって話し掛けて来た
「ふふっ、タクヤ。 ありがとね……っ! 私、タクヤから元気いっぱい貰っちゃった……! だから、私もタクヤに”元気が出る儀式”をしてあげるね……!」
「はっ!? 元気が出る……ぎ、儀式ぃぃいいッッッ!!??」
因みに、”元気が出る儀式”とは無論、拓哉の事を正式に”天界の男神”にする為に必ず行わなくてはならない”神聖な儀式”の事なのだが……。
〈え……? 今、天界には俺達”二人っ切り”だよな……? それで、元気が出る儀式……? え、マジで”エッチな意味”にしか聞き取れないんだが……?〉
現在進行形でイヤらしい妄想をしていた拓哉の脳内は、”元気が出る儀式”と言う言葉に対して敏感に反応してしまい、更にイヤらしい妄想をエスカレートさせてしまう。
「げ、元気がでる儀式だとぉ……!? こ、此処に誰も居ないからって! ま、全く母さんは大っ胆だなぁ……!」
「……え? た、確かに今の天界には誰も居ないから、儀式をするには今がチャンスだと思ったんだけど……。 だ、大胆……かなぁ?」
「あぁ……! 大胆過ぎるよセウン。 いや、”母さん”……!!」
バババッ!
拓哉は、そう言うや否やおもむろに身に着けている服を脱ぎ出し始めた……!
すると、”素っ裸”になった拓哉の姿を見たセウンは、瞬時に悟った……!
「……えぇッ!? いやいや、違うから! ぎ、儀式と言うのは”性行為”の事では無くてっ! 拓哉が立派な男神になれるようにする”神聖な儀式”の事で……ッ!」
「もう誤魔化しても遅いよ……! 母さん……!!」
「キャーーーッッッ!!!」
カバッッッ!!!
拓哉は、思いっ切りセウンに覆い被さった。
――――――R18指定表現多数なので丸々カット。
やがて、”事後処理”を終えて賢者モードになった拓哉は、セウンに向かって全力で土下座をし始める。
「ご、ごめん……!! 母さんごめん……! 俺、我慢出来なくて……!」
「はぁ〜、全く……! 元気なのは良い事なんだけど、タクヤのお爺ちゃんと言い、タクヤのお父さんと言い、竜胆園一族の人達は皆”性欲が強過ぎる”のよッ! まぁ、それも私の”神の血”が入っているからだとは思うんだけどさぁ……」
「いや、あの本当にすみませんでした……」
すると、セウンは腕を組みながらプイッと顔を横に向けると、そのまま”儀式の場所”の方へと向かって行った。
「まぁ、良いわよ……。 性欲が強い事も人間が神になる為に必要な要素ですからね……。 よしっ、それじゃあ! 気を取り直して、タクヤを男神にする儀式を執り行いたいと思いま〜すっ!」
「えっと〜? そ、それで……その儀式と言うのは、どう言った内容で……?」
〈うぅ……。 で、出来れば”簡単な内容”だと嬉しいが……〉
「ふふっ、そう畏まらなくても平気よ。 普段は使っちゃ駄目なんだけど、今は誰も居ないし勝手に使ってもバレないでしょ! ほら、”アレ”を見てタクヤ!」
セウンは、とある場所に指を向けると、拓哉もその方向に視線を移す。
〈んん? 確かに何か彼処だけ、やけに光ってんなぁ〜……?〉
「ほら見て! あそこだけ”妙に光ってる場所”があるでしょ? あそこは、神様に選ばれた人間だけが立つことを許されている”神聖な場所”で、あそこの上に”数秒だけ”立つと晴れて神様になれるのよ……!」
「ん〜? なんか滅茶苦茶アバウトな表現だが、要するに、”凄ぇ場所”って事だけ覚えてれば良いのかぁ?」
「うんっ! そんな認識で合ってるわよっ!」
すると、今迄のセウンの言葉を整理した拓哉は、ハッとした表情を浮かべる。
「あっ! って事は、今迄の事を踏まえると、セウンは俺の事を”神様”に仕立て上げようとしてるのかよ……?」
「えぇ、御名答よタクヤッ! 貴方は今まさに、女神様である私に”選ばれた”のよッ! だから、晴れて男神として、この天界で私と一緒に暮らしなさい……!」
「ちょいちょいッ! んな、唐突に言われたってさぁ〜……」
すると、首を捻っている様子の拓哉に対して、セウンがとある”一つの質問”を投げ掛けた。
