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イテルニア黙示録  作者: SEもどき
終わりを知らない空の下で
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1/8

プロローグ

目が覚めた。


 最初に感じたのは、冷たさだった。


 石造りの床に頬をつけたまま、しばらく動けなかった。体が重い。息をするだけで肺が痛む。自分の指を見た。細く、震えていた。


 ここはどこだ。


 私は誰だ。


 記憶を探る。何もない。名前もない。生まれた場所も、育った場所も、愛した人間も、何ひとつない。あるのは今この瞬間の感覚だけだ。冷たい床。埃の匂い。どこか遠くで風が鳴っている音。


 それだけだ。


 立ち上がろうとして、膝をついた。構わず、もう一度立ち上がった。


 おかしい、と思った。私には何もない。名前も、記憶も、帰る場所も。なのに、なぜ立ち上がれるのか。なぜ膝をついたまま座り込まないのか。


 答えはすぐにわかった。


 わかった、というより、最初からそこにあった。


――これを、終わらせてはいけない。


 それだけがあった。


 理由はない。何を終わらせてはいけないのかも、わからない。なぜそう思うのかも、説明できない。ただ骨の奥まで、魂の底まで、その一点だけが灼けるように刻まれていた。


 私は窓の外を見た。


 空が、黒かった。


 星もない。月もない。ただ黒く塗りつぶされた夜が、この世界の全てを覆っていた。


 何かが始まる夜だと、思った。


 なぜそう思ったのかは、わからなかった。


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