あの日の一球
悪夢は夜明けと共に覚めるのが必然。夜明けが来たのなら、目の前の悪夢が消え去るのもまた必然。俺たちは、俺たちが見る悪夢に終止符を打たなければならない。
「ちょこまかと、小バエ共は大人しく潰されていればいいものを……」
マニューテは残った左腕を天に翳すと、周辺に転がった金属の塊が渦を巻いて形を成していく。
「相手もこれで終わらせるつもりですね」
「どういうことだよ?」
アザミの呟きに俺は疑問を投げ掛ける。
「あれだけの強大な力をいつまでも使い続けられると思いますか?」
アザミは珍しく勿体ぶった言葉を選択する。
「思えないけど、さっきから力が落ちる気配がないだろ。だからチート野郎だと……」
「まあ、チートという言葉の意味はよくわかりませんが、もちろんそんなことは不可能です。どこかでオーバーフローを起こします。その証拠に、あの左脚を見てください」
俺はアザミに言われて、マニューテの左脚へと視線を巡らせる。そこには、まるで何かに耐えるように、ガタガタと震える左脚があった。
「磁力が薄れてる……」
「はい、だから敵もこちらに止めを刺しに来るでしょう。一番大きな攻撃には、一番大きな隙が出来ます。そこが、我々の最後の好機です」
アザミは一呼吸置いて、仕切り直すように言葉を続ける。
「そして、さっき言ったことは私やクロスも同じです。こちらもここで止めを刺しにいかなければ、そう長くは持ちません」
アザミの忠告が続く間にも、敵の左手から伸びる巨大な鈍色の腕は、これまでで最も巨大な物へと成長していた。
「こりゃ、本格的にヤバイな……」
俺はその大きさに息を飲む。しかもその周辺には、横に逸れた獲物を逃がさないというように、紛れ込んだ汎用型が何機か構えている。
「大丈夫です。私が何としてでも、アキトくんを一番上まで届けます。その後はアキトくん次第ですけど……」
恐い……。恐いけれど、掌の震えも止まらないけれど、それでも心の奥底が興奮し、浮かび上がってくる笑みが抑えられない。
「言ってくれるな……。女の子がそこまで言ってくれてるのに、男の俺が弱音吐く訳にはいかないよな」
覚悟はとっくの前に決まっている。俺が、この戦いを終わらせる覚悟は。
「行きますよ!!」
アザミがその合図と共に、凄まじい速度で廃ビルの壁を駆け上がり始めた。巨大な金属の腕は、俺たちを押し潰そうとこちらに倒れ掛かってくる。
「はああああああああああ!!」
これまでに感じたことのないほどの速度で景色が流れ、そして本当にこちらに向かって倒れくる巨大な掌の頂上へと達する。そして、アザミは抱えていた俺をマニューテのいる方角へと投げ飛ばした。
「行って下さい、アキトくん!!」
これまで聴いた中で、一番大きく色付いた声。それが俺に向けられている。バトンは受け取った。彼女の思いは俺が成し遂げてみせる。
巨大な掌はいくつもの廃ビルを押し潰しながら倒れていく。アザミの安否は気になるが、今はただ一点に集中しなければならない。
天高く舞い上がった俺は、重力に任せてマニューテの元へと速度を上げながら落下していく。
だが、奴がそんな簡単に俺を通すはずがない。腕の周囲を囲っていた汎用型が牙を向くように、照準をこちらに合わせる。
為す術のない俺が歯を喰い縛ってその光景を眺めていると、風になびく金の髪が俺の視界を通り過ぎる。そして、一閃の赤い閃光を放つと、俺へと銃口を向けていた汎用型たちが、瞬く間に首から上を失い爆発する。
さらに、その一閃では捕らえきれなかった汎用型の元にも、別の方向から次々と砲弾が襲い掛かり、周囲を覆っていた汎用型たちが一瞬で消え失せる。
「行け、イガラシ・アキト!!」
「頼んだぞ、アキト!!」
