第三章 別の人 (4)
ジュンは、奈緒という守らなければならない人がいる。それだけにいけないとは分かりながらも瞳との時間の流れに逆らうことが出来なかった。
(4)
いけないことは分かっていた。だけど避けて通れなかった。でもどうしても逆らえない流れがある。もしこの時を逃したら・・。ジュンは自分の気持ちから逃げることが出来なかった。竹宮は、既に決めているようだった。
あの口付けの後、なにも言わずに足が向いた。竹宮も何も言わずに付いて来た。入り口で
「いいよね」
と言うと
「うん」
とだけ下を向きながら頷いた。
部屋に入るともう一度口付けをした。今度はしっかりと竹宮を抱えている。背中をなぜながら手をお尻の方に下げて触ると、少しだけお尻を固くして緊張しているのが分かった。
口付けをしながらお尻から背中に持ってくると首元にチャックが有った。クロスロックがある。それを解いてゆっくりとチャックを下に降ろした。
白い素敵なワンピースが背中から割れて薄いキャミソールが手に当たった。唇が強く押し付けられている。
ワンピースを肩からら外し床に落とすと、キャミソールと下着だけになった。ストッキングは履いていなかった。肩紐に手をかけてキャミソールも外した。目を閉じたままにしている。淡いピンクの素敵なブラとパンティ、ウエストが綺麗なラインを見せていた。
竹宮は、口付けをしたまま、体をベッドに横にされると唇を離して目を一度開けた。そしてジュンをうるんだ眼で見ると
「山之内君が、はじめて。優しくして」
そう言ってもう一度閉じた。
ジュンは、自分もジャケットとスラックス、ワイシャツを脱ぐと、竹宮の体に優しく寄り添って、右手をブラの上に置いた。柔らかかった。
手を一度、ゆっくりとブラの下に手を置き、揉み上げるように手をトップの方に近づけると、竹宮は小さく声を漏らした。そのまま手をブラの上からトップに触ると強く口付けをしてきた。
しっかりと親指と人差し指でトップを摘まむと少しずつ固くなって来た。
竹宮は、自分の体に今まで経験したことのない感覚に襲われた。山内君に抱かれている。頭の中で思いながら感覚に身を任せた。
ジュンは、手をブラの下にもう一度持って行き、今度はブラを持ち上げるようにするととても柔らかく絹のような肌に触れた。竹宮は、目を強く閉じて唇を当てている。
ジュンは、ブラを持ち上げるようにしてトップまでずらすと真っ白な胸とまだ色の付いていない少し赤く火照ったトップと淡いピンク色の様な適当な大きさの乳輪が見えた。口付けをしていた唇をゆっくりとそこに近づけると竹宮は声を漏らした。
ジュンが、竹宮のトップを舌の中で軽く優しくしながら、口で軽く噛むと竹宮、声を大きくしていった。
竹宮は、始めて自分以外の人に胸を晒したことの恥ずかしさと、自分のトップを噛まれた事で信じられない感覚に落ちて行った。
左の胸も同じようにしながら右手で左胸のトップを優しく触ると、更に声が大きくなって来た。
ジュンは、唇をゆっくりと胸の下や、わき腹、おへその下に移動しながら、ゆっくりと手を竹宮のパンティの中に入れた。ゴムの中に手を入れて、毛の生えた丘を登り切り、下に秘めやかな、大事なところに伸ばすと、竹宮の手がパンティの上からジュンの手を掴んだ。
だが、ジュンはゆっくりとそのまま手を降ろしていくと、まだ、男を知らない、ほぼ閉まっている感じのそれが有った。ジュンはゆっくりと中指と人差し指で開くと中指を中に入れた。大分に濡れていた。
竹宮は、まだ誰にも見せたことのない大切なところを触られ、恥ずかしさと体の感覚がよそに持って行かれる感触に声を出した。
竹宮は、恥ずかしさでたまらなかった。成り行きとはいえ、まさかここまでとは思っていなかった。
山之内が、片手を自分の大切なところに置き、中指だけを入れてくると信じられない感覚が走った。
後は、まかせるままだった。山之内が、パンティを下げようとしたので腰を浮かすと、右手で左足だけを抜かれた。そのまま足が開かれジュンが足の間に入って来た。えっと思った時は遅かった。
山之内が、自分の足を大きく開かせ、まさか自分の大切なところに唇を付けてくるとは思わなかった。そして今まで経験したことのない感覚が走った。今までシーツを掴んでいた手を急いでそこに向けた。
「いやーっ。見ないで」
ジュンは、山之内の大切なところに手を置くと、竹宮から手の甲を触られたものの、あまり抵抗もなく中指をゆっくりと入れた。
男を知らないそこは、まだ閉じていた。ジュンは仕方なく、右手を竹宮の大事なところに持って行き、ゆっくりと開くと、今まで異性を知らないそこが有った。右手でまだ閉じているそこを更に開き、上の方にまだ小さくピンク色しているぷちっとした部分を指で軽く起こすとそれを唇の中に入れた。
