今日入学式なのに不幸すぎるよ!
初めまして、初投稿です!読んでいる皆さんがワクワク・ドキドキできるようなお話を目指しています。王子様の溶けるような甘い声や、危なっかしい彼女の様子を、どうか楽しんで読んでもらえたら嬉しいです!
「ええ!? 昨日ちゃんと時計セットしたのに、
鳴ってないじゃん!?」
枕元で沈黙している目覚まし時計を二度見する。
表示されている時間は……完全に出席不可避なデッドライン!
「やばいよぉ、入学式遅刻……!」
私はパジャマのまま、(ドバタドバタ!)と足音を響かせて部屋を飛び出した。けど、焦りすぎたのが
運の尽き。
「きゃああああ!」
——(ゴロゴロ!)
「……階段あるの、忘れてたぁ……」
「痛たたた……。派手にお尻ついちゃった」
じんじん痛むお尻をさすりながら、私は必死で
リビングへと駆け込んだ。
「おはよぉお母さん! なんで起こしてくれなかったの!?」
「だって〜。もう高校生なんだから、自分で起きなきゃダメでしょ〜?」
のんきなお母さんが用意してくれた朝ごはんを、
私はリスみたいに両頬いっぱいに詰め込んだ。
「あふらあわ!(やば、時間やばい!)」
「こら、飲み込んでから喋りなさい」
「ふふふ。あの子がこんなに元気に育ってくれて
……私は幸せ者ね、お父さん」
けれど、すぐにその表情を少しだけ曇らせる。
「……でも、あの子、少し心配なの。あなたと同じで、魔法を使えてしまうものだから」
そんな母の心配も知らず、私は全力で道を駆け抜け
ていた。
「なんでお母さん起こしてくれなかったんだ
よぉ〜!」
叫びながらも、新しい高校生活への期待に、顔の
ニヤニヤが止まらない。
でも、そんな幸せな気分も束の間だった。
「わぁ!? 鳥のフンが落ちてきたー!?」
反射的に横へ避ける。……が、そこにはなぜか縄が
置かれていて。
「きゃっ!?」
足を引っかけ、勢いよく転倒。あろうことか縄が体に絡まり、私は身動きが取れなくなってしまった。
「もう! 急いでるのに遅刻するし、鳥のフンは
降ってくるし、縄に絡まるし……どうなってるの私の 人生!」
イライラしながら縄を解こうとするけれど、焦れば
焦るほど余計に絡まっていく。
「ねぇ、君。大丈夫?」
頭上から降ってきたのは、とろけるような甘い声。
顔を上げると、そこには透き通るような肌をした、
とんでもないイケメンが立っていた。
「えと、あの、大丈夫です……っ」
やばい、かっこよすぎて声が小さくなっちゃう!
「大丈夫じゃないよね? そんなところにいたら服汚れちゃうから、ほら、こっちおいで」
(う、嘘でしょ!? )
「こんな可愛い子が僕と同じ高校なのかな」なんて
(独り言が漏れてるよイケメンくん!)
「えと、大丈夫です! しかも、あなたの膝に乗る
なんて……そんなの、あなたが汚れちゃいます!」
というか、こんなイケメンの膝の上なんて、私の
心臓がもたないよぉ〜!
「いいよ、俺は汚れても。君のためなら」
(……こんなに可愛いのに、俺の膝に乗るのを抵抗
してる。そこもまた、たまらなく可愛いな)
「ほんとに、膝に乗ってもいいんですか……?」
(もちろん。むしろ、君にこそ乗ってほしいんだ。
……少しこの体勢きついけど、焦らされるのも悪くない。乗っけた瞬間の喜びを想像すると、待ち遠しくて仕方ないよ)
「あ、ありがとうございます……っ」
そっと体重を預けると、ひゃあっ! 本当に
乗っちゃった!
私のこの心臓の音、彼に聞こえてないかな!?
「乗ってくれてありがとう。……じゃあ、縄を解いて あげるね」
彼はそっと手をかざし、静かに口を開いた。
「精霊の名のもとに、願いを叶えたまえ。
——この者の縄を、風で断て」
(バサバサッ!)と風が走り、私を縛っていた縄が
弾け飛ぶ。
「よし、切れたな」
(……ん? なんだろう、キョトンとしてる。そんな
顔も可愛いな)
「あ、ありがとうございます……!! ……あの、
それって魔法なんですか!? 私、初めて見ました!」
(嘘、魔法って本当にあるんだ! 魔法が使えるなら、私も……?)
「……? もしかして君、魔法のことを知らないの
かい?」
彼は少し不思議そうに首を傾げた。
「魔法には『覚醒』っていうのがあってね。心の中の殻を破ることで使えるようになるんだよ」
(おかしいな。普通は幼い時に魔法を制御する道具をはめるものなんだけど。彼女、一体何者
なんだろう?)
「魔法って素敵ですね! 私にも、いつか使えるようになりますか? 使ってみたいです!」
(どんな魔法があるのかな! 早く、私もあんな風に……!)
そんな私のキラキラした瞳を見つめながら、彼は心の中でこう呟いていた。
(……ああ。ダメだ。このままお姫様抱っこして、家に連れて帰りたいけど、この気持ちは知られては
いけない
第一話を読んでくださりありがとうございます!彼女の危なっかしい不幸が続きましたが、それを助けてくれる一人目の王子様……とろける声のイケメンは妄想できたでしょうか?かなりの独占欲強めキャラになっていますが、これからどんどんキュンキュンする展開を詰め込んでいく予定です!感想やブックマークなどいただけると、とても励みになります。第二話は「学校に着いたけど、今度は道がわからない!?」から始まります。お楽しみに!




