フワフワもこもこ⭐︎ホイップバスタイム
ズズズと眉間に皺が寄り顔に影が落ちる。
私のご当地お菓子、食べるのすごい楽しみにしてたのに!
キツネたちのバカバカ!
「人のお菓子を勝手に内緒で食べる悪い奴らには、やっぱりもうご飯作ってやんない!」
その言葉を聞いて、ピシャーーーンッ!と雷に打たれたように固まり茫然自失といった風に遠くを見つめるおきつね2匹。
どれくらい時間が経っただろうか。。
ハッと我に帰るとワナワナと震え、私の右手と左手に1匹ずつ縋りついてきた。
右手首と左手首にふわふわな感触が心地良い。
「いやじゃ〜!!ワシらこれからお主の絶品料理を色々食べるんじゃ〜!泣」
「たべゆたべゆ〜、いっぱいたべゆ〜!」
エーンエーンと右手と左手に突っ伏しグジュグジュと泣き続けるオレンジ色の固まり2つ。
もう手に触れる水分がおててに染みついたお出汁なのかきつね達の涙なのか分からないよ。
ひとしきり泣いた後、ヒックヒックとまだしゃくりあげる2匹。
「そうかそうか、そんなに私の料理が美味しかったのか〜。」
ここまでされると逆に悪い気はしない。
むしろちょっぴり得意気まである。
「じゃあ良い子でお風呂に入ったら、またごはん作ってあげるよ。どうする?」
そう言うと、伏していた顔をぱっと上げて見つめ合う大と小。
戸惑いながらコクンと頷き合うと、こちらを見つめておずおずと言った。
「また食べさせてくれるなら入る。」
「ぱちゃぱちゃする〜。」
返事を聞き終わる前に、きつね達を両の手にむんずと掴み立ち上がる。
こうしては居られない。
気が変わらないうちにお風呂に入れなくては!
パタパタと洗面台の前に急ぐと栓をし、ザーザーとお湯を入れていく。
まず1回目は予洗い。
お出汁やら涙やら埃やら何やらを洗い流さなくては。
ジャブジャブと2匹の体全体にお湯をかけると、お出汁やらお菓子のカケラやらで溜めたお湯がうっすら汚れていてバッチい!
栓を抜いて溜めたお湯を流し2匹の水気を軽く切る。
蛇口から流しっぱなしのお湯でザブザブ洗い水気を切ると、また再度綺麗なお湯を洗面台に溜める。
その間驚いているのか怖いのか、2匹とも無言で無の境地に至っているようだ。
まぁ、その方が騒いで暴れられるよりは洗いやすいから良いか。
2回目に綺麗なお湯が溜まり、固形石鹸を洗顔ネットで泡立てゴシゴシと洗っていく。
もくもくと白い泡に包まれた2匹はさながら雲の妖精である。
溜めたお湯でゆるゆると流してやると気持ちが良いのか無言でほーっとこちらを見つめている。
赤ちゃんの沐浴ってこんな感じなのかな。。
つい手が当たってお湯に落ちた洗顔ネットをきつね(大)が拾ってどうじょと渡してくれた。
お前たちが持つと洗顔ネットがソーラン節の地引き網みたいだよ。
思わずクスッと笑いが溢れてしまう。
綺麗なお湯で何度も洗い流したら、きゅっと水気を切ってやる。
お風呂上がりの2匹はと言うと、濡れ鼠というかなんというか濡れ狐だ。
いつものフワフワが嘘のようにぺっちゃりコンパクトな出立ちで哀愁すら漂っている。
ふふふと笑うとふかふかのタオルで2匹を包んでワシワシと拭いていった。
ふわふわマシュマロ雲妖精の2匹を想像すると、可愛さに思わずニコニコしてしまいます。
お風呂で洗われて無になっているわんちゃんねこちゃん達も可愛いですね。




