同業者として
改修作業の結果からいえば、炎上そのものは一か月もしないうちに収まり、その頃にはゲーム自体がすでに過去のものになっていた。
だから、半年かけた改修にどれほどの意味があったのかと聞かれれば、正直なところよくわからない。
失った評判が劇的に戻ったわけでもない。
売上が跳ね上がったわけでもない。
ただ、改修後にひとつ、こんなレビューがついた。
『レトロゲー特有の歯ごたえを残しながらも、ちゃんと遊べるゲームになっていた』
それだけだった。
本当に、ほんの少しの反応だった。
でも——私にも阿久津にも、それは十分すぎるほど嬉しかった。
◇
そして、また同じ季節が巡ってきた頃。
「先輩、また新しいゲーム作ったんすけど」
「ああ。あのクソゲーの話か」
「まだ遊んでもないのにクソゲー判定!?」
知っている。
あれから、私はこいつのサークルを時々チェックするようになっていた。
そして先日。
新作が一本、リリースされていた。
弾幕シューティングだった。
……なぜ?
半年間、あれだけRPGを一緒に直したというのに。
なぜ、そのノウハウを活かせるジャンルではなく、いきなり弾幕シューティングへ行った?
そう思いながらも、私はゲームへ手を伸ばした。
そして——後悔した。
「阿久津」
「はい?」
「これさ……」
「はい」
「クソゲーだね」
「クソゲーっすか!?」
いいだろう。
今度はシューティングか。
言いたいことなら、山ほどある。
徹底的に叩き潰してやるとしよう。
ただし——今度は先輩と後輩としてではない。
同じようにゲームを作り、同じように悩み、同じように誰かへ遊んでもらう。
同業者として。




