38 メイキング「こうしてくれる」(下)
ゆめの子…満6才を迎えるまでは「夢の世界に属する存在」なので「帰っただけ」ということにする本来は慰めの風習。
「貴族階級の未成年は外出禁止」のマナーや、生き残れた弟妹を「大事な末っ子」と呼称する、といった形で名残りがある。
治安の回復や乳幼児生存率の向上などにより、近年は「ゆめの子」由来のそうした価値観に違和感(あるいは拒絶反応)を示す若者が増えている。
誰もが薄々納得いっていなかった固定概念について堂々と反論できる時代がきたことで、順応を強いられていた諦観の世代と、理不尽の否定に滾る世代で隔絶が生じている。
カイザルの認知では、常に「ふたりのカイゼリン」が存在している。
末の妹と、第一子である幼名「湯たんぽちゃん」だ。
ふたりの宝に、かつて何が起きたかをカイザルは理解している。
目の前にいるのは妹だと知っている。
娘には二度と会えないことも知っている。
知りながら、少女に「追放した妹」と「亡くした娘」が見えている。
ごく自然に同一視している。
明らかに異状だが、カイザルには自覚できない。してはいけない。
カイザルは、呪物モドキを発症した破壊神だ。幻想を安全装置とする無差別殺戮兵器である。
窮地に追い込まれた変異モドキでさえ、リスクに怯み、なりすましをあえて避けたほどに、「ふたりのカイゼリン」は彼にとって不可侵かつ禁忌なのである。
◆
舘で待機するのは4人だが、抜け殻と「憑依」によって実質はアンナと兄妹の3人だ。
アンナとしてはやりにくさなどない。
リンは可愛い友人で、今のカイザルは可愛い少年の姿。威圧感の権化のような年上男性の姿よりも気が楽だった。
カイザルの反応が日に日に気安くなってきていることも、やりやすさに拍車をかけている。
警戒心の塊が試し行為するせいで、真意を察したカイザルから雑にあしらわれがち、ともいうが。
(リンとしてはどうなんだろ?
最近の様子をみると気持ちの整理もついてそう。それに…多分だけど)
談話スペースのクッキージャーに渦巻型のアイスボックスクッキーを補充しつつ、さりげなく横目で兄妹を盗み見た。二度見した。
「いやリン…近ない?」
少年が座るソファのひじ掛けに身を乗り出し、リンが至近距離から実兄を観察していた。
リンの顔は真剣だ。ド真剣だ。弟(中身は兄)の横顔をじ…っと見つめている。
「えーと。カイザルさん、集中できる? あたしこれから厨房だけど、良ければリン連れていこか?」
「問題ない。ちっこい女ってのはこういう生き物だ。
何故か眺める。そのうち不意打ちで飛び掛かってくる。そうなれば後は喋りっぱなしだ。飽きれば懐にもぐりこんで勝手に寝る」
「なるほど。父親は慣れてるのか。
…あたしも父さんにそうだったかなぁ?」
アンナは転生後の己を振り返ってみた。
そして、(…確かに!)と驚いた。
「仕事中は眺めたし、休憩中は話しかけに行ってた。仮眠とってたら、あたしも一緒にお昼寝したな。
そういや。リンってレルムさんにも至近距離観察する子だったわ」
アンナはリンの奇行を「娘あるある」の誤差だと完全に理解した。
「厨房いきまーす」と告げ、去っていった。
人のいない玄関ホールは静かだ。
少年が鉛筆を走らせる、そのかすかな音だけが響く。
リンは向かいのソファに座りなおした。そして、凝視。
カイザルは無視。
不躾な沈黙のなか、リンは密かに前世と今世の情報をすり合わせていた。
ふとカイザルが手を止めた。
眼鏡を外し、両目を閉じる。丁寧な手つきで眼鏡を拭きはじめる。
「さて。もういいぞ?」
愛想笑いした。眼鏡をかけなおし、オラオラ座りをキメる。
「手が空いたぞ? 「待て」ができるようになって偉いな? レディ・アウローラのいいつけを守れた良い子にご褒美だ。
好きにおねだりしていいぞ?」
ゆっくりと目を開く。
「リン」
両眼に灯る赤の魔力光。猫なで声。「憑依」の証。
かつての憎悪と軽蔑の象徴。
だが、それ以前は。
一拍おいて、リンは言った。
「まずはリボンを離してちょうだい」
「? いいぞ」
少年はパチンと指を鳴らした。迷彩結界魔法が監視魔法に委ねられる。
静かに待つリンの、澄んだ琥珀はゆるぎない。
外で雲が動いたのか、室内に差し込む光量が減った。
ふたつの琥珀にまつげの影がかかり、生前のカイザルそっくりの濃い茶色へ変わる。
とたん、少年の目がとけるように細まった。
「それで? 湯たんぽちゃんは父さまになにを望む?」
リンの手がゆっくり動き、己の頭に触れた。
撫でられる勲章を見たカイザルの認知が、娘から妹へ戻る。
「わたくしの髪飾りは「剣豪」。レルムがくれたの。宝物よ。
なのに、今は少し不満なの。アウローラの香りがしないから」
「ははっ。勲章に香水を吹きつけたいか。だが、金属だな? 察するにレディ・アウローラから断られたな?
