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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第二章 各々の方針が固まる二日目
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第百一話 新世界の大地カイシンセ 〜賞金首ザマ編〜


〜賞金首ザマの視点〜


――――新世界の大地カイシンセ


 終焉の大地ゴイサを抜けて、『新世界の大地カイシンセ』に辿り着いたザマ達は、此処等で一旦休息を取ろうとする……。


 「ふぅ……っ! ザマ、テイル! やっとの思いで新世界の大地カイシンセに辿り着いたわね……っ! もしかしたら、此処の大地に『御主人様』が居るのかも……!」


 宙にフワフワと舞っている状態で、機械人形アロエアは汗を拭いながらザマ達に向かって呼び掛けた。


 「機械人形も汗を掻く物なんですね……?」


 「まぁね。 仕組みは私も余り良く解って無いんだけどねぇ〜? 何か、『ノリ』で出てる感じぃ〜?」


 「ノリって……。 何だか、本当に訳が分かりませんね……。 『機械人形』と言う代物は……」


 と、テイルが首を捻っていると、ザマが足首を抑えながら二人の会話に加わって来た。


 「おぉ〜っ! いや〜、然し思ったよりも早く辿り着く事が出来て良かった……! だけど、歩きっぱなしだったから、足がメチャクチャ痛ぇなぁ……。 なぁ、二人共。 少しばかり何処かで休憩を挟まないか……?」


 「うーん、確かにザマ様の言う通りですね……。 流石の僕も、もう足がクタクタですからね……」


 「あら? 二人共情けないのね? レディの私だけが元気なのを見て、何とも思わないの?」


 すると、そのアロエアの煽る様な発言に対して、思わずテイルが我慢し切れずに怒りを(アラワにし出す……。


 「なんですって……ッ!? そもそも、貴女は何時も宙にフワフワと浮いているではありませんか……っ! そりゃあ、疲れる筈ないですよ……ッ! ズルいですよ全く……ッ!」


 「おいおい、そんなにムキになるなよ……テイル! そんな女の子の人形族相手に怒るなんて情けないぞ? すまないが、今回は俺の顔に免じて、どうかアロエアの事を許してやってくれないか?」


 「むぅ……。 分かりましたよ……。 今回は、ザマ様の顔に免じて我慢する事と致しますよ……」


 然し、そのテイルの許した様子の態度を見るや否や、アロエアは性懲りもなく、再びテイルに対して煽りの言葉を送り始めて仕舞う……。


 「やれやれ、こんな事でムキになっちゃうなんて馬鹿なんじゃないのぉ〜っ! ぷぷぷ〜っ! テイルってば、知能指数が『赤ちゃん並み』なのかしらねぇ〜? ほぉ~ら、ママでちゅよ〜っ! バブ〜! バブブ〜!」


 「おいおい……。 余り調子に乗るなよアロエア……? 流石に今度ばっかりは、俺も庇えねぇぞ?」


 ザマは、アロエアに対して警告の言葉を発したものの、アロエアはザマの言葉に対して聞く耳を持っている様子は一切無く、懲りずに含み笑いを浮かべながら煽り口調でテイルに向かって喋り続けていた……。


 「あらあら〜? テイルってば、何だか涙目になって来てない〜? キャハハ! でも、私は世にも珍しい『機械人形』だから何を言っても許されるのよね〜っ! キャハハ!」


 「コイツ……。 全く反省した態度を見られませんね……? やっぱり、『性根が腐っている』コイツの事は今の内に『斬り捨てた方』が良いんじゃないでしょうかね?」


 「え……? え、ちょっ、テイル……?」


 すると、そっと鞘から剣を引き抜いたテイルの姿を見たアロエアは、そのテイルの行動に対してギョッとした様な顔を浮かべると、直ぐ様助けを求めるかの様に甲高い悲鳴を上げた……。


 「キャーーッッ!? ちょ、ちょっと、何考えてんのよテイルッ!? そんな物騒なのは早く仕舞いなさいよねッ! ねぇ、ザマ〜っ! 黙ってないで私の事を助けてよ〜っ!」


 「いやいや、この状況は完全にアロエアの『自業自得』だろ……。 俺が止める筋合いは無いなぁ……」


 「そんな殺生な……ッ!? うわ〜んっ! 謝るから……誠心誠意込めて謝るからぁ〜……ッ! だから許してよテイル〜ッ!」


 「……本当だな? もう、調子に乗らないな?」


 「うんっ! 調子に乗らないから、だから早くその剣を収めて……? ねっ?」


 「はぁ……。 分かりました。 一旦この件は水に流す事と致しますよ……。 但し、『次』は無いですからね……?」


 テイルは、アロエアに向かって念押しをしながら、そっと剣を鞘に収めた……。


 そして、その剣がしっかりと鞘に仕舞われた事を確認したアロエアは、心底ホッとした様な表情を浮かべながら静かに胸を撫で下ろしていた……。


 「危ない所でしたわね……。 危うく、テイルの手によって、ミンチにされる所でしたわね……。 まぁ、私に『肉体』は無いので、ミンチでは無く『残骸』と言ったところかしらねぇ……?」