いけ好かない英国騎士と、今日に限っては頼りないレジスタンス隊長。いったいどれだけのバトンを受けとればいいのやら。いや、彼らだけではない。これまでに出会って、俺をここへ導いてくれた全ての者たちのバトンを俺は背負っている。だから、失敗は許されない。
「貴方たち雑魚がどれだけ集まったところで、私に敵うはずがない」
マニューテの左脚が力を失ったように膝が折れ、体勢を崩しながらこちらを仰ぎ見る。
「おい、いつもの表情が崩れてるぞ」
何があっても崩れなかった彼の嘲笑が、今だけは焦燥の裏に隠れていた。彼もまた、戦いの中で感情が宿り始めているのだろうか……。
「今度は、しっかり決めてやる」
この世界に来たあの日、きっと俺は大事な試合を投げ出してこの世界に来てしまったのだろう。
今目の前にあるのは、あの日俺のボールを待ち構えていたキャッチャーミット。今度こそ、俺の豪速球をあのミットの中へ……。
俺の掌に渦を巻くように、大砲のような大きさの深紅の弾丸が形成されていく。
「これで、ゲームセットだっ!!」
俺はマニューテに向けて、渾身の力を込めて巨大な深紅の弾丸を放った。
この世界で最も硬い砲弾は、凄まじい速度を伴いながらマニューテの元へ、あの日のミットの元へ……。
「私が負けることなど、あってはな……」
マニューテの叫び声を遮るように、マニューテへと到達した深紅の弾丸は、マニューテを粉々に砕きながら、凄まじい衝撃波を産み出して地面へと激突した。
これで全てが終わった、これで俺の役割は終わり。
まだ宙を浮かび上がっていた俺は、その衝撃波に襲われてバランスを崩し、これから自分の身に起こる結末を悟る。あれだけの高さから落ちれば、こうなることは解っていたはずだ。
廃ビルの向こうから差し込む太陽の光の暖かみに、俺は思わず涙を浮かべる。
「まあ、今なら死んでもいいや。俺のやるべきことは、これで終わったんだ」
「何を馬鹿なことを言っているんですか」
「なっ?」
その声の主の方を向こうとするよりも先に、俺は柔らかい腕の中へと、落下する勢いを往なしながら抱き止められる。
「お疲れ様です、アキトくん」
太陽の光に照らされて、その可憐で凛とした表情がいつもよりも綺麗に俺の瞳に映り込む。
「本当に、ありがとうございました」
いや、その美しさは太陽など関係なかった。だって……。
「なんだよ、ちゃんと笑えるじゃねえか」
俺は胸の奥底から込み上げて来た涙と共に襲い掛かる目眩に負けて、そのまま意識を失った。
-Side of Azami-
この感覚をなんと言葉に表せばいいのだろうか。
確定要素だけを数量化して、確率論で行動を決める自分達には決してできなかったことだろう。下手をすれば一パーセントにも満たない確率を、この少年はボロボロになりながらもやってのけたのだ。
不確定要素があまりにも多過ぎて、そもそも計算することすらも放棄するようなあの場面で、彼は計算など関係なく、自分の信念の赴くままにこの戦いに身を投じ、そして本当に敵を倒してみせた。
彼がやってのけたこの事実こそが、ヴィンセントが言っていた、彼から学ばなければならないものなのだろうか。
先程までの必死な彼はもういない。逆境において、これまででは考えられないほどの行動を起こした彼は、今は自らの胸の中で全てから解放されたように安らかに眠りに就いている。
胸の中で子供のように安らかで幼げな表情で眠る彼を見ていると、締め付けられるような痛みと、それを忘れさせるほどの暖かみが同時に胸を突く。
まるで自分のものでは無く、別の誰かが感じているモノを間違えて与えられてしまったような、これまでの自分には存在しない何かが突然に芽吹いた感覚。