それでオレに何とかしてほしいわけだな?」
「いいえ。本題は別なの」
「へぇ?」
カイザルは意外そうに片眉をあげた。
妹は口火を切った。
「かあさまから借りていた髪飾りは組紐とレースだったから香水をまとえたわ。
一日に一回、1プッシュだけ。
あの時の不満は、コリアンダーの香りがあっという間に消えてしまうこと。トップノートが特に好きだったから」
時が止まる。
「…、は…?」
カイザルは絶句した。認知に混乱が生じる。
今、どちらと一緒にいるのか分からなくなる。
「揉めば香りが蘇ると信じていたの。だからよく持っていかれたのよね。洗濯のために。
わたくしは抵抗したわ。「とうさまの香りを消さないで」って。
けど、皆「それならなおさら洗わないと」って言い返してくるの。「汚れたままでは違う香りよ。それでもよいの?」って。
よくないから、黙るしかないのよね。
高窓の4色を浴びる一番良い位置に干してもらえるから、乾くのを待つ時間も悪くなかったし。
…キレイ好きは昔からだったのね、兄上」
少年の唇がひきつり、半笑いのような表情になる。カイザルは静かに焦りはじめた。
(兄上、と呼んだな。なら妹だ。
だが…皆、だと? 色つき板硝子とも言ったな?
当時の母国では硝子玉が精一杯、館の宝物庫にすら存在しない他国の秘匿技術を…王族居住塔の最深居住区にしかないはずの希少な工芸品を、さも見て育ったかのように…?!)
動揺は魔力制御を乱れさせた。金継ぎの支配に隙が生まれる。
リンは気付けない。事の重大性が分からない。
少女はただ、実兄に懐くための言い訳を欲していただけだった。
(妹に面影をみるほど会いたがっているのだから、絶対に喜ぶわ。
胸毛むしっちゃったお詫びよ)
いかなる干渉も全てが致命傷となりうるからこそ不可侵なのだと想像できなくて当然の12歳は、とても無邪気に仕掛けてしまった。良かれと思って。
「異界を喚ぶみたいに、夢の世界から喚んでみたの。
まさか、わたくしに転生していたなんて。
記憶が混ざったのよ。ありのままがどちらなのか分からなくなってヒヤッとしたわ。
けど、考えたら問題ないのよね。だって人は変わる。わたくしも変わる。ならば今のわたくしがありのままってことよ」
カイザルの眼が見開かれる。
「絶対召喚…、転生者っ!」
生前の価値観が蘇る。
夢の世界に帰った幼子は命ではない。戸籍がないうちは実在しない。良い夢を見ただけ。
同時に狂気が嘆く。
(納得できない。命は在った。無事に育っていた。あと数日で…、それを
あ の ク ズ が )
記憶が連想ゲームを始める。
生々しい映像。音声。臭い。娘の死は現実。囚われる。
己の驕りを思い知らされる。
(間に合ったはずだ。話が違う。身重を馬に乗せただと。顔色が悪い。休ませねば。娘もかえせ。髪色? オレと違う、それがどうした。…ゆめの子。ゆめの子に墓はない。だが、間に合ったはずだ。話が違)
脆い魔核は制御を失ったものの四散だけは免れた。健康な魔核に憑依していたからだ。
弟の三位一体に守られ、かろうじて形を保つも、呪物としての性が理性を喰らう。
やり場ない憤怒。死してなおくすぶる呪怨。高まるそれらを、カイザルは慣れた言動へすり替えた。掠れ、裏返る声なき哄笑。
「…は、はは…っ! そうだ。ゆめの子は現実にいる。やはり生まれ変わっていた。オレはとうとう取り戻せた…!」
意思ある呪物は衝動に身を任せた。無防備な灰色の魔力を奪い、操る。
「とうさまに全て任せろ。もう互いを人質になどさせねぇ。盗ませねぇ…二度と失ってたまるか…誰にも暴けねぇ安全な宝物庫を用意しねぇとなぁ…ついでに新世界をまるごと水洗いだ…自国の幼体を贄に命乞いしやがるクズどもはいらねぇ。全て海に沈めてやるぁ…」