 「どうでも良いですよ、そんな事は……」


 「まぁ、一応アロエアの奴も反省したみてぇだし、早速近くの街に寄って旅の疲れを取る事にするかッ!」


 「ですねザマ様。 えーっと……。 確か此処からだと、『街エリロン』が一番近いと思われます……! ですから先ずは、其処に向かってみましょうか……!」


 「お、街エリロンかっ! 彼処は確か、なんと宿代が『タダ』と言う事で有名な街だった筈だから、一文無しの俺達にとっては、正に渡りに船だな……ッ!」


 すると、その話を聞いたアロエアは、何処か懐疑的な顔を浮かべた……。


 「へぇ〜? でも、どうせオンボロな宿でも提供されるんでしょうけどねぇ〜? じゃないと、タダで経営なんか出来ないでしょ……」


 「まぁまぁ、オンボロでも良いじゃないか。 休める場所が有るだけでも充分だろ?」


 「まぁ、確かにそうね。 それじゃ、テイルにザマ! この可憐な私の後に付いて来なさいっ! 早速、その街エリロンって所に行くわよッ!」


 と、アロエアは叫んだかと思うと、街エリロンの在る場所とはまるで見当違いの方向へと進んで行こうとしていた……。


 その姿を見たテイルは、ガッとアロエアの首根っこを掴んで強引に自分の方へと引き寄せた……。


 ガシッ!


 「うげっ!? きゅ、急に何事ですの……っ!?」


 「待って下さい、アロエア。 街エリロンが在る方角は『そっち方面』ではありませんよ? やれやれ……。 場所が分からないなら、先陣を切る必要なんて無いのに……」


 「うっ、うるさいわね……っ! 今のは、ちょっとした乙女のドジアピールよッ! 決して、本当に間違えた訳じゃ無いんだからねッ!?」


 「はいはい、そう言う事にしておきますね。 それでは、ザマ様にアロエア。 今度は、しっかりと僕の後に付いて来て下さいね?」


 テイルは、そう言いながらニヤッと笑った……。


 「ちょ、ちょっと〜っ! 今私を見てニヤリと笑ったわね〜っ!? キィ〜ッ! こんな事で馬鹿にされて悔しい〜っ!」


 「はっはっは! なんか仲良くなってんなお前等!」


 「ちょっ!? これの何処を見て、そう思ったのよッ! 答えなさいザマッ!」


 かくして、ザマ達は道中で口喧嘩を挟みつつも、街エリロンを目指して順調に歩みを進めるのであった……!



【現在位置】

【新世界の大地カイシンセ】


【現在の日時】

【4月8日 15時21分 春】



【賞金首ザマ】

【状態】:疲労

【装備】:シマシマの服

【道具】:自分の手配書

【スキル】:無し

【思考】

1:くぅ〜……。 足が痛い……!

2:日頃の運動不足が災いしてんなぁ……。

3:兎にも角にも、各地に貼られている俺の手配書も密かに回収しないとな……。

【基本方針】:街エリロンに向かう。自身の手配書を回収する。戦闘はアロエアとテイルに任せる。



【落第騎士テイル】

【状態】:警戒

【装備】:ボロボロの鎧 雷鳴の剣

【道具】:無し

【スキル】:稲妻斬り

【思考】

1:取り敢えず、この馬鹿人形の事は放って置いて……。

2:街エリロンに辿り着くまでに、何か顔を隠せる物を見付けないとな……。

3:ザマ様が『賞金首』だと言う事がバレたら、とても面倒な事になりますからね……。

【基本方針】:街エリロンに向かう。何か顔を隠せる物を探す。



【機械人形アロエア】

【状態】:悔しい

【装備】:赤と黒のゴスロリ服

【道具】:無し

【スキル】:強制自己再生

【思考】

1:もぅ〜っ! ムシャクシャしますわ〜ッ!

2:テイルの、あの憎たらしい顔を思い出すだけでも吐き気がしますわねっ!

3:でも、やり返したら今度は本当に殺される危険性が有りますものね……。 グギギィ……ッ!

【基本方針】:街エリロンに向かう。御主人様を捜す。テイルにイタズラしたいけど我慢する。


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