いや、誰に言われるまでもなく、既にそれが何なのか、自分が一番理解している。
自分にはあるはずの無い、胸の中で眠る彼だけが持ち得る存在……。私と彼が、絶対に同じ世界に立つことができない境界線……。
「これが、心……!?」
-Side of Akito-
長い夢を見ていたようにも、一瞬の目覚めだったようにも感じられた。ただ確かなことは、この世界に来たことが夢ではなかったということ。夢だったらと思う自分と、夢でなくてよかったと思う自分とが、喧嘩するように心の中を掻き混ぜる。
ゆっくりと瞼を開くと、頭の下に枕のような、いやそれよりも柔らかく暖かい感触が伝わってくる。最近ではすっかり慣れ親しんでしまったこの感覚。
この優しい感覚に溺れたくて、俺は再び瞼を閉じようとして、あることに気付く。
「サラっ!!」
勢いよくその膝枕の主の方を振り向くと、そこにあったのはいつもとは違う顔で。
「おはようございます、アキトくん。体調の方はどうですか?」
そう、そこにいたのはサラではなくアザミだった。アザミが膝枕をしてくれるなんてこと、これまでにあっただろうか。
俺は慌てて飛び起きようとして、しかし脳の揺れに耐えきれずに、再び膝の中に落ちていく。
「落ち着いて下さい。まだ身体が疲労と血液不足で悲鳴を上げているのですから」
「いや、落ち着けってのが無理な相談だ。なんでアザミが俺に膝枕してくれてるんだよ」
まだ目眩は抜けきれていないものの、意識を失うほどのものではない。普段なら女の子に膝枕をしてもらえることは、はしゃいで喜びたいほど嬉しいものなのだが、相手がアザミとなれば裏に何かあるのではないかと勘繰ってしまいたくもなる。
「いえ、ただのご褒美ですよ。普段からサラに膝枕をねだっているので」
返ってきたのは思った以上に普通の理由だった。俺が勝手に、そんな習慣はないと決めつけていただけだったようだ。
「お前たちにも、ご褒美って習慣があるんだな」
「はい。普段の生活では禁止し、特別な場合にそれを与えることで、容易に脳が快楽物質を生成する、調教に優れた行為だと認識しています」
俺はその説明に思わず溜め息を吐いて項垂れる。
「確かにそうなのかもしれないけど、その説明で一気に有り難みが失せたよ」
俺は目眩の原因を多少和らげるために、ポケットから赤黒い粒を取り出して、口の中に入れて噛み砕く。
まあ、口ではあんなことを言っているが、きっと彼女なりの感謝の示し方だったのだろう。
そうこうしていると、背後から聖母のような優しく包容力のある声音が耳を撫でていく。
「アキト様!!」
そこには五体満足の綺麗な身体を携えた、俺が戦いに巻き込み、戦場に置き去りにしてしまった女性の姿があった。
「サラ!!」
俺は立ち上がり、走り寄ってくるサラの身体を抱き止める。こんな反応をしてくれるのは彼女だけだろう。俺の存命をこれだけ喜んでくれる誰かがいるだけでも、生き残った甲斐はある。
「どうしてすっかり元通りに?」
あれだけボロボロになっていたはずなのに、何故か既に綺麗になった身体で俺に抱き付いてきた。
「エヴァ様が直してくださいました」
そう言ってサラが振り返った先に視線を移すと、そこには桃髪ツインテールに地面を這うほどだらけきった白衣を羽織る幼女が、ポケットに手を突っ込んでこちらを見ながら立っていた。
俺は抱き付いていたサラを優しく離すと、ゆっくりと彼女の元へと歩み寄った。
「大変な一夜を過ごしたようじゃな」
こちらを労う気があるのかないのか、平坦な声音で語り掛ける。もしかすると少し怒ってすらいるのかもしれない。
「わしは何かあれば本部の方へ逃げてくるように言っておいたはずなのじゃが……?」
