表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HINA-死神の系譜-  作者: 竜堂さくら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
102/102

第102話 ハジメマシテ

最終回です。


 華薗学園大学部。


 入学式当日。


 高等部からそのまま進学した者が多く、美玲にとって周囲の顔ぶれはほとんど見覚えのあるものだった。


「神崎さん、久しぶりー!」


 振り返ると、ピンク色の髪を揺らした松本が笑顔で手を振っていた。


「松本さんも大学部選んだんだ!?」


 松本は嬉しそうに頷く。


「先輩達の居る芸術大学に行くつもりだったんだけど、新設で一からメンバー集めるのもいいかなって!」


「それも面白そうね!」


「でしょ! 神崎さんは大陸武術研究部だっけ? また創部するの?」


 少し考える美玲。


「そうだねー……それもいいんだけど、高等部にある文献を持ってくる訳にいかないから、ちょっと悩んでる」


「なるほどー。もし軽音部に興味湧いたら、いつでも声をかけてね!」


 新設された大学部には先輩がいない。


 そのため、高等部で毎年のように繰り広げられていた壮絶な勧誘合戦もなく、美玲は入学式が始まるまでの間、キャンパスをぶらぶらしていた。


 新しい校舎。


 新しい校庭にグラウンド。


 先輩達との交流がないのは少し寂しいなと思いつつも、高等部の頃とは違う友人ができそうな予感に、美玲は胸を踊らせていた。


     ◇


 そうして、入学式は厳かに始まる。


 各界の著名人が壇上に登り、次々に挨拶の言葉を述べてゆく。


 美玲の隣に座った松本が、小声で囁いた。


「なんか、すごい有名人ばかりよねー」


 美玲も小さく頷く。


「理事長の人脈かな?」


「今年から理事長変わったらしいよ」


「そうなんだ?」


「華薗学園のオーナー? が変わったらしくて、その人が理事長も務める事になったんだってー」


「学園を買い取っちゃったの!?」


「なんとかかんとかグループの総帥だとか?」


「全然わかんないわよ!?」


 松本は肩をすくめる。


「まあ、そのおかげか、高等部も含めて、かなり自由な校風になったらしいよ?」


「その情報、ほとんど疑問形じゃない!」


「まあまあ、ニュースにもなってたから、デマではないはず」


 やがて著名人や講師の挨拶が終わり、学園長が壇上へ上がる。


「本来ならここで、入学生総代による挨拶をしてもらう予定だったのですが、遅刻しているとの事なので、割愛します」


 松本が思わず吹き出した。


「総代なのに初日から遅刻とか、すごいねー!」


 美玲は首を傾げる。


「なんだろう……なんか既視感」


「神崎さん?」


「ううん、気のせい」


     ◇


 入学式が終わり、講堂から次々と学生達が出てくる。


 少し遅れて、美玲と松本も講堂を後にした。


「じゃあ、またねー! 神崎さん」


「うん、またね!」


 松本と別れ、美玲は校門へ向かって歩き出す。


 その時だった。


 前方から一人の人影が走ってくる。


 大学の入学式に出るようには見えない、黒地に金のラインが入ったジャージ姿。


 黒髪ロングの姫カット。


 鋭い目つきをした女子は、美玲の前で足を止めた。


「あの、入学式終わった?」


「う、うん、さっき終わったとこだけど……」


「あー……またやっちゃった」


「あなたも新入生?」


「うん」


 美玲は笑顔で右手を差し出す。


「私もそう。神崎美玲。よろしくね」


 女子はそっとその手を握った。


 その瞬間だった。


 美玲の瞳から、涙が溢れ出る。


「は、ハジメマシテ」


「なんで片言なのよ、雛……」


 雛は目を見開く。


「しばらく海外に居たから……私が分かるの?」


 美玲は涙を流したまま笑った。


「大陸武術研究部元部長を舐めないでよ。どうやって記憶を消したのか知らないけど、気の質で思い出せたわ!」


 雛は少し俯く。


「ごめん……」


「違うでしょ!」


「え?」


 美玲は涙を拭い、笑顔を向ける。


「おかえり雛!」


 雛も微笑んだ。


「……ただいま!」


 再会の喜びに抱き合う二人であった。


今回で最終回となります。

お付き合いくださり、ありがとうございました

m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