三十四話 高鳴りと決別と悶え
「初めまして。
えーっと、、、、」
あまりにも話のネタが思いつかな過ぎて、思わず助けを求めるかのように咲姫の方を見た。
求めるかのような、というかしっかり求めていたが。。。。
わかった、そううなずいたのか、納得したのか、理解したのか、咲姫が沈んだ、重くなってしまった場を切り裂くかのように口を開いた。
「奈央、あの人、鷹夜ね。
あれがバスケ部だよ?
笑えるよね、今度一緒にバスケしてもらえば?」
「ええ、絶対やだよ。
強いじゃん、絶対。
ていうか、私はもうバスケはしないの。
もう何回も言ったでしょ?
そろそろ分かってよぉ」
あれがっていうのがずっと引っかかってるんだけども、佐々井さんはそれには触れなかった。
分かってるねぇ。
よかったわ、ここで触れられてもなんて返すべきかの正答まだ導き出せてなかったしな。
これでそれ言われてたら、第一印象が「おもんない人」になっちまってたところだったしな。
ふぅ、あぶな。
まあ、後で咲姫にさっきの言い方の真意は聞くとして、どうしてバスケをもうしないことにしたんだ?
まあ、別に一緒にやりたいわけじゃねえけどよ。
いや、まあ、ちょっと気になったからな。
「どうして、バスケしなくなったんですか?」
踏み込み過ぎた質問しちゃったかな?
え、、今の大丈夫な質問だったよな??
質問した後に後悔と恐怖がどっと襲ってくる。
「ほら、聞かれてるよ?
早く、答えないとー。」
咲姫が右手の人差し指で佐々井さんを突きながら、そう冷やかすように言った。
「えっと、、、、」
ちょっと戸惑っているのかな?
緊張しているのか?
緊張してほぼ働いていない頭を使っていろいろ考えを巡らしてみたけど、結局なんの答えも得られなかった。
「まあ、怪我しちゃったんですよね、、、、
中学の時に、結構ガッツリ。。
オスグット持ってたんですけど、右足に。
その右足の靭帯断裂しちゃって、もう前みたいに動けることはない。って言われて。
でも、諦めきれなくて、リハビリして頑張って復帰しようと思ったんですけど、いろいろまた怪我しちゃって。
結局バスケをするのはやめて、今は美術部にいるって感じですかね。
あ、ちょっと、重たい話しちゃいましたね。
すみません。」
「いやいや、俺が聞いたことだし。
ごめんね、ちょっと過去掘り返しちゃって。」
「大丈夫ですよ。」
そういうことだったのか。
悪いことしたな。
聞いちゃいけないことだったか。
でも、なんでこんな話の真っ最中に咲姫は平然とした顔で、笑顔を振りまいてるんだよ。
どんな神経してるんだよ。
もう聞きなれた話だからってことか?
それにしても人として最低だな。
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で、このあと何喋ったらいいんだ?
やべえ、マジでネタ思いつかねえ。
「じゃ、こんなとこにしときますか。
また、夏祭りでってことで。」
え、、、、?
夏祭りでってことで??
どういうことだ?
一緒に夏祭り行くってことなのか??
頭の中の疑問符を一つ一つ増やしながら、咲姫と佐々井さんが歩いて行くのを眺めていた。
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「咲姫、さっきのってどういうことなんだ?」
聞きたいことは他にもあったが、第一優先はこの話だ。
「さっきのって?」
「夏祭りでってことでってやつ。
どういうことなんだ?」
「察しが悪いなぁ、
そういうところがあるからモテないんだよ。」
なんだ、こいつ。
なんで、しれっと棘をぶっ刺してくるんだよ。
いてえよ。
「まあ、奈央と一緒に夏祭り行けるようにしといてあげるから。
任せなさいよ。」
おお、頼もしい、、、、、、、、
、、、、、、、、
ん、、んん????
イッショニナツマツリニイケルヨウニスル????
ドウイウコトダ??
一緒に夏祭りに行く!?
え、ちょっと待ってくれ。
情報処理が追い付かねえ。
「俺が?
佐々井さんと?」
「他に誰が居んの?
てか、一個下なのにさん付けとかありえないわ。
名前で呼べよ。」
え、マジで?
ありがたいけど、ちょっと怖いな。
俺、何もしてあげられない気するし。。。。
「あ、でも、私が誘うわけじゃなくて、私も行くから一緒に行こっていう風に言うだけだから。
まあ、私誘って他にも朔とか誘えば自然でしょ。
じゃ、後は鷹夜の腕次第ってことで!」
そう言って、咲姫はどこかに歩いて行った。
ていうか、どうしよう!!!!
俺が夏祭りに誘う、、、、
頭ん中はもう真っ白だった。
この胸の高鳴りは、明らかに好きという感情を隠す気がなかった。
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部活の休憩中に咲姫に呼ばれた。
何の用だ?
「汗くっさ。
ちゃんと汗拭きなよ。」
「自分で部活でくたくたな少年を呼んだんだろ?
それぐらい我慢してくれよ。
服に汗浸み込んでるんだからしゃあねえだろ。
あとで、着替えるから気にすんな。
で、なんだ?」
「あぁ、そう。
奈央があんたのこと好きだって。
見る目ないね、うちの小動物のプリンセスは。」
「失敬な物言いだな。
言い方ってもんがあるだろ。」
内心飛び跳ねるほど、嬉しかったが、それを隠すことにしていた。
ここで飛び回って喜んでも冷められちまうだろうしな。
なのにな、、、、
「で、嬉しいんでしょ?
正直に口に出しちゃいなよ。」
「まあ、嬉しい、かな。」
「かなってなんだよ。
あ、そうだ。
いい事思いついた。」
いい事?
何やろうとしてんだ?
「「鷹夜が一個下の女子から好きだって言われてたーーーー!!!!」」
突然、大声で言いやがった。
「おい、何言ってんだ?
止めろってお前。」
「大丈夫、名前は言ってないでしょ。
奈央って。
まあ、朔は知ってるけどね。」
??
なんで朔が知ってるんだ?
「なんで朔が?」
「ま、それは本人から聞きなよ。」
そう言いながら咲姫はどこかに歩いて行った。
「ヒューヒュー」
「実は、狙ってるんでしょー」
冷やかしの嵐が飛んできた。
俺は今日から「リア充」と呼ばれるようになった。
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ピロンッ
メールの通知がなった。
誰からだ?
ああ、朔か。
何の用だ?
『ちょっと、今から嵩下公園に来い。
暇だろ。』
なんでだ?
でも、なぜかメールの文から怒りの感情が覗いた気がした。
投稿遅れました。
夏祭り近づいてきましたね。
現実でも今が夏祭りのピークなのかな?
夏祭りは、鷹夜視点だと2回目になってしまいますが、裏話みたいな感じでどんどん明かしていけるようにしたいと思っています。
ぜひ待っててください!!