「ねぇ、タクヤ? 念の為、貴方に対して一つだけ聞きたい事があるの……。 えっと、タクヤ? 貴方は”現世に未練”は……あるのかしら?」
〈えっ? 俺に、現世の未練が有るかって……? へっ、んなの決まってんだろうが?〉
拓哉はキリッとした表情に切り替わると、そのままセウンの問い掛けに対して瞬時に答えた……。
「現世に未練だって……? へっ、セウン。 俺は、”お前が居ねぇ現世”なんかよりも、”お前が居るこの天界”を選ぶに決まってんだろぉ? へへへ、って事で俺も”覚悟”を決めたぜセウン……ッ! 直ぐ様、俺を天界の神様にして、一生此処で”イチャラブ”し続けようぜぇ……ッッッ!!」
すると、そんな拓哉の”男らしい”返答を聞いたセウンの顔が段々と赤らんでいくと、次第に晴れやかなものになってゆく。
「うんっ! その言葉が聞きたかったの……! 有り難う……タクヤ……! よ~しっ、それじゃあ! 早速、儀式の場所に立って……!」
「あ、あぁ……! わ、分かったぜ……! こ、こうで合ってるかぁ……?」
拓哉は、意気揚々と神聖な儀式の場所の上に立つと、そのままセウンの開始の合図と共に儀式がスタートした。
「うん! バッチリよ! それじゃあ、”儀式スタート”ォ……!」
そうセウンが告げるや否や、突如として拓哉の脳内が”暗転”すると、その次の瞬間には様々な”知識”、”風景”、”記憶”が、途轍もないスピードで脳内を巡り出し始める……!
「な、何だこりゃ……ッ!? す、すげぇ……!!!」
拓哉は思わず感嘆の声を漏らす……。
今まで、ただの普通の人間に過ぎなかった自分が、一生味わう事が出来ない様なこの”快感”は、例えるならば人間界で密売されている”麻薬”や”覚醒剤”等では、とても比べ物にならない程に凄まじい快楽だった。
その上、麻薬や覚醒剤だと使用者の精神はあっさりと壊れて仕舞うが、この”神の力を開放する儀式”に置いては、精神が壊れると言う事が”一切”起こら無い為、安心して拓哉はこの快感に身を任せる事が出来た。
やがて、神の儀式が終わりに近付く頃に、拓哉の脳内に”とある言葉”が浮かんで来た。
その浮かんで来た言葉と言うのが、自身が神になった時に貰える”特別なスキル”の名なのだ。
そう、拓哉は今まさにこの瞬間、新たなる天界の神になったと言う事なのだ。
そして、その拓哉が取得したスキルの名前と言うのが……。
【上級スキル能力授与】であった……!
【現在位置】
【後光が差してきた天界】
【現在の日時】
【不明】
【慈悲の男神タクヤ】
【状態】:大興奮
【装備】:純白の羽衣 純白の指輪と腕輪 男神の袋
【道具】:今迄の持ち物と装備は全て男神の袋に収納されています。
【スキル】上級スキル能力授与【効果】:これから異世界転生や転移する人達に対して、”強力なスキル”を授与する事が出来る様になる。但しこの能力は天界でしか使えない。
【思考】
1:すげぇ……! 俺は、”神”になったのか……!?
2:おわっ! 何だこの服は……!? なんか露出凄くねぇか……!?
3:上級スキル能力授与って事はアレか!? よく見る異世界転生物で、主人公に強力な”チートスキル”を授ける……神様的な奴が持ってるアレの事か……?
【基本方針】:セウンと天界で暮らす。転生者にスキルを授ける。
※神の儀式により、人間から神にランクアップしました。
【旋風の女神セウン】
【状態】:一安心
【装備】:翠の羽衣 翠の指輪と腕輪 女神の袋
【道具】:女神の袋に色々入ってる。
【スキル】:旋風の危機察知
【思考】
1:良かったぁ……! 無事にタクヤも神様になれたみたいね……!
2:これで、私の天界での仕事も少しは楽になるわね……。
3:そう言えば、タクヤのお父さん……。 ”鯛造さん”は今頃、異世界に居るのかな……?
【基本方針】:天界を護る。かつての”夫”である鯛造の安否を知りたい。天界に慣れていない拓哉をサポートする。
※拓哉を神の儀式を使って神にランクアップさせました。
もし、宜しければこの作品にポイント評価とブックマーク登録をして下さると作者の励みになります…!ご感想もお待ちしております…!