やはり怒っていた。エヴァだけではない、ここにいる全員に怒られたって仕方ないことを俺はやってしまったのだ。皆が命を賭してまで俺を護ろうとしてくれていたのに、俺は自らその戦場に脚を踏み入れたのだから。
「それは、その……」
言い訳の言葉もない。考える必要などない程に俺に非があるから。
「まあ、無事で何よりじゃ」
エヴァは安堵の溜め息と共に苦笑を漏らして、そう言った。俺は思わず俯いていた頭を上げて、彼女の優しげな笑みをジッと見つめる。
「本当に、無茶をしおるわ」
胸の奥から熱いものが込み上げて、瞼に焼けるような熱を感じる。
エヴァはゆっくりと歩みより、背伸びをしながら腕を伸ばして俺の肩に掌を乗せる。
「よく頑張ったの」
別に抑えていたつもりはなかったけれど、これまで出てこなかった涙が、歯を喰い縛って我慢しても、視界を揺るがすように瞳に溜まり、ダムが決壊するように溢れ落ちていく。
どうしてだろう。エヴァの言葉にはやはり他の者とは違う暖かみや優しさを感じる。その理由はわからないけれど、それでも彼女の言葉を聞いて、頬を伝って流れたこの涙こそがその証なのだろう。
エヴァは俺が落ち着くまで、黙って俺の隣にいてくれた。そして俺が落ち着いたのを確認すると、少し二人で歩こうと提案した。
「今回の戦闘の原因はもう解っているか?」
何となくは理解しているつもりだ。ただそれを他の誰かから言われなければ、納得することができないということを除けば。
「主の存在が、統一政府の上層部に露見しておる」
俺の沈黙を肯定と捉えたのか、それとも否定と捉えたのかはわからないが、俺が応えるよりも先にエヴァが言葉を続けた。
「今回の戦闘は間違いなく、主を狙ってのものじゃった。ただし、主の詳細については、歯車の者共には伝わっておらんかったようじゃが」
それはヴィンセントも言っていたことだ。統一政府が人間という存在を抹消しているということも。
「なあ、どうして俺が狙われるんだ?」
俺が狙われていることは分かったが、どうして狙われているかがよく分からない。
「そんなこと、考えるまでもなかろう。主が生身の人間じゃからじゃ。統一政府も主の能力を欲しがるじゃろうし、言うことを聞かないのであればモルモットにでもすればよい。ただそれだけのことじゃ」
エヴァはさらっと口にしたが、後半は相当に恐怖を煽る言葉だった。
「なら、どうして俺が人間だってことを、あいつらは知らなかったんだ?」
「これはあくまでもわしの想像でしかない。じゃが恐らく、統一政府は人間の存在を恐れている。主も戦いの中で感情が芽吹いていく姿を何度か見たのではないか」
そう言われて俺は口を開くことなく首を縦に振る。
「レジスタンスを組織した者たちは皆、人間をよく知る第一世代の者共じゃった。人間に影響を受けて、偽りの感情を手に入れた者たちは、統一政府を裏切り謀反を起こした。じゃから統一政府は、上層部の限られた者以外から、人間の記憶を抹消したのじゃ」
それが、マニューテが俺の存在を理解していなかった理由。一部の上層部の者たちの勝手で、多くの者の記憶を消すなど許されることではない。
「じゃから、これから先もまた同じような襲撃があると思っておかなければならん」
それはもう覚悟を決めている。今回の戦闘で、まだまだ自分が力不足なことを理解した。そして俺のことを、命を賭して護ってくれる者たちがいるということ。それが人間か機械かなんて、そんなことは些細な問題だった。
ならば戦うしかない。俺が護ろうとしているのは、掌には収まりきらない程に大きなものなのだろう。それでも護りたいというのなら、少しでも掌を大きくする努力をしなければならない。
