モノローグ
#モノローグ
この世界には闇がいる。
闇は生物の一種だが雄雌のない無性でどのように増えるのかも分かっていない。
闇はアメーバのように蠢き、地面にある有機物を摂取し、草花に溜まる露を吸収した。
そうして活動範囲を広げていく内に有機物を分解する微生物を取り込んだ。
取り込む事で、微生物を模倣し自らもその能力を身に着けた。
微生物を捕食する生物に捕食され、消化されながらも危険を理解した。
捕食し返したがそこで闇の命は終わった。
ただし、捕食した情報は即座に捕食されてない部分に共有された。
そして捕食者を模倣して逃げた。
かろうじて逃げた先で微生物を捕食しエネルギーを蓄えた。
蓄えたエネルギーは小さな核となり、今まで得た情報全てにアクセス出来た。
手足のように末端を伸ばす。
末端の数は核の大きさに比例して増やす事が出来た。
核を大きくし末端の数を増やしを繰り返した。
蟻を捕食し、ダンゴムシを捕食し、バッタを捕食し、カマキリを捕食し、野ネズミを捕食し、キツネを捕食した。
その頃には草原を駆け抜ける事も出来た。
風に乗って漂う匂いも感じた。
かつて捕食される側だった時の恐怖についても感じた。
バッタを感じるとカマキリに怯え、野ネズミを感じるとキツネに怯えた。
この世界は何と恐怖に満ちているのだろう。
この恐怖を集めたい。
この世界にはどんな恐怖があるのだろう。




