Prologue
新作開始致します!
第1章は書き溜め終了しておりますので、楽しんでお読み頂けたら嬉しいです。
「レイラ様! 流石です!」
……また、
「やはりレイラ様は天才ですね!」
あの子ばかりが褒められる。
「あ、リディアお姉様!!」
どす黒い私の感情とは裏腹に、
「見て見て、ようやく完成したの!!」
売り物かと見紛うほどの刺繍が施されたハンカチを見せながら、屈託のない笑みを浮かべてくる彼女。
「それに比べてリディア様は……」
……やめて、
「どうして出来ないのでしょう」
どうして私ばかり、
「同じ血を分けた姉妹だと言うのに」
こんな思いをしなければならないの?
「……っ、うるさい!!!!!」
「!? お姉様っ……」
ドンッと、輪の中心にいた私の妹……、レイラの体を無意識に突き飛ばす。
その力でよろめいたレイラは、背後にあった棚に勢い余ってぶつかり、衝撃で大きな棚の扉が開いた。
直後、飾られていた無数のソーサーセットが落ちてきて。
「っ、レイラッ!!!」
咄嗟に妹を庇おうと手を伸ばす。
棚から落ちてきた食器類が体に当たり、頭に響く鈍い音と同時に走った痛みに意識を手放す。 直前、走馬灯のように朧げな記憶が頭をよぎった。
(私、前にも同じ気持ちに、よくなっていた気がする)
……脳裏に浮かぶ、無機質な部屋。
体中に繋がれた、おびただしいチューブの数。
そして私は思い出す。
(あぁ、私)
……前世と何一つ、変わっていない……―――




