5話なんとか試練は耐えた?
ご覧いただきありがとうございます!前回、イケメン王子四人に囲まれ、さらにその重すぎる「本音」まで一気に聞いてしまった主人公。第5話は、彼らの放つ最強のフェロモン攻撃(?)に、魔法を知らない天然令嬢がどう立ち向かうのか(あるいはスルーするのか)というお話です。ぜひ最後までクスッと楽しんでいってください!
四人の王子たちから放たれる、
おどろおどろしい本音(心の声)。
あまりの恐怖に、私は今すぐこの場
から全力疾走で逃げ出したかった。
――それから、15分……いや、20分
ほどが経過しただろうか。 体育館を満たす甘い香りは、衰えるどころかますます濃くなっていく。
「わぁ……もう何が何だか分からなくなってきたわ……っ。ほ、ほぼ女子は全滅になってるっ!?」
気がつけば、周囲の女子生徒たちは
全員、目をハートにしながらバタバタと床に倒れ伏していた。
(えっ……嘘でしょ? もしかして私
しか耐え切れてないの!? これ、そんなに強いフェロモンだったの!?
全然分からなかった……!) 実の
ところ、私は『フェロモン』という高尚な魔法を全く理解できていなかった。 ただ一言で言うならば、私にとって
これは――。(教室の後ろで誰かが香水でもぶちまけたのかな? くらいの、
ただの普通の匂いが飛んでるだけに
見えるんだけど……) そんな私の呑気な内心など知る由もない。 周囲が全滅していく生き地獄のような空間で、ただ一人だけ「うーん?」と小首を傾げながらピンピンしている私を見て、壇上の
王子様たちは完全に呆気に取られて
いた。「お、おいおい……ここまで耐えきった女子、初めて見たぜ! もっと
近くでフェロモンを放っても、ビクともしないのか!?」 静まり返った体育館に、一人の王子の興奮した声が響く。 名も知らないそのイケメン王子は、
なんと高さのある壇上を軽々と飛び
降り、私の方へと直進してきた。
――しかし、当の私はといえば。 気絶した周りの女子生徒たちの様子をオロオロと見ていたため、俺様感ありありの
イケメン王子がこちらに向かって猛ダッシュしてきていることに、全く気がついていなかった。
「お、おい、そこのお前!」
突如、すぐ目の前まで迫った影。 それと同時に、彼の荒々しく好戦的な
『本音』が脳内に直接ドカンと叩きつけられる。
(てめぇの底力を見せろ! 俺様の特級フェロモンに耐えたその秘密、暴いてやるからなぁッ!)
「……っ、ひゃいっ!?」 ズカズカと地響きを立てるような勢いで歩み寄ってくるイケメン王子に、私は心臓が飛び出るほどびっくりして、慌てて後ずさりをした。
「な、なんの御用ですか……?
もしかして、さっきのフェロモンタイム(?)は終わったんですか?」
私は引きつった笑みを浮かべながら、必死に頭をフル回転させる。
(な、何? 私、何か悪いことし
ちゃった!? ……あ、もしかして、
あの強烈な香水の匂いを最後まで耐え
きったから、それのご褒ベでもくれる
のかな? それならちょっと嬉しい
かも……!) 目の前の王子が、獲物を狙う肉食獣のようなギラついた目で自分を睨みつけているとも知らず、私は場違いな期待に胸を膨らませていた。
「はっ? 終わってねぇよ! 今から俺の全力のフェロモンを出すから、耐えてみせろッ!!」 王子のギラついた瞳が、さらに獰猛に輝く。
それと同時に、彼の胸の奥から湧き上がるような熱い『本音』が響いてきた。(俺に本気を出させるなんて、お前が初めてだぜ……! さぁ、これでも耐えてみせろッ!)
「ひ、ひゃいぃぃ……っ!」
(ひぃぃ、怖いよぉ! 心の声はめちゃくちゃ楽しんでるみたいだけど……だから、私には効かないんだってばぁ!) 次の瞬間、彼の全身から、先ほどとは
比べ物にならないほどの猛烈なフェロモンが噴き出した。 体育館の空気が物理的に歪むほどの精神圧。 普通の人なら一瞬で脳が溶けて狂い狂うほどの超高
濃度フェロモン。
――のはずなのに。 直撃を受けた私の感想は、ただ一つだった。
(う、うわぁ……。デパートの化粧品
売り場で、香水をいっぺんに十本くらいブチまけられたみたいに、めっちゃ匂いがキツい……ッ!!)
鼻をつまみたくなるほどの激臭(?)に耐える私。 しかし次の瞬間、信じられない異変が私の身に起こり――!? 果たして、彼女の身に一体何が起こっ
たのか。気になる続きは、第6話へ!
第5話までお読みいただき、本当にありがとうございました!四人の王子の最強フェロモンを「ちょっとキツめの香水」で片付けてしまう主人公、さすがのタフさです。しかしラスト、ついに彼女の身に謎の異変が……!?次回、第6話はいよいよタイトルにある【(物理)】が本格始動する大爽快な回になります!「続きが気になる!」「早く6話が読みたい!」と思ってくださった方は、ぜひページ下部にある【ブックマーク登録】や、評価の【☆☆☆☆☆】を★★★★★にして応援していただけると、次の話を一刻も早く書き上げる大きなエネルギーになります!