魅了眼がギラギラと輝く。
渇望すれど自由は得られず、悍ましい環境に囚われ、ままならない。
ならば己の家族、弟妹が自由であるために強くなると決めた男が、それを成し遂げた男が、唾棄してきたはずの歪な箱と鎖でもって双子を拘束しようとした。
しかし。
「おせっかい。いらないわ。
安全な館ならもうあるじゃない」
リンは弟の身体から灰色の魔力を吸いあげた。
魔力を共有する特殊体質は、弟の忠誠を反映している。主導権は常に姉にある。
いきなり枯渇一歩手前まで抜かれ、カイザルはたちまちソファに崩れ落ちた。
「!? …、…!?」
破壊神の暴走をこともなげに無力化した最恐女帝は、我に返った少年を力強く諭しはじめた。
「気に食わないわよね。けど、ひとりでやらなくてよいのよ、とうさま。
だって、スペルモルが動いたのだもの。新世界の安全はもう決まっているわ。幼体らのゆくすえもね。
だから兄上も、肩の力を抜いて遊べばよろしいのよ」
女帝は女帝。強いられない。子猫チャンらしくしなやかに当然と自由を貫く。
堂々たる少女の姿に、在りし日に夢見た理想像が重なる。
こうなりたかった。…なれなかった。
湧き上がる無力感と憧憬。思考が止まる。
「ところで、本題だけど。
考えてみると言ったからには考えたわ、とうさまって呼べるかどうか。普通に呼べたわね。
兄上だって好きに呼んでいることだし、だったらわたくしも好きに呼ぶことにする。『文句ないわよね、カイザル』!」
呆然と眺め、カイザルはふと気づいた。
(同じだ。イタズラが成功したときに見せる表情。カサンドラの啖呵を真似たがる癖も。
だが、この笑顔は妹のそれだ。
それは、つまり…まさかどちらも担う気なのか?
その上で「遊べばいい」と言ったのか? このオレに? それでいいのか? 良さそうだな??
そりゃ…いいぞ? お前たちが望むなら、何だろうとやり遂げよう。遊べというなら…
…は?????)
宝を凝視する。
してやったり顔だ。
心はいまだ血を噴いているが、謎の安堵が胸に宿るのを感じた。
カイザルは唇を吊り上げてみた。いったん苦笑してみると「…ははっ」と声がもれ、そのまま自然と高笑いがこみあげてきた。
リンの悪戯過剰っぷりに、己の遺伝子をかいま見たのだ。
そうなれば、ぐちゃぐちゃの感情を受け入れるしかない。
俯瞰して鑑みれば因果応報。転じて、自業自得。
もはや笑うしかないカイザルは、目に涙を浮かべて素直に笑い転げた。
喉に悪そうな高笑いは、アンナのいる厨房にもしっかり届いた。
「ちょ、またぁ! カイザルさん、スペルモル変声期なんだってば!」
玄関ホールに駆けこんだアンナが目にしたのは、ゲラゲラ笑いながら床に崩れ落ちる少年と、ドヤ顔で勝利の美味を食む少女。
アンナは立ち止まり、遠目に眺めた。
「なんだか。なにかがあったんだろうなとは。多分。
んでもって、恐らく今のあたしは場違い。な気がする。出る幕ないなら引っ込まねば。
だってアンナちゃんはヒロインだからね。見る者を笑顔にしちゃう系の招福人だからね。空気を読むよぉ」
見る人を混乱させて悩みを二の次にさせちゃう系の厄払女神は訳知り顔をした。
「これにて、めでたし、めでたし。知らんけど」
そして、適当に幕を引いて去っていった。
ご機嫌でクッキーをほおばる破魔女帝を眺め、笑い疲れたカイザルはぼんやりと考えた。
(カサンドラに教えてやりてぇなぁ…後悔してばかりだ。何ひとつうまくやれねぇ人生だった。
オレのよかれは独りよがりなおせっかい。生前のオレは、完璧を偽るために何をどれだけ壊して歪めちまったんだろうな…?)
◆
ふいに虹色が光量を増した。どことなく部屋の存在感が薄れている。
スペルモルの憑依で得られた、かけがえのない時間を思い返していたカイザルは、ぱちりとひとつ瞬きをして意識を切り替えた。
隣にレルムが直立している。
前方にいるアウローラの姿勢も変わらない。
周囲は相変わらず静かで、誰の姿もみえない。
さほど時間はたっていないと判断したカイザルは、もう少しだけ物思いにふけることを自分に許した。
(どう生きればマシになったやら。だが他の生き方など…手持ちのカードで最善を尽くしたとしか言えん。
オレの良かれは裏目に出る。それを思い知ったから、ドーラにさらけだす覚悟を決められた。ああもブザマな生涯をな…)
宝冠に意識を寄せる。妻の感情が押し寄せてくる。
嘆きはあまりにも悲痛、今すぐ身を千に引きちぎって詫びたい衝動にかられるも、命を燃やすような切実な恋心を同時に感じては、それもままならず。
カイザルは妻の想いを余さず味わうことで贖罪に努める。
宝冠からは、地続きと思しき知らない世界観も感じる。
(同じ世界線だ。…かなり先の未来で生まれ変わっている。
環境は平穏、両親は善良、恐らく魂も白紙に戻っているだろう。
…良い事だ。死者の国で無駄にオレを待つよりも)
ふと誘惑がよぎる。
(仮に、オレを忘れていないドーラがいたとしたら)
動揺したカイザルの視線がさまよう。
レルムに目を留めた。
彼はひたすら己の妻だけを見つめている。
カイザルは拍子抜けした。
同時に、娘弟妹の顔が脳裏をよぎる。こころが心地よく凪いだ。
(スペルモルのリストをこなさねば。リンもまだオレで遊びたいとみえる。
そもそも治療中だ。どうにも会わせる顔がねぇな、今のオレでは。
だが…それでも。…いや)
「レルム」
唸るようにささやけば、視線だけがこちらを向いた。
「例えば、レディ・アウローラがお前から…あー懸想をだな、されていないと思い込んでい」
「分からせます」
かぶせてきた。完全に意表をつかれカイザルは絶句した。
レルムの視線はまた妻へ戻った。
「分からせます。
おれがやりやすい形では愛が伝わらなかったなら、アウローラに刺さる愛情表現を探して、試して、必ず分からせます」
身分差という絶対に叶わぬ恋を異世界転移で実らせた男に、繊細な迷いなどあるはずがなかった。
そう思い至るも時すでに遅し、聞く相手を間違えたとも言い出せず、なんとか「なるほど」と返事を絞り出す。
「どうしました? まるで堂々巡りにハマったような声音ですが?」
「オレとて、…いや。性に合わん。活かせない後悔なんぞやはりクソだ。オレにはすべきことがある。
気にするな。ただの雑談だ」
レルムがチラリとカイザルを横目に見て、今はじめて気づいたような口調で呟いた。
「神聖王国時代の正帽は宝冠ですか。おれが知る王妃用と同デザインで驚きました。
似合いますね」
カイザルはしょっぱい顔になりかけ、慌てて口もとを引き締める。
「本音では身につけるの好まない、とかですか? なら、外しても」
「絶対に外さない」
ツンギレ野郎は強固に言い張った。
「なにがなんでも外さねぇ。これだけは、死んでも、生まれ変わっても、オレだけの物だ…っ!」
レルムは目をみはり、すぐに柔らかく微笑んだ。
「よくわかりませんが…今、はじめてカイザルさんに親しみがわきました。
まだ戦後処理があります。ともに乗り越えましょう」
穏やかに励まされ、気付く。
(オトボケ玩具とイロボケ軍人、男装執事に悪戯娘。
お守り役は、オレとスペルモルだけ…か…)
どっと押し寄せる憂鬱と疲労、同時に、ほんのわずかだが瑞々しい活力が湧いた。
困惑をいっさい表にだすことなく、カイザルは重々しく頷いて同意を示した。
(それでいい。餓鬼どもは好きに生きろ。大人がなんとかしてやればすむ話だ。
…?)
いつも通り勝手に皆の命を背負い込んだカイザルは、ふとその事に初めて気づく。
(理想郷での立場は「囚人」だ。危険物らしく身の程を弁えているつもりだったが…結局はこうしてしゃしゃり出ている。
もしや…なんとかしてやろうとするのすら「厄介なおせっかい」か?
オレはアイツらの面倒を見ようとする前に、そもそもオレ自身の在り方ってもんを模索する必要があるんじゃないのか…?)
カイザルは死者だ。存在がもつ固有の時間が凪いでいるため、本来は考えを変えられない。
ただし今は活きる死者だ。魔力の回復はできないが、機械人種が身体をはって生命維持装置を担っているため、生者のように思考が出来る。
カイザルは呪物だ。歪んだ執着で存在しているため、本来であれば我欲や衝動を抑えることができない。
ただし既に浄化されている。長い時の流れと女神たちの幸福が、彼の害意を薄めた。
「信じて見守る」という選択肢があることを彼に気付かせた。
呪物モドキへ変異しかけており「消滅できない悪霊」状態だが、今は治療が功を奏して、悪感情への依存を脱しはじめている。
欠損した魔核は宝冠に支えられ、さらに師匠からの激励を受け入れられたことで、金継ぎそのものが補強された。
それにより、「生きた環境が違っていたなら」、「違う選択をしていたなら」、そうしたありえない仮定をありったけ重ねたIF世界のどこかには「いてくれないかな」といった、とてもご都合よろしい「カイザル」が爆誕していた。
(オレは自分を知らない。人生終わってから気づくとはな。
とうに評価が定まった身だ。打ち切られようが物語はこれからも続く。
冒険ははじまったばかり…完結してから次回のオレにご期待ください、だな?
そりゃな。「献身を貪れて自分だけ満足、そのせいで家族が地獄に墜ちても変わる気はない、面倒だからこのまま死に逃げる」が通じてたまるか。
やってみせる。が。…はぁ…少し休憩してぇなぁ…)
「ゆめの子は現実にいる」…「6歳未満は人間ではない(社会的に存在していない)」とするのが当時の常識。
「七歳までは神の子」や、刑法において胎児が人間と認められないあの理屈の拡大解釈。懲罰はなく、報復の正当性が社会から認められない。
惜しむ言動すら「病的」「異常」と忌避される時代。
そのため「せっかく産んであげた〜台無しにして」は、時代背景として当時の者ならば絶対に発言できない(ドーラ妃を話でしか知らないスペルモルがなりすましと判定した根拠)。
ちなみにカイザルは当時の価値観において「狂人」。自身も当時の常識(存在しない)に染まりきっているため、異常思想をギリギリまで隠した。壊れきってからは隠せなくなっていた。
※第一子に関しては常にステータス「錯乱」状態なので、後に未来の知識や常識を知ってからも、「知ったとて理解できていなかった」。
カイザル(享年86)「苦痛には慣れてる」はずが、知らないタイプの苦痛と想定外の展開に揉まれ、生まれて初めて疲れを自覚しつつある(治療効果)。
「リンを今度こそ守るし、スペルモルのおねだりは全て叶える。宝冠はオレだけのものだし、もし来世でまたカサンドラに会えたなら。今度こそ応えてみせる。
…ぃしていると信じさせるためなら手段選ばねぇドーラ好みの…ぃ情表現とやらでもってとことん分からせてやるぁ…っ!」※生粋のツァウヴァーン男かつ魔王。
レルム(19)「あの装身具、奥さんとの想い出の品っぽいな。やっと打ち解ける糸口が見えた気がする」
宝冠…カサンドラ妃の魔核のかけら。装着すると、生前に封じた彼女の感情を思い知る羽目になる。
ちな贈った本人はデバフアイテムだとは気付いていない。
「わたくしの恋心が役に立ったなら良かった。救ってくれる仲間がいるなら、わたくしは自身の身の振り方を考えなくては。
カイザルへの恋は頑張って諦めて、来世こそ意思疎通できる殿方と一対一の夫婦になりたいわね」※フラグ




