連邦共和国の決断
連邦共和国首脳議会
今現在の各戦線における劣勢を如何にして優勢にするか会議が行われていたが中々纏まらずにいた。
「帝国軍を早く退けられぬのかね。今や戦争が始まり4年半いっこうに勝利への見通しがついていないではないか。何よりこの戦争は我等が連邦を豊かにするためであることを忘れてはいないだろうな。もし負ければ豊かになるどころか更に荒廃するぞ」
「今現在我が軍は各戦線において劣勢であり徐々に後退しております。これを打開するには新たな戦力が必 要の為五師団追加をお願いしたのですが」
「今戦線に近い軍はほぼ全て出ているのだそれにこれ以上近隣で徴兵すれば工業生産力が落ちてしまうそれはなかなかに厳しいものがあるのは理解して頂いているはずだが? それに我等が連邦は世界をほぼ全て治めているとはいえ各地の統治に軍は必要でこれ以上の増援を出すのは厳しい」
このように有効な打開策を打ち出すことは出来ていなかったのである。しかしその時一人の首脳がこう言った。
「異世界より英雄達を召喚して見ては如何か」
「禁忌の魔法を使用すると言うのか」
「しかしそれしかあるまい」
これにより連邦は直ちに異世界より英雄達を召喚した。
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日本 東京
「元気出せよ雪乃」
「春樹は悲しくなの?結城が死んじゃったんだよ」
「悲しくないわけがないだろ」
クラスは皆と隔たりなく接していた結城が事故で死んでしまい暗い空気が流れていた。
「雪乃さん元気出して」
雪乃に声をかけて来たのは級長の長谷川さんだった。
「ねぇ長谷川さん、私は結城の事が好きだったのなのに結城が死んじゃってもう生きていけないよ」
「雪乃さん、そんな事言わずに生きましょう。結城くんもそれが嬉しいと思う」
「そうだぜ結城の分も生きてやろうぜ。それであの世で沢山自慢してやるんだ」
「竜崎君……そうだね結城の分も生きて沢山思い出を話してあげよう」
その時雪乃達の足元が突然光だした。
「なんだ? 何が起きてるんだ?」
そして雪乃や春樹を含めたクラスメイトは光に飲まれていった。
ー
光がどんどんと眩しさを失っていき周りを見れるようになった。
「ここはどこなの?」
「突然召喚してしまい申し訳ありません。私は連邦共和国議会議長を務めているものです。今回は皆様に我等が連邦をお助け頂きたいのです」
「ちょっと待ってください。何が何だかさっぱり分からないんですけど」
「そうでしたな。では説明をさせていただきます」
そうして雪乃達は議長を名乗るものに説明を受けた。
「つまり帝国が卑劣な手を使って戦争をしてきていて現在劣勢でそれを何とかするために僕達を召喚したと」
「はい」
「そんなの無理ですよ! だって私達ただの学生ですよ!!」
「いえ、異世界より召喚されし者達は有り得ないほどの力を持っていると言われています。なのでこのあと適性検査を受けてもらいますが恐らく皆様適性があるでしょう。どうか我らをお助け下さい」
「どうする?」
「助けてあげようよ。それにこれも結城に話すお土産になるじゃないか」
そしてクラス全員が賛成し連邦を助けることを決めた。
「ありがとうございます。ではこちらへ適性検査をします」
この検査でクラスメイト全員が異常なほどの適正値をたたき出した。
「皆様はかなり高い数値を出しています。これならば帝国を打倒も夢ではないでしょう。それでなのですがこれより半年間訓練を受けていただきます。それから戦線に出向いて貰おうかと思っております」
「分かりました」
そして半年後クラスメイト達は精鋭とも言えるほどになっていた。
「これから戦場に行くのか。春樹死なないようにね」
「そういう雪乃こそ死ぬなよ。それにみんなも」
「そうよ雪乃さん未だに大好きな結城くんの分も頑張って生きましょう」
「長谷川さん今言わなくてもいいじゃないですか」
彼らはとてもこれから戦場に行くとは思えないほど活気があった。
「みんな行こう! 帝国を倒しに」
これから好きな人、親友と戦うことになるとも知らずに。
いかがでしたでしょうか?
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