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植物魔法

 ステータスを確認してから数日、やっと母親から自由に動く許可を得た。母親は心配性なのか数日もベッドの住人にさせられてとても暇だった。まぁ暇なりに現在試せるスキルの確認と訓練をやってそれなりに有意義な時間は過ごしたが……


 試せたスキルは『亜空間』『魔蟲知識』『索敵』『鑑定』だ。

『亜空間』は邪神が担当した転生者にサービスで配ってるとか言ってた。世界ごとに多少効果が違うとか言っていたが、僕の場合は入れた物の時間が止まる、使役したモンスターが入るの2つの効果があるらしい。とりあえず母親が作ってくれたサンドイッチを入れて放置している。入る量に決まりはないが、さすがに家とかの非常識なものは入らないと言ってた。


『魔蟲知識』は文字通り魔蟲に関する知識だ。頭の中にパソコンがあるような感じで、条件を絞って検索も可能で、見た目・習性・弱点まで何でも知れる。これは『魔蟲召喚』『魔蟲使役』のスキルと相性がいいから神がくれたのだろう。いつか「従魔tueee!」とか出来そうだ。


『索敵』は気配とかオーラっぽい何か(多分魔力)を感知出来るようになった。範囲は10メートルくらいだ。ついでに『隠密』もしたら母親が急いで様子を見に来たからそれから試せてない。恐らく感知系のスキルを持っているのだろう。僕はその時素知らぬ顔でサンドイッチを食べて母親は首を傾げてたから誤魔化せただろう。


『鑑定』はクズスキルだった。試しに机を鑑定したら「机」とでた……知っとるわ!! こんな感じでレベル1だと使い物にならないと思ったからとにかく色んな物を鑑定しまくった。レベル2で「木製の机」、レベル3で「木製の机:木で出来た机」となるまで数日かけて頑張ったが、さすがに飽きてしまったので気が向いたら練習することにした。


 魔法も試したかったがよく使い方が分からないし、『隠密』の時みたいに母親に察知されそうな気がしたので止めた。自分のステータスを知るはずがない子供が魔法を使ってたら不気味に感じるかもしれないし、たとえ大丈夫だったとしても心配して監視されそうだからしばらくは我慢しようと思う。



 とりあえずこれがここ数日で分かったことだ。

 で、今僕が何をしているかと言うと母親と一緒に店で仕事をしている。仕事といっても四歳に出来ることなんて僕が持てる程度の重さの植木鉢を太陽の光が当たるとこに移動させたり水やりをするとかのお手伝い位だが……

 手伝いをしながら母親を見ると、結構興味深いことをしている。たまに元気がない植物があるとその植物の根の近くや葉に触れているのだが、手が触れているあたりを中心に淡い緑色に光ったりしているのだ。これが魔法というやつだろう。良い機会だ、母親に魔法について聞いてあわよくば使い方を教えて貰おう。


「ねぇおかーさん、その手がピカーってなってるのなにー?」

「これはね、『植物魔法』っていうお花とかを元気にしたりする魔法なのよ、お母さんの産まれたお家はこの魔法を持ってる人が多いからアインも使えるようになるかもしれないわね~?」


 キャラが違う? そりゃそうだ、四歳児が大人っぽいしゃべり方を急にし始めるとか不気味だ。前世含めて21年くらい生きてるから違和感バリバリだが、記憶を取り戻す前はこんなしゃべり方だったから今はこれで我慢する。それにしても『植物魔法』か、固有スキルとかいうよく分からんやつだったが、母親が持っているということは遺伝するようなものなのだろうか? こればっかりは情報が少な過ぎて分からない。もしかしたら魔法を使えるチャンスかもしれないし、使えなくても情報が手に入れば御の字だ。


「僕もそのピカーってするの使いたい!! ねぇどうやるの? 教えて~?」

「ん~……この魔法はお母さんの家系で持っている人は多いけど、必ずあるわけじゃないのよね~。五歳になったらアインのスキルを教会で見てもらえるから、それまでは待っててね? それにお母さん教えるの苦手だから、五歳を過ぎたらお母さんの知り合いに教えて貰いましょうね」



 なるほど、絶対ではないけどやっぱり家系に関係するタイプか……そういえばゲームのアイン・セイブルの設定で趣味が園芸とかあったような? 魔法を教えて貰えないのは残念だが、五歳で教会にステータス確認しに行くのが分かったし、一年後には母親の知り合いが教えてくれるのなら僕としては問題ない。それまでは上げれるスキルを出来るだけ訓練しておこう。

 とりあえず僕は母親に楽しみにしてると伝え、その後は雑談を交えながらお手伝いをして過ごした。

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