「わしは主との約束を必ず護る。じゃからもう一度約束してくれ。わしは必ず主を元の世界へと送り届ける。じゃから、主は何としてでも、それまでの間生き残ってくれ」
「ああ、絶対に生き延びてやる!!」
俺は拳を力強く握りしめると、小指だけを突き出して彼女に向ける。どうやら指切りについては、彼女の頭の中には記されていないようで、少し苦い顔をしながら小指をジッと眺めていた。
「俺の世界の約束の証だ。小指と小指を絡めて……」
俺は彼女の右手を取って無理矢理小指を立てさせると、お互いの小指を絡め合う。
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。指切った」
そう言ってお互いの小指をスッと離す。為されるがままにされていたエヴァは、ようやく終わった指切りに苦笑しながらこんなことを言った。
「針千本も飲ますとは、何とも物騒な約束じゃの」
そんなエヴァの苦笑に、俺も笑顔を浮かべながら親指を突き立てて応える。
「だろ。だから、絶対に約束を守らなきゃならないんだよ」
「ならば、これからは能力の使い方をもう少し考えることじゃな。わしが駆けつけた時には、既に危険域に差し掛かっておったのじゃぞ。急いで駆け付けたから良かったものの」
それに関しては言い訳の余地もない。あの時は血液量がどれくらいかなんて考えている余裕はなかった。自分が出せる全力を出そうと、必死であの攻撃を放ったのだから。
「悪かったよ……。あれは軽率な行動だったと反省してる」
それでも、俺は生きているし、敵を倒すこともできた。だからエヴァもこれ以上俺を責める気は無いのだろう。
無い胸の前で腕を組んで、あからさまに呆れ返った溜め息を吐くと、含みのありそうな笑みを浮かべる。
「わかればいいのじゃ」
それから少し二人で歩くといつの間にかヴィンセントやクロスまでが集まって、俺を取り巻く『レジスタンス第三部隊』の仲間たちが集まっていた。
自分が護れたモノをこの眼に焼き付けて、自分がしたことに初めて罪悪感よりも誇りを持てるようになる。
不意にエヴァに背中を押されて、俺は一歩前に出る。
「主の大切な仲間たちだろ。さっさと行ってこい」
俺が振り返ってエヴァの顔を見ると、優しげな笑みを浮かべながら、顎で向こうへ行けとヴィンセントたちの方を指し示す。
俺は彼女に何か一言だけ残したくて、しかし何も思いつかなかった俺は、奇をてらうこともなく、素直な言葉を彼女に向けた。
「色々ありがとな」
不意に告げられた俺の素直な気持ちに、照れ隠しするように咳払いをすると、もう一度急かすように顎で向こうを指し示す。
「いいから、さっさと行かんか」
そんなエヴァに俺も笑みを漏らすと、手を挙げて彼女の言葉に応え彼女に背中を向ける。
そして俺は、お互いに命を賭して護り合った、大切な仲間たちの元へと笑顔で駆け寄っていった。
これからも苦労することはたくさんあるだろう。この世界の住人たちは、俺と同じ姿をした、俺とは似ても似つかないアンドロイドたち。
それでも彼らは彼らの意思を持ち、人間と同じように何かに抗いながら、今この時を必死に生きている。
そこに人間と機械の違いなんてないのかもしれない。そこにあるのは、構成元素の違いだけなのかもしれない。それは頭の良くない俺が解るようなことではない。
それでも、俺は戦いの中で彼ら彼女らが確かに、怒り、叫び、悲しみ、そして笑った姿を眼にしたのだ。ならば彼らが心を持ち、人間と同じように振る舞う時がいずれ来るのかもしれない。
そんな夢物語のような未来を夢見ながら、俺は元の世界に戻れるその日まで、戦い続けなければならないようだ。
俺が迷い込んだ機械だらけの異世界での生活は、どうやらまだ少しの間、続いていく。




