第参拾参夜 魔王を冠する大悪魔
晴明「戦の続きですか…いいでしょう、覚悟はよろしいですか?」
ルシファー、六華『お前こそ、覚悟はできているだろうな?』
晴明「聞かれるまでもなく、最初から私は覚悟などできていますよ」
晴明の言葉を合図に、二人は争いを始めた
二人は互いに攻撃を与えながら、相手の攻撃を避けるのを繰り返していた
それからどれ程の時間が経ったのだろうか
しばらくすると晴明が口を開いた
晴明「くっ、このままでは決着など着きそうにありませんね」
ルシファー、六華『どうした?怖気付いたか晴明?』
晴明「違いますよ、このままジリ貧を続ける訳にはいかないのでね…」
空亡「何を企んでいる?」
晴明「企んでいるも何も、私は元よりここで貴方達を終わらせるつもりでしたよ?」
禍刻「終わらせるだと?」
晴明「えぇ、この様に…」
そう言いながら晴明は天高く手を掲げ、その手にどんどん瘴気が集約されてゆく
いずれ、瘴気は巨大な球を形成した
禍刻「おいおい…こんなのどうするんだよ!」
ルシファー、六華『安心しろその穢れ、我が力で跳ね返してやる』
晴明「おもしろい!できるものならやってみなさい!」
晴明は、思い切り瘴気の球を六華目がけて投げつけた
しかし、その球は六華に触れた瞬間紫炎の如き色が禍々しいほどの黒い球へと変化した
ルシファー、六華『ふん、どうということはないな』
晴明「ちっ!これでも跳ね返されるのですか…」
禍刻「よく吸収なんざできるなぁ」
空亡「妾達の力もさほど変わらぬがな」
禍刻「あぁ、それもそうか…」
晴明「このままでは、主の命を果たす事ができませんね」
禍刻「主だと?」
晴明「おっと、口が滑りましたね…」
禍刻「お前の主ってのはどこのどいつだ?」
晴明「貴方達に教える事はありませんよ」
禍刻「おい!待て!」
禍刻の声は虚しく、晴明は瘴気