入学式だけど思ったのと違う!
第3話を読んでくださりありがとうございます!入学式、穏やかに終わるかと思いきや……まさかの「試練」が始まってしまいました!しかも隣には、独占欲全開の王子様。「願いは1つとは限らない」この言葉、不穏すぎませんか?(笑)魔法を知らない主人公は、この暗闇の中で一体どうなってしまうのか。ぜひ楽しんで読んでください!
案内してくれた先生に連れられて、
私はようやく会場の大きな扉の前に
立った。
(すー、ふぅー……よし。遅刻は
しちゃったけど、こっそり入ればバレ
ないよね? これ以上、不幸なことが
続きませんように……っ!)
私は硬い鉄の扉をそっと開け、
中へと顔を覗かせた。
「……っ! みんなもう着席しちゃっ
てる! どうしよう、視線を低くして
行けばいけないかな?」
会場の中は、私の想像とはかけ離れて
いた。何あれ! 入学式だよね? 色んな物が宙を飛び回っている。なんなのこの
学校!?
そういえば、あのメガネ王子が言って
いた。ここは「魔法学園」だって。
でも、私そんなの知らなかったし! 助けを求めて先生に視線を送ると、目が
合った。良かった……と思っていたら、先生は私の姿を見たまま、あんぐりと
口を開けて固まってしまった。
(待って、私何か変!? 汗も拭いたし! もしかして、靴が汚れてるからかな?) 先生はハッと我に返ると、慌てて
咳払いをした。
「はっ……!! んんっ、君の席は一番前から二列目の後ろ側だ」
私は先生にぺこりとお辞儀をして、
急いで自分の席に向かった。
(よしっ、今のところ誰にも怒られて
ない! 視線を低くして……目立たない
ように、目立たないように……)
けれど、私が歩くたびにあちこちから突き刺さるような視線を感じる。
「ねぇ、あの子の制服……○○王子様の魔法がかかってるわよ」
「何あの子!? あのきらびやかな制服、可愛すぎるわ! もっと近くで見たい!」 周りからヒソヒソと声が聞こえる
けれど、今の私にはそれどころでは
なかった。
(何!? この視線、まるで注目が集まってるんだけど!? どこか変なのかな?) 居ても立ってもいられず、私は
逃げ込むように自分の席に座った。
はぁ、はぁ、と息を切らしながら
ふと横を見ると、そこには見たことの
ある男子がいた。
私は一瞬誰だか分からなかったけれど、彼はすぐに私に気づいて優しく
微笑んだ。
「やぁ。朝とは違って可愛い服を着て
いるじゃないか。
とても似合っているよ」
(……なんで朝と服が違うのかな。
まさか、他の男子に服を変えられ
たのか!?
俺だってこれより可愛い服を作れる
のに。……作ったヤツ、許せないな。
今すぐ引き裂いてやりたい)
「ひっ……!(また聞こえるよぉ……っ! しかもヤキモチを焼いてるみたいだけど、『許せない』って何!? どうしちゃうのよ!)」 私は頭の中に「?」を浮かべながらも、あまりの怖さと恥ずかしさに表情が百面相になっていた。
「ま、また、ぁえて嬉しいです。あの時は……ありがとうございまひたっ!」「…………っっ!」
……また盛大に噛んじゃった。
「……っ、そろそろ前を向いた方がいいよ。先生に気づかれる前に……ね」
(あぁ、また噛んでる所も可愛い。
……ああ、また君を膝に乗せたいな。
今度はそのまま、手の甲にキスをしたい。……いや、嫌がられるかな?)
「(嫌がるに決まってるでしょぉー!
誰か助けてぇー!)」
私は彼の過激な本音に悲鳴を上げかけたけれど、必死で声を抑えて前を
向いた。その時、教壇から地響きの
ような声が響き渡った。
「静粛に! 静かにしなさい!」
先生の鋭い声に、騒がしかった会場が
一瞬で静まり返る。
「新入生の皆さん、入学おめでう。
……だが、これから待ち受ける出来に、君たちは耐えられるかな? これは、
当学園からのちょっとした
『試練だ……!」
会場がざわつき始めた。
「試練って魔法でも使うの?」
「内容を誰も話せないほど、とんでもないことが起きるらしいよ……」 周りの不穏な会話に、私のドキドキは
止まらなかった。そんな私を見て、
隣の彼は楽しそうに囁く。
「ふふふ……大丈夫だよ。君は僕が守るからね。……その代わり、守った証には僕の願いを聞いてほしいな」
(……お願い、何にしようかな。
そうだ! 君に僕の名前を呼んで
もらおうかな。……ふふ、願いは一つ
とは限らないからね)
「ひぇっ……!」
(また心の声が聞こえるぅ! でも
名前を聞き忘れてたからラッキー……
かな? でも一つとは限らないって、
なんの願いが来るの!? ヒヤヒヤ
するぅー!)
一体、何が始まろうとしているの!? その瞬間、体育館の照明が一斉に消え、会場は完全な暗闇に包まれた。
第3話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!せっかく会場に辿り着いたのに、まさかの暗闇&試練スタート……!主人公の「校長先生の長い話じゃないの!?」というツッコミ、私も書きながら「だよね!」と思ってしまいました(笑)。そして隣の王子様、ついに「願いは一つとは限らない」なんて本音を漏らしちゃいましたね。暗闇の中、彼は一体どんな「お願い」を仕掛けてくるのでしょうか?「名前を呼ぶ」だけじゃ済まない予感がプンプンしますね……!
第4話では、この暗闇の中で一体何が起きるのか!?続きが気になったら、ぜひブックマークや評価、感想をいただけると嬉しいです。皆さんの応援が執筆のエネルギーになります!それでは、第4話でお会いしましょう!