しょっぱい匂いと竹宮の中から出ている液で独特の匂いがした。これが竹宮の・・。 竹宮は、そこまでされ、恥ずかしさと心地よさで自制心が切れ始めていた。
ジュンは、口の中でそれを転がしながら、中指でゆっくりと中を触った。興奮しているせいか、入り口はまだ薄い綺麗なピンク、そして、少し広げるとまだ透明の色合いに、奥の方にほんの少しだけ穴があり、そこから液が染み出ていた。
今度は、周りのまだほんの少ししか色づいていない部分に口付けし強く吸った。右側を一通り吸うと、同じように左側も唇で強く吸った。
「うわーっ、」
声が激しく大きくなって行った。
竹宮は、たまらかった。初めて見せる恥ずかしさもあり、初めてされる経験と、体の中を貫く感覚に声が止まらなかった。すべてはもう山之内に任せていた。
ジュンは、ぷちっとしたところを口に含みながら右指で上の方を激しく擦ると竹宮の声がこれほどにと言う程の大きくなった
そして、目の前に見えている奥の小さな穴から白い液体が、ほとばしり、頭を締め付けられるように両足で絞められた。
少しの後、竹宮の足の緊張が解けるとジュンは、右手の親指と人差し指で、その両脇を開けて、自分のそれを竹宮の大切なところに当てた。ゆっくりと入れる。無理をせず、入り口だけで腰を前後した。
はじめは、気持ちが良いだけだった。山之内が、入り口の側だけで前後していたからだ。やがて、信じられない痛みが走った。
「くーっ」
眉間を寄せて我慢していると
「大丈夫」
聞いて来た。言葉を出さずに頷く、ジュンは、足の付け根をしっかりと抱えて、足を開かせ、優しくそしてしっかりと自分を押した。下にいる竹宮が眉間に皺を寄せて我慢している。何度目かの後、ずるずると少しずつ入ると一気に入った。
「いやーっ」
激痛が走った。シーツを思い切り握りしめた後、明らかに自分の中に有るとわかる物が動かなままそのままにしていると痛みが和らいできた。眉間を緩めると、その物がゆっくりと動き始めた。少しの痛みは残るが今まで知らなかった感情が体を貫いた。
シーツを思い切り掴みながら、自分の体を貫く初めての感覚を感じていた。やがて、意識の遠くで
「竹宮さん、我慢できない。いい」
「大丈夫」
それだけ言うと思いきい熱いものが、体の中にはっきりと入ってくるのが分かった。少しして山之内の体が自分の上に覆いかぶさった。少しの時間の後、
「しちゃった」
山之内の言葉に微笑みながら
「うん」
と頷くと山之内の唇に自分の唇を重ねた。
ジュンは、自分を入れたままに竹宮の綺麗な胸を口付けしていると、また元気が出て来た。入れたままにゆっくりと前後し始めると竹宮の眉間に皺が寄った。だが、明らかに先程の痛みを我慢するものではなかった。口元がだらりと開き、自分の背中に腕を回して来た。
「なにこれ」
声が止まらなかった。さっきとは明らかに違う感覚が体を貫いている。たまらなかった。
「山之内君、だめー」
と言うと、ジュンは竹宮の大事なところの奥から、熱いもが出てくるのをはっきりと感じた。
そして、「だめー」と言いながら山之内にしがみついていた。ジュンは、自分自身を締め付けてくる竹宮の大事なところに、この子はと思うと自分の気持ちを思い切りもう一度出した。
奈緒は、ジュンと別れた後、家で連絡を待っていた。食事をしてTVでも見ていれば、すぐにジュンから連絡がくる。明日も会う約束しよう、位に考えていた。
だが、十一時を回っても連絡が来ない。必ず連絡するって言ってたし・・。と思うと、ベッドの上でもう少し待つことにした。TVも見るものがないので、机の上の読みかけの本を取るとベッドの上で、ごろっとしながら待っていると、いつの間にか上の瞼と下の瞼がキスをした。
「ジュン、ありがとう。今日は、楽しかった。じゃあね」
玄関の門を開けて中に入ると
「あっ、明日は」
「瞳、うん、いいよ。じゃあね」
タクシーで家のそばまで送って貰った竹宮は、後ろ髪を惹かれるようにして玄関の中に入って行った。
瞳、後姿を見ながら、心の中でそう呼ぶとジュンは、タクシーに戻り、
「用賀まで」
と言うと目をつぶり、さっきまでの事を思い出していた。
「山之内君、瞳って呼んでいいよ。でもプライベートの時だけね。会社では無理だから」
「当たり前だよ。瞳もジュンって呼んでいいから。プライベートの時」
わざとらしく言うと、竹内の唇に優しく自分の唇を付けた。竹内の肌は柔らかく気持ちよかった。胸は、見た目より大きい事が分かった。それと奈緒の時とは明らかに違った感じが有った事も。
「もう、十一時過ぎている。帰らなきゃ」
「そうだね」
「シャワー、一緒に浴びる」
「ふふっ、だめ」
と言うとベッドから抜けて、サササッとシャワールームに行った。何もまとわない竹内の後姿は素敵だった。
やがて、バスタオルを巻いた竹内が出て来て、
