好感度調整は死と隣り合わせ
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なんだかんだ見てくださってる皆さん本当にありがとうございます。
え、私ですか?無い頭絞って出た一滴を頑張って広げて、これからも皆様にお届けしていきます。
「あ、あのっ...そ、そろそろ」
「あぁごめん撫ですぎだったか」
新緑アルラウネちゃんを撫でていたら流石に限界みたいなので手をどける...なぜか離れた手を物悲しそうに見つめているが、口では否定しつつもまだ足りなかったのだろう。
「まぁまたいつでも撫でるから、そんな物足りない目で見つめないでねー」
「ふぁるぶ!?」
サイコロの出目が終わってた時みたいな鳴き声だな...。
社会人になる前に進められた本に確かTRPGが主題の作品があったけど...あれは結局読まなかったんだよなぁ。どうせなら読んでおけばよかったかもと今更後悔、でもタイトルが若干地雷センサーに引っかかったんだよな...『因習村:ヤレキトモン』だったっけタイトル。
「友人的には面白いって話だったけど...タイトルとあらすじで読むのやめたのは失敗だったかなぁ?」
新緑ちゃんは千鳥足で自宅(V字の木の方のどこか)に帰っていった。
田んぼは完成したし、保存しておいた玄米を発芽もさせてくれたので、等間隔で植えつつ今後のことを考える。
予定が未定であれだが、明日になれば謎の能力取得が発生するからその辺の調査。
あと気合い入れて練習したのに出番がほぼなかった「魔弾」を自衛手段として安定させるための練習。
「うーん、生きていく最低限が安定したからやることが漠然としてきた...」
いや普通なら人里に行くとかね?って思ったけど古龍さんの話的にオークとかゴブリン狩ったり狩られたりしてる、ファンタジーで王道の冒険者的な集団があるらしいし。っていうか古龍さん呪ったのがその辺の組織だったりしたら面倒ごとに巻き込まれそうだし。
「触らぬ神に...いや他人に祟りなしってな」
暇なときは手持無沙汰にSFチックなステータスウィンドウで取れる能力一覧流し見してるんだけど、呪いとか祟りとかそっち系もそこそこ種類在ったんだよなぁ...明らかに対人想定みたいな能力とか。
「やろうと思えば人里滅ぼしたりとかもできるんだろうなこれ...」
触らぬ神どころかこの世界の案内もしてもらってないから見たことも話したこともないけど、何となく自分の立ち位置が不安定なのは理解して来た。
これあれだろ、水面に落ちた黒い一滴のインク的な...勇者も魔王も選べますよ?的な。
「んー…弱ってた古龍さんを倒して人里を目指したらルート分岐かな?」
そんな激やば分岐地点の長こと古龍さんを回復させてる問題児がいるらしいですよ?
世界の均衡を崩しかねない特大のアホだな...さっき田んぼに水張ったときに見かけた気がするが自分しか映ってなかったので気のせいだろう。
まぁ世界の均衡も何もこの森しか知らんのだがね、後の知識は全て聞きかじった知識だ。
「あ、そうだどうでもいい事頼もうと思ってたんだ」
――――――――――
小ルラウネと呼ばれ慣れてきてしまった自分を恨めしく思いながら、川沿いを特に意味もなく歩いていた。
(いい加減なぁ...名前つけてほしいなぁ)
小ルラウネ、アルラウネの里に現れた人間が竜を頭に乗せていた時、この里は滅びるんだぁ…と半ばあきらめていたあの時からなんとなく、運命というか...何かが変わったような気がしていた。
でもそれはそれとして種族名と自分が小柄であるという点で付けられた固有名詞はもう少しなんというか、名前っぽくしてほしいというか...ぶっちゃけ自分より先に「なーちゃん」とか呼ばれてるあのアルラウネの花びらを毟りたいという感情が定期的に湧き上がってくるので、いい加減自分も名前が欲しいのである。
(あの人に名付けてもらえたら嬉しい...気がする)
結局のところ名前なんで必要ない、だっていつ死ぬかもわからないし。
でも今は前に比べて格段に安全な生活をしている...欲も湧いてくるというものだ。
「おーい小ルラウネいるかー?」
(!?!?!!?)
結局いつか川の向こう側で死を待つだけだった自分を、一つの「個」として認識してくれた人だから...なのかもしれない。そんなことを考えながら呼ばれた方へと自然に向かってしまう自分は大概都合のいい存在な気がしてきた。
「な、なに?」
「あ、なんか忙しかったか?」
「いや別に...ちょっと考え事してただけだから」
「それは邪魔して悪いな..いや実は頼みたいことがあって、木材の加工に強い奴っているかな?」
(…でもやっぱり)
頼られるのは好きなのだ。
主人公視点だけ書くといつも短いかなぁって思ってる。
他のキャラの視点を書くと長くなって勿体ないかな?ってなる。




