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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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悪役令嬢の気持ちの整理。

あの後、ヴァンディミオン殿下との話し合いの結果、皇后陛下のことは私たちにはどうにもできないので、皇帝陛下の公務を私たちに任せてもらえるようになるべく皇后陛下に向き合っていただこうということになったが、問題はジュリウス王子だった。

晩餐会の様子を考えると、皇后陛下の言うことをきかなそうで、もし皇太子宮に後宮を抜け出してきていることが露見した場合、ヴァンディミオン殿下と私が恨まれるだろうという意見が一致した。

多分、ヴァンディミオン殿下に何らかの期待を抱き、こちらと接触したいのだろうけれど皇后陛下の対応が先だ。


「やはりセシリアには不自由をさせるだろうが、一人で庭にでることはやめてほしい。」


そう申し訳なさそうにヴァンディミオン殿下は言ったが私もそれしかないと思う。

正面からジュリウス王子が皇太子宮に訪ねてきたら、何か理由を作り追い返すことはできるが、以前のようにこっそり庭で会った場合私に追い返すことは困難だ。


正直、私はジュリウス王子には同情しているのかもしれない。


ヴァンディミオン殿下は母である皇后陛下に命を狙われたが、皇帝陛下の手によって守られてきた。

ジュリウス王子は皇后陛下の溺愛という歪んだ愛情で『優しい虐待』をされてきた被害者だろう。

それでも、私にはできることとできないことがあり、私には皇帝陛下が皇后陛下に会うための時間をヴァンディミオン殿下と作ることしかできない。

直接的には手助けできないが、最大限間接的に助けられる努力をしようと思う。


二人で話し合っている間、ずっと膝の上で抱きしめられて額にキスをされても気にならなかったのに、自分の部屋で思い出すと頭が噴火しそうになる。


(それに、私以外の側室はいらないって・・・。私だけを愛してくれるって!)


その言葉は嬉しかったけれど、私の能力を認められたと思ってもいいのだろうけれど、一言だけ叫びたい。


恥ずかしい!!!


エリスが言っていた情報で私は知らなかったことだけれど、ヴァンディミオン殿下はゲームのキャラクターという要素があるからかとても顔が整っている。

そんな顔の整っている男性に画面越しに何かを言われるのではなく、直接相手の体温を感じて目を合わせて愛してるなんて言われるのは初めてで、私も顔は悪役だけあって冷たい美貌だと思うが、それでもドラマのようにみているのではなく、自分が体験するなんて・・・。もう一度言いたい。


恥ずかしい!!!


もうヴァンディミオン殿下の顔を思い出すだけで動悸が激しくなるのに、声が耳から離れない。

部屋に戻って、最初は話し合いのことを思い出していたが、自分の中で情報が整理されるとヴァンディミオン殿下の言葉を、体温を、表情を実感してしまう。

しかも自覚すると、初恋やら一目ぼれ等の言葉が心の中に浮かんでしまう。


(考えちゃ駄目よ。考えちゃ駄目よ。考えちゃ駄目よ・・・。)


そう思っても、心に浮かんだ気持ちはどんどん溢れてくる。


学園で会った時のヴァンディミオン王子。建国祭での凛々しかったヴァンディミオン殿下。私に手紙を送ってくれたヴァンディミオン殿下。


どうしよう。気づかなかっただけで私の気持ちはヴァンディミオン殿下に随分前から傾いていた。

・・・改めて自覚をしてしまった。

以前自覚した時以上に、自分が存在しているのも恥ずかしいくらいに気持ちがざわめく。


キスをされたことも、思い出してしまう。指、手、手首、胸元、額・・・。


・・・胸元・・・


胸元は恥ずかしかったどころではない。

気を失ってしまった・・・。

周囲が大騒ぎしたようだが、私は知らない。

でも、もう一度同じことがあっても気を失う自信がある。

ヴァンディミオン殿下に協力して公務をすることはいいとしても、なるべく近くに寄らないでおこうか・・・?

そう考えてしまうほど、ヴァンディミオン殿下のことを考えてしまうと自分が自分でないような気がする。

でも、これから私はどのようにヴァンディミオン殿下に対応すればいいのだろう?

夜会やお茶会にでる機会は増えるだろうし、二人きりになる時間もある。

仕事は努力すればどうにかできるだろうけれど、気持ちだけはどうにもできない。

でも、この気持ちを知らなければ良かったかというと、そんなことはない。

王妃様方がいれば相談できるのに。

そう思いながら、私はこのランスロット帝国で相談できる人を思い浮かべる。

ヴァンディミオン殿下は却下、ルシフェルトは困らせてしまいそう。やはりメルディナしかいないだろうか。

これからも私を助けて欲しいとお願いしたけれど、まさかヴァンディミオン殿下への私の気持ちを相談することになるとは思わなかった。

呆れられるかもしれないけれど、同じ女性としてやはり相談しやすい。


ではどのように相談するか。

キスをされても動じないようにするにはどうすればいいか?

何か違う気がする。

私はヴァンディミオン殿下が好き。

それを宣言して私は何をメルディナに求めているのか。

ぐるぐると頭に色々浮かんでくる。


そして私が思いついたのは、ヴァンディミオン殿下が好きだから以前言われたように信頼関係を築きたい。この気持ちを大切にしたい。でも私は慣れない気持ちをどうしたらいいのかわからないから、とりあえず一人だと思考がループするので話を聞いて欲しい。


とてもいい考えのように思い、メルディナを呼び出そうと思う。

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