どうやら私の腹の虫はバリトン歌手だったようです。
カーテンから差し込む光が少し眩しくなった頃、頬にぷにぷにと触れる感触がする。
どうやら私を起こしているみたい。
だけどふわふわに両頬を包まれてポカポカと温かくて、後もう少しだけこうしていたいな。
ぷにぷに。。ふわふわ。。。
昨日は随分遅くまで夜更かししたから心地良くていつの間にかまた眠ってしまったようだ。
ぼんやりと目覚め、ボーっと天井を眺めていると自分の両頬に規則正しく動く寝息の毛玉が感じられ嬉しい。
私が起きなかったから毛玉たちは諦めて二度寝する事にしたみたいだ。
なんだか起こすのも忍び無いなと思い身じろぎもせず天井を見つめる。
部屋の明るさを見るに今日の天気は快晴、洗濯日和になるだろう。
夏は暑いけれど、遅い時間に洗濯物を干しても必ず乾いてくれるのが嬉しい。
冬ではこうはいかないもんなぁ。
ぼんやりと今朝の朝ごはんは何にしようかなーとか、玉子はあったっけとか、取り留めの無い事を考えていると腹の虫の食事センサーが感知したのかとても大きな音でお腹が鳴った。
すると丸くなって頬の横にいた毛玉2つが大きく飛び跳ねアタフタと狼狽えている。
「なっ、どうした!今のは雷か?ヘソを取られんように気を付けるんじゃ〜!」
「大きい音こわくてびっくりした〜。音大きくて怖かった〜(泣)」
違うよ、今のは私のお腹の音だよと言って安心させたかったけれどあまりのパニックのせいでついに伝える事は出来なかった。。
どうして私のお腹の音ってこんなに轟音なの。
お腹の中にバリトン歌手の腹の虫でもいるのだろうか。
いや、きっとそうであるに違いない。。
スヤスヤと気持ち良く眠っていたのに私のお腹のバリトン歌手虫のせいで、右往左往しえらいこっちゃとなっている2匹に大変申し訳なく思う。
心から謝罪申し上げます、と。
「あっ、そういえばあそこに何か包みがあるよ。ちょうど2個あるし見てみたら?」
気を取り直し2匹に伝えると、包みが気になり気が逸れたのかやっと落ち着いたようだ。
「むむっ!確かに何かあるようじゃ。これは我ら警備隊が不審な物かどうか確認せねばの。」
「でも可愛い紙で包んでるよー。りぼんも付いてるー。」
じりじりと警戒して近づく寿安と興味を惹かれ包みに駆け寄る福。
「あっ!これ、待つのじゃー!もっと慎重に確認せんといかーん!」
「きっと大丈夫だよ〜。嫌な感じもしないもーん。」
結局は寿安が折れて福に従う。
「確かに、わしも嫌な感じはせんの。むしろ楽しげな気配すらあるのぅ。」
「エッヘン、ぼくえらい子〜。」
包みに近づき、開けても良いかと目で聞いて来る2匹に肯定の意を込めて頷いた。
君たちは一体どんな顔をするだろう?
それを見るためにチクチクせっせと頑張ったんだよー。




