第參拾肆夜 散りゆく者と紛れる者
閻魔と口約束を交わした禍刻達は、現世へと戻り霊華の元へ急いだ
酒呑童子「禍刻、ベルゼブブの言葉が本当であらば、恐らく逢魔大学にて何か怒っておるのではないか?」
禍刻「あぁ、かもしれないな」
六華「ならすぐに向かわないと!」
茨木童子「そうですね、もし酒呑童子様の仮説が現実となってしまっては…」
空亡「この街も昔とは随分変わってしもうたのう」
ルシファー「あぁ、全くだ…」
禍刻「お前ら、話してる暇なんて無いっての…」
空亡「わかっておるわ!全く、お主は誰に似たのか…」
ルシファー「お前以外に誰がいるんだ…」
六華「はいはい、痴話喧嘩はそこまで!早く行くよ!」
一行は早々に逢魔大学へと足を向かわせた
着いた頃には、辺りは既に暗くなってきていた
時刻は恐らく夕暮れ時だろうか
所謂、逢魔ヶ刻
またの名を黄昏時である
妖怪や怪異等と言った人ならざる者が活発化し始める時刻
禍刻「ちっ、もうすぐ逢魔刻か」
六華「え、じゃあ百鬼夜行が!?」
酒呑童子「わからぬ、百鬼夜行の気配は感じぬ故、正確な事は言えぬが恐らく起こらぬと思うが…」
そう話しているうちに、一行は逢魔大学へとたどり着いた
校門の前には、ベルゼブブと天鈿女命を憑依させた霊華が巨大な怪異と対峙していた
六華「霊華!」
霊華「あ、ようやく戻ってきた!」
禍刻「大丈夫か?」
霊華「うん、この程度の怪異なら、私一人で十分!」
そう言って白いワンピースを着た巨大な怪異をいとも容易く討伐してしまった
禍刻「ほ、本当に倒しちまった…」
六華「見てない間に、こんなに強くなってたのね」
酒呑童子「お前達も負けられないんじゃないか?」
空亡「誰に言っておる?禍刻達は妾達の力を取り戻したのだぞ?」
ベルゼブブ「おぉ、ルシファー様に空亡様!」
ルシファー「久しいなベルゼブブ」
茨木童子「感動の再会の所申し訳ありませんが、どうやら望まぬ来客が来たようですよ…」
六華「あれは!」
茨木童子の指さした方向には、見慣れた和装の男の姿があった
晴明「先程ぶりですね、皆様」
霊華「晴明…!」
禍刻「またお前か晴明!」
晴明「そんな怖い顔をしないでくださいよ」
空亡「何をしに来た!」
晴明「今一度、私と勝負を致しましょう」
酒呑童子「勝負だと?」
禍刻「ま逃げるんじゃないのか?」
晴明「いいえ、今度は逃げませんよ…どうやら、主様が私を見ているようですので…」
六華「へぇ?なら、今度は絶対逃がさないから」
霊華「皆、行くよ!」
━━━━変身━━━━
一行は姿を変えて眼前の因縁に立ち向かった
晴明「おやおや、突然襲いかかってくるとは容赦がありませんねぇ?」
ルシファー「当たり前だろう!」
空亡「お前に情けなどあるわけなかろう?」
晴明「そうでしょうねぇ?貴方達からすれば、私は互いの仇ですものねぇ?」
禍刻「ちっ、言わせておけばゴチャゴチャと…」
六華「霊華、着いてこれる?」
霊華「勿論!」
禍刻「なら行くぞ!」
三人は、一気に晴明に攻撃を与える
しかし晴明は、その攻撃を全て交わし、逆に三人に攻撃を与えた
禍刻「なんだと?」
六華「一発も当たらない…?」
霊華「まさか!」
晴明「そのまさかですよ」
晴明はそう言って周囲の瘴気を取り込んでいる
空亡「なるほど、周囲の瘴気で身体を…」
ルシファー「忌々しい事をしてくれる…!」
晴明「忌々しい?褒め言葉ですよ!」
酒呑童子「言わせておけば…その首、我が断ち切ってやろう!」
禍刻「あ、待て酒呑童子!」
禍刻の制止も虚しく酒呑童子は晴明に刀を振り下ろした
その一撃も交わされると思いきや、晴明は交わしきれずに右腕を切り落とされた
晴明「な…?」
禍刻「どういう…事だ?」
酒呑童子「コレだ」
六華「コレ、禍魂?」
酒呑童子が禍刻に投げた物は、八百比丘尼の禍魂であった
空亡「ほう、考えたな酒呑童子」
酒呑童子「は、有り難きお言葉」
晴明「何故、私の腕を切り落とせたのです…?」
ルシファー「八百比丘尼の禍魂は瘴気を打ち消し、同時に悪しきものに絶大な効果を与える」
晴明「なるほど…全く、忌まわしい方々ですね!」
晴明は周囲の瘴気を一気に取り込んだ
瘴気を取り込んだ晴明は更に巨大な身体へと変貌した
晴明「こうなれば、どのような事を用いても貴方々を決して差し上げましょう!」
空亡「八百比丘尼の力で攻撃を与えられるなら、妾達の力でも…」
禍刻「なら、行くぞ空亡」
空亡「任せておけ」
ルシファー「ならば、私達は時間稼ぎをしよう」
六華「わかった…」
霊華「なら…私は…」
ベルゼブブ「あれはどうだ?」
霊華「あぁ、『テケテケ』?」
天鈿女命「テケテケ…一体どうするのです?」
ベルゼブブ「テケテケの力なら、囮になれるだろ?」
禍刻「おい待て、霊華はそれでいいのか?」
霊華「気にしないでお兄ちゃん、私も二人の役に立ちたいから」
禍刻「わかった、なら任せたぞ?」
霊華「任せて!」
一行はそれぞれ役割の通り晴明と対峙する
その間、空亡と禍刻は力を溜め頭上に巨大な光の球を生成していく
そして、一行に叫びその球を晴明へ向かって投げつけた
空亡「お前達!離れろ!」
球が当たった晴明は、身体に纏った瘴気を全て浄化され、更にその巨大な身体に溜まった瘴気も全て浄化され悶え苦しんだ
晴明「くっ、おの…れ…!」
禍刻「もう終わりだ…!」
禍刻は、晴明の首目がけて刀を振り下ろした
その首は、先程までとは違い容易く切り落とされてしまった
晴明「あ、主…様…申し、わけ…」
六華「これで、終わり?」
少年の声「いいや、寧ろ始まりさ…」
禍刻「は!?」
一行が声の方向へ向くと、そこには黒い禍々しい翼を携えた和装の少年が立っていた
和装の少年「はぁ、せっかく蘇らせてやったのに…使えないな、お前」
空亡「お前は…まさか…?」
和装の少年「やぁ、久しぶりだね…妖怪共」
次回 仮面ライダー逢魔ヶ
禍刻「豊穣…神?」
和装の少年「君達は、僕に攻撃できない…」
空亡「相変わらずの性格よのう…」
逢魔大学生「あれ、俺…なんでここに…?」
絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か