「ジュンもいいよ」
と言うと、一瞬面倒だったが、このままではと思いシャワーを浴びることにした。
ホテルを出る時だけ、周りを気にしたが、誰もいないことが分かるとさっと入り口を出て、何もなかったかのように二人で歩いた。ジュンの左手と瞳の右手はしっかりとつながれている。そして道玄坂に出てタクシーを拾ったのだ。
「お客さん、もうすぐ二四六ですが、どの辺ですか」
その声に目を覚ますと
「二四六を抜けて、東名インターを過ぎた一つ目の交差点を右に行ってください。近くになったらまた、教えます」
車の通りが多い。外の景色を見ると思い出したようにスマホを手にした。まずい、奈緒に連絡入れてない。そう思いながらももう、十二時を回っている。いいか。朝一で連絡しよう。あっ、さっき瞳と・・そう思うと、どうすればいいか考えた。この時、ジュンは奈緒に対する罪悪感がなかった。
ジュンは、日曜日、朝八時に目を覚ますと、すぐにベッドの上でスマホを手に取った。
えっ、奈緒から連絡が入っている。昨日はなかったのにすぐにメッセージを見ると
<ジュン、連絡なかった。これ見たらすぐに電話して>
奈緒らしいメッセージに少しほっとしながら電話を掛けようとして、今日、竹内と会う約束をしていることを考えると、スマホの奈緒の電話番号にタッチした。少しの呼び出し音の後、
「ジュン、昨日連絡くれるって言ったじゃない。ずーっとずーっと待っていたんだから」
いつもの甘えに
「ごめん、久々に飲みすぎて。仲間とカラオケ行ったら、十二時回ってた。もう奈緒に悪いなと思ってしなかったんだ」
「十二時過ぎまで起きてたよ」
本当は十一時で眠りについていたが。
「分かった。じゃあ、今日は三時から会う」
「何で三時なの」
「午前中ダウン。二日酔いで頭が痛い」
少しの無音の後、
「もう、ジュンのばかー。知らないんだから・・。じゃあ三時ね。いつものとこ。いいよね」
「分かった。じゃあ、もう一度寝る」
「お休みジュン」
そう言って切れると急いで竹内にメールした。
<今話せる。今日の事>
少しして<いいよ>と帰って来たので竹内に電話することにした。
竹内は嬉しかった。昨日はああいうことになったが、母親には、何も言っていない。母親と朝食を取っていたところに山之内から電話有ったら、実際のところ、まだまずかった。
母親との朝食を切り上げ、自分の部屋に戻ったところに、山之内から電話があった。
「瞳、昨日別れ際に行ったことだけど」
竹内は、一瞬考えた後、
「今日会うって言った事」
「うん、時間決めてなかった。何時が都合いい」
竹内は、嬉しかった。昨日の事もあったが、何とは無しに口にしたことを覚えておいてくれて、朝早く電話してくれた事に。
「そうね、今、八時半だから十時、いや、九時半なら渋谷まで行ける」
「分かった。じゃあ、九時半に渋谷。ハチ公前交番でどう」
「うん」
と言うと瞳は電話を切った。顔がすぐほころんだ。一階に降りて
「お母さん、今から出かける。昨日みたいには遅くならないから」
母親が、ふふふっと笑うと
「そうね。昨日みたいに夜遅く、石鹸の匂いしながら、さっぱりとした姿で帰るのはね」
瞳は、心にぐさっと来た。やばい、完全にばれている。
「瞳、いつ合わせてくれるの。昨日、夜遅くまで一緒に居た人」
「えーっ、まだ、まだ」
顔の前で右手を振りながら言った。
「まあいいわ。行ってらっしゃい」
嬉しそうに言う母親にお母さん、彼が出来るのを待っていたのかな。と思いながら急いで歯を磨き始めた。
九時半に瞳と会ったジュンは、昼食時に
「瞳ごめん。今日は、三時には家に帰らないといけない。だから二時四五分まで」
「えーっ、今日も遅くまでと思ったのに」
と言って下を向いて寂しそうな姿をすると
「本当にごめん」
手を顔の前に当てて、謝るジュンに
「分かった。許してあげる。でも毎週必ず会いたいな」
「勿論。今日だけ特別」
そう言うジュンを見ながら良かった。昨日みたいな事今日は出来ないし。早く帰ろうと思ったところにジュンが行ってくれた。そう思っていると
「あれ、何か変」
「あっ、あははっ、やっぱり」
「何か違う。言っている事と頭の中。そうでしょう」
「ばれたか。実言うと」
と言って、今日の朝の出来事を話した。
「ばれたか」
「当たり前でしょう。それに」
と言うと、口元をジュンの耳のそばまで持って来て。
「まだ、あなたがそこにいるみたい」
ジュンは、顔を真っ赤にして下を向いた。その姿に結構素直だな。うん。と思うと自分の彼になったジュンを嬉しそうに見た。
ジュンは、心の呵責のないままに行動していきます。奈緒は、最近違って来たジュンに何かを感じ、自分の両親にジュンを合わせることによって、そして彼の両親に会うことによって自分自身の立場を公にすることにします。
次回もお楽しみに。