20 師匠、呆然〜あかたんから一瞬目を離した結果〜
※人によっては不快を感じるだろう「未熟な技術」についての表現が含まれます。侮辱などの意図はなく、3章の伏線に繋がるため削りません。
エロム(19)残念だけど誤字じゃない。閃きを司るペガサスらしく勘が鋭い。アウローラ大好き!
バブローラ(19)誤字じゃない。「にじかみ」のひとり。他の「にじかみ」から赤たん扱いされている。不本意だが未熟という自覚があるため甘んじている。レルム大好き!
ヒュプシュ(17)古代人。色んな意味であけっぴろげ。戸締りだけはきっちり。最近は一日中眠い。自室にいるとすぐ寝ちゃう。ヴィルヘルミナをミナ姉さまと呼ぶ。
アウローラの師匠(??????)…にじかみ。色んな意味で上位存在。同族のあかたんから癒しを得て同時進行でお仕事を頑張っている。
時間は前日の朝へ巻き戻る。
レルムとアウローラに代わって美貌の執事アナンが初出陣だ。癒しを求めて玩具を抱っこした彼は、サングラスがやたら似合うヴィランさながらの3兄双子に囲まれて、異界へ出勤していった。
送り出したモザイク夫婦 (モザイクなし)は、しばらくその場に立ったまま物思いにふけった。レルムの口がボソッとすべる。
「まるで世界征服しに行くかのような絵面だったんだが」
「ぇえ!? …ええと、そう…そうね。先住民を倒して異界を管理下に置きたいわけだから…そうとも言う…わよね」
女神側の認識は「危険物の処理」だが、モドキからすれば「侵略行為」。そうと気付いた考えすぎ淑女の脳内とっちらかりがまた盛大に深まった。
「実行部隊を送り出した今の私は黒幕ね。悪の親玉かも。でも、こちらとしても森の安全は絶対に必要で…けれど、もしかして他のやり方が…いえ、…あ、でも…、ううん…」
レルムは慌てて妻をなだめた。
「ごめん、言葉をミスった。
アウローラ、これは国家安全保障だ。敵は人じゃない。女神の民とも違う。そもそも生きていないってアレイン閣下が言っていただろ?
おれもそう思う。だって対峙しても手ごた…、命のやり取りっぽくないんだ。ホントに掃除感覚。あいつらの印象、害虫ですらなくて、雑草…でもないな、…疫病…?
? うーん。とにかく。別枠で考えよう。無理なら棚上げしよう。な?」
「ええと…そうするわ。そうよね。せっかくのお休みだもの。今日なんて双子の気まぐれ来訪もないわけで…、あら。そうすると」
レルムも気付いて目を見張った。
「珍しい。本当のふたりきり、だな」
夫婦は見つめ合った。一瞬ふたりの世界に入りかけたものの、ヒュプシュのきょとんとした視線を感じて速やかに微笑みでごまかした。
ヒュプシュは天使なのでごまかされてくれた。ニコニコーッと笑い返してくれた。やはり天使。守らねば、と夫婦は気持ちを新たにした。
友人夫婦が隙あらば全年齢から逸脱しようとする肉食夫婦だということを、天使はちゃんと知っている。無垢な笑顔でカラッと告げた。
「帰ってくるの夕方だよね。アンナがいない間はお仕事しない約束なの。だからあたし、お迎えの時間まで、ずっとお部屋で遊ぶつもりだよ。お昼寝もするかも。
ミナ姉さまもルーティンあるから3階には誰も行かないよ。
いっぱいいちゃつけるね! 楽しんで!」
ムーンライトな肉食夫婦といえど羞恥心はある。アウローラはあからさまに動揺し、レルムは「ありがとうございます。ご期待に応えます」と敬礼をかました。
身体の向きこそ正しいが、顔の向きはおかしかった。妻の顔を凝視している。レルムは妻の恥じらい顔も大好物だ。がっつり堪能するし、されたアウローラが「厨房に用事が…」と、そそくさと逃げる後ろ姿も堪能する。
「じゃあ夕方に会おうねー! 楽しんでー!」と無邪気に追い打ちをかけながらヒュプシュも去り、エロムはるんるんで妻の後を追った。
愛らしく恥じらったところで根が肉食なのは変わらない。小箱を携えたアウローラは、夫に抱っこされ愛の巣に戻ると、さっそくモグモグした。
レルムはエロムなのでもちろんモグモグしかえした。
たくさんモグモグ休んでも、ふたりきりの時間はまだたっぷりある。
十分に満たされた若い夫婦は、例え老いても変わらず楽しめる全年齢の遊びへ移行した。
ソファに対面して座り直す。紙と鉛筆をそれぞれ持ち、第7回お絵描き対決ごっこが開催された。
武闘派の夫と知識人の妻は自他とも認める画伯だ。絵の実力が均衡している。上手く描けないと開き直った上で「じゃあ当てっこしよう」とはじめたところハマった。毎回、白熱する。
レルムは目をつむり、アウローラの掛け声でじゃんけん。
最推しの煌めくチュー待ち顔に照れるアウローラが負け、最初のお題を決める権利はレルムに渡った。
「せーの」で砂時計をひっくり返し、いざ対決。
「はい、終了。お題、遊ぶ軍用犬。いい? いくよ?」
「「せーの」」
同時にオープンした夫婦は、一目みてすぐさま膝に伏した。静かに爆笑。いつもの癖で声を抑えてしまう。双子の目がないので、いくらでも騒げるのだが。
「犬、犬なら…っ、見慣れてたから…っ描けると思ったんだが…っ?!」
「わ、私もっ、そうよ、なのに、私たち、何故こうなるのかしら…?! これじゃあ、まるきり…!」
「「女神の民、進化の瞬間」」
ふたりは同時にふきだした。
よりにもよって動物、しかも感情をもたせるという難易度の高い題材を選んだことで自由度が増したのだ。たくさんの謎生物が両手両足を広げて乱舞する瞬間を捉えたような絵が2枚、完成していた。
己の作品を解説するのもお約束。ふたりは必死に呼吸を整えた。
「…わ、私から、いくわね…っ!」
「待って、まだ待って、あ、ちょ、おれ分かった、当てていい? これフリスビー、デカい軍用犬が噛みついてる」
「あははっ! そうよ、フリスビーなの! 丁寧に描いたかいがあった! けど軍用犬は周囲にいる子たちよ!
これ自画像よ。フリスビーはまだ私が投げてないだけ」
「奇遇だな! おれもアウローラ描いた。これ。14歳アウローラ。軍用犬の腹を捏ねてるところ。ドレスを頑張ったから見てくれ」
「あら…本当! よくみたらデビュタントドレスの柄だわ? 凄いわ、レルム。覚えてるなんて、…あっ。これ公爵家の家紋よね?!
…あれ?! レルムが上手いわ?!」
レルムはドヤ顔をした。
「絵のコツ掴めたかも。おれ模様ならイケる。思い出しながら描くのちょっと楽しかった。でも時間切れで、顔がなぁ…アウローラの笑顔が違うんだよ。悔しいな。
よし、次いこう。模様もっと描きたい。アウローラの番、お題なににする?」
「じゃあ…りんご!」
「何でだ?! 今おれ模様が描きたいって言ったが?!」
「ふふっ私は物が描きたいの。静物画ならきっとレルムに勝てる!」
「ほーぅ…おれに勝負を挑んだな? よーし、受けて立つ。じゃあ負けを認めたほうは勝者にキス贈呈。勝者は今夜好き放題が許される」
普段から好き放題しているようでそうでもない男が仕掛けた。
肉食悪女的に大歓迎だったので、もちろんふたつ返事。
「望むところです! せーの、はい」
アウローラはさっと砂時計をひっくり返した。
油断していたレルムは焦った。
「ちょ、いきなりっ、…そうくるか!」
対決いうてもしょせんごっこ。夫婦は大人気なくじゃれあった。
最初は対面していたはずが、気付けば隣同士に座ってひっつきながらのお絵描き。
合間に目が合えばキスし、気分転換がてら頬やら髪やらにキスし、一戦ごとに「じゃあ儀仗服を着て欲しい!」「髪おろして」「一曲どうぞ」「ハグ。頭を」「デッサンが上達の鍵って聞いたことあるわ。かわいい仕草してみてちょうだい。あはは! かわいい!」「おれもデッサンするか。全力の雄々しいポーズ頼む。っはは! かぁわいぃ…」などと茶化しあう。
ひとしきり「夫婦のお遊び」をゲラゲラ笑って楽しんだふたりは、いったん休憩を挟んで水分補給をした。
「そうだ、レルム。おやつどうかしら。昨日、アンナから教わって作ってみたの」
アウローラは厨房から持ってきた小箱を開けた。
「両端がショコラの…ビスコッティ? 随分と長いね。手が込んでるなぁ」
「ええ。これは私たちの分」
「…一本しかないが?」
アウローラはニコーッと笑った。作り笑いだが、淑女のそれではなく「企んでいるぞー!」と主張する満面の笑みだ。
「ビスコッティ・ゲームなんですって。
両端から同時に食べていって、真ん中のチョコがかかってない部分に、先に辿り着いた方が勝ち」
レルムはニヤリと嗤った。
普段はニッと楽しげに笑う(もしくは爽やかな笑みの)男であろうとそれなりに違う顔を色々もっていたりする。ひたむきに愛を捧げる妻にだけ、最近はそうした色々を素直に見せるようになっていた。
「…なるほど? いいよ。やろうか」
ソファに座ったまますばやく妻を横抱きにした。アウローラがきょとんとしている間に菓子の端を咥える。片側の歯で軽く噛んで、レルムは「ん」と顔を寄せた。ニヤリと狡猾な笑みに軽く威圧をのせ、視線で妻を煽る。菓子の太さが葉巻きタバコそっくりなせいで、なかなかに絵面の治安が悪い。
ぽんこつアウローラはぽんこつなので、現役軍人の威圧は効かない。むしろ「珍しい顔きたぁっ」と大歓喜する。
柄の悪さを演じるのは、悪女の嗜好を完全に理解した尽くし夫の新たな手札だった。SっぽさのSはサービスのS。品行方正な護衛官が板についていようとレルムはレルム。妻を喜ばすためなら相変わらず手段を選ばない。
「わぁい! いただきます!」
最推しのファンサに大喜びのチョロ妻は、すぐさま菓子にかぶりついた。
見つめ合って((せーの))と目配せする。チョロ妻には勝算があった。
(レルムが食べやすいようビスコッティは甘さ控えめ。でもナッツたっぷり。レルムだって食べるの時間かかるはず。
美味しいの一緒に食べながら至近距離でお顔が見放題。景色が良いと美味しさ増し増し。どさくさに紛れて食べ終わりにチューしちゃお!)
悪女の企みは底が浅かった。
無言の((せーの))で、はじまった固焼きクッキー食いつくし勝負は、当然レルムの勝利。
口の中に奥行きがある早食い男は、またたく間に己の取り分をガリガリ平らげた。
懸命に咀嚼するアウローラが(!?)と気付いた時には菓子を引っこ抜かれ、ガブッ!からのウッチューッ!と、されていた。
「美味かった。ごちそうさま。アウローラもお水、飲むだろ」
ニッコニコの勝者は容赦なかった。尊死した敗者の唇を菓子でつつき、「はい、モグモグ。できるよな…?」などと甘ったるい美声を優しく耳に吹き込み、トドメに水も提供した。口移しで。
悪女といえど乙女なのでトキメキが過ぎれば溶ける。
ノリノリの最推しからのイケイケなファンサに、悪女はいつもより多めにメロメロと溶けた。
絶好調のレルムはいったん妻の唇を清拭した。すぐさまチュッチュ。
イチャイチャの続きに入りかけ、しかし、ふいにピタッと動きを止めた。
耳がピンと警戒をしめす。
デレデレの甘い笑顔が目つき鋭い真顔に変わる。
レルムは軍人の顔で低く呟いた。
「…なんだ。この感じ。どこかで…」
「あ」
レルムがなにかしらを察知した瞬間、アウローラの虹眼にも変化があった。視界が虹色に染まる。
ふたりの魔核は、にじかみの大回廊に招待されていた。
床は鏡、天井も鏡。ただし不鮮明。流れる砂が壁であり、砂時計のように細まり広がり
落ちて昇って時間の誤差がふさわしく巡るよう微調整している。
少し離れた場所で、師匠がこちらを眺めていた。
アウローラは慌ててレルムに合図した。
「わ、レルム、師匠だわ。呼び出しなんて初めて。どうしたのかしら。挨拶するわ」
何も見えていないレルムは戸惑いながらも「アウローラが言うなら」と頷いた。一緒に立ちあがり、エスコートの姿勢をとる。
ふわもこ部屋着姿だったアウローラは、慌ててドレスを呼んだ。
家紋入りのクラシックドレス。虹髪は緩いアップスタイルに。
レルムには1枚布を着せ付けた。
最低限だが可能な限りの身だしなみを整え、美しいカーツェで挨拶をして、そこでふと気付く。
(師匠の雰囲気が。なんだか…困っている?)
ゆっくり歩み寄ってくる師匠には哀愁がただよっていた。
「可愛い子。我らの愛らしい夜明け。せっかく現世を楽しんでいるのに、声をかけてごめんね。少々伝えたいことが出来てね。
まず、さっきまで君が遊んでいたものが何なのか…わかるかな?」
(? 手作りビスコッティ。え。ダメだった? 食べ物で遊んだから? 食べきったのに? あ。…そうじゃなさそうね…?)
困ったアウローラはついレルムを見上げた。
レルムはアウローラしか見ていないため、目が合った。
ふたりして「「…?」」と見つめ合う。
師匠は穏やかに切り出した。
「君の仲間たちを把握するべきだった。
ああ、叱るつもりはないよ。君らはなにも悪くない。これは完全なる我らの不注意だ。ちょっと油断していた…というのは言い訳だな」
師匠は落ち込んでいた。儚さすら感じるほど反省していた。
「まずは…洗浄だね。傍にいる子も、ついでに」
そして、ふたりに謎の魔法?をかけた。
とたん、禊をしたような心地になる。
(!? 「画面」内の値に変化が…端数が繰り上がったわ?)
ステータスに潜む微少な凹凸がいっきに取り除かれ、アウローラは目を白黒させた。
レルムの肩がビクッと揺れた。彼は虹髪ではない。師匠や大回廊そのものを認知することができない。
唐突な洗浄の感覚に戸惑い「…?」と首を傾げている。
アウローラは夫の短い髪に手を伸ばし、ツンと触れた。
労られたと感じたレルムは、すぐさま切り替わった。アウローラを見下ろしてニッと微笑む。彼は、妻が無事なら細かいことは気にならない質だ。
(かわいい)
アウローラは夫にメロり、そんなバブローラに師匠はメロる。
虹髪基準ではアウローラは赤子だ。ご機嫌なあかたんに癒された師匠は語りだした。
「君の仲間に薬祖神の本質が濃い子がいるね? 彼も危ういが、価値を手放す気はないようだ。随分と派手に悪縁を絶ってみせた。
おかげで君の置かれた状況に気付くことができた。
君らが遊んだ…遭った存在はね、我らにじかみが管理する危険のひとつなんだ。
愛らしい君の手に届かぬよう整理は入念にしていたし、キッチリしまっておいたはずが…届いてしまったね?
まさか、あの位置を探り当てるとは…真理の五感を持つコはやはり鋭いね。もしや次元の破片を食べようとしたコかな? 「対話」の魔法…なるほど。その手があったか。
やはり完全に我々の失態だ。君が無事でよかった…本当に」
師匠の懺悔を聞くアウローラはしょっぱい顔になった。
(師匠が…好奇心旺盛な赤ちゃんのいたずらに、途方にくれる親みたいなこと言いだした…)
成人女性として言い返したいところだが、あいにく訴えたところで「そうだね。偉いね」でしかないとアウローラは知っている。
師匠は上位存在だ。彼らからすればノンバーバルに喃語を返されるようなもの。何を言おうが一律にほっこりされるだけなのだ。
バブローラがどれだけ不本意だろうと、今は師匠からの溺愛に甘んじるしかない。
(いつか絶対にこの赤ちゃん扱いから卒業してみせる。淑女の誇りにかけて…!)
アウローラは密かに決意を深めた。
師匠は語る。
同族の赤たんへのデレを隠すことなく、にじかみから見た今回の顛末を報せてくれた。
「君が「消滅の魔法」をマスターしたことは気づいたよ? 上手にできたね。偉いね。ただ…てっきり呪物で遊んでいると思い込んでいたんだ。
よりによって、座標調整系のコが覚醒するとは。派手に暴走をしたね…弱ったね…」
目を離した一瞬で偶然にピタゴラ装置が成立して、赤ちゃん部屋がエラいことになっていました、と、どうやら師匠は言いたいらしい。
(つまり。呪物モドキの召喚や、新世界が構築されたことは、師匠にとって予想外の出来事だったから困っているのね…?)
アウローラの動揺を察した師匠はすぐさま優しくフォローした。
「もちろん責めてなどいない。
見つけたらそりゃあ遊ぶだろう。君のところの破壊神はまだ幼い。怒れちゃっても仕方ないよ。
たくさん遊んで、たくさん散らかったから、ちゃんとお片付けをしたんだよね。偉いね。
ただ…モノがモノだからね。さぞ面倒だったろう。よく頑張ったね。
さて、どうしようね。コレ。
いや、大丈夫だよ。もちろん。我らでなんとかするからね。ただ…こうなると、はたしてどこまで手を出していいやら。
少しだけこのまま待っていておくれ、可愛い子」
(事の重大性はちっとも分からない。けど、師匠に迷惑をかけたことは分かったわ)
アウローラは静かに腹を括った。カーツェの姿勢をとり、相談せず勝手をしたことを謝罪した。そして速やかに現状を詳しく報告した。例の冗長さで。
師匠は辛抱強かった。優しい目で最後まで聞いてくれた。そして、さらりと告げた。
「うん。新世界を正しく把握できているね。
そのとおり。組み込まれたのはまた別の形で滅んだ界だ。幸いにも十分な矛盾が残った…うん、この新世界はまるで初心者向けキットのようだね」
師匠はぼそりと何かを呟いた。耳を澄ましたとたん「破滅した世界線を活用」「提案」「改訂」「審議」といったニュアンスがいっきに脳内に押し寄せ、くらりとめまいがする。
「おや…まだ覗くのは早いよ、可愛い子。おやめ、まだそちら側にいなさい」
虹色に優しく目隠しされると同時に、めまいがおさまる。
「可愛い子。君はまだこんなにも幼い。新世界を管理するには明らかに早すぎる。しかし既に君のものだ。そして小規模とはいえ君は神域投影を丁寧に支配できている。
だからこそ、私物を取り上げるのは違うという意見と、遊びたい盛りに面倒を担わせるのは酷だとい…、ふむ。意見がまとまった」
慈しむような口調で、師匠はアウローラに頷いてみせた。
「これもまた機会。にじかみの役割を学ぶチャンスと捉えよう。今回も楽しく学んでいこうね。
それはそれとして、怖かったろう。
これはお詫びだよ。どうぞ。あぁ、そこにいる子にもあげようね。はい、持てるかな? …うん大丈夫そうだね」
アウローラのフワモコ部屋着…ベビードール。アンナの所業により平民の一般的な部屋着だと信じており、自室だけだが堂々と愛用。夫は爽やか大歓迎。
なお、アンナとヒュプシュの部屋着はお揃いの芋ジャージ(ヒュプシュのは妊婦用ズボン)。背中に大きな刺繍入り。それぞれ「最強主人公」「天使降臨」。どっちがどっちの服かはお察し。
師匠からのお詫び…「君にはコレがいいよね」と、赤ちゃんせんべい感覚で渡したが、人間の感覚からするととんでもない物の可能性が濃厚。レルムはまだ受け取ったことに気が付いていない。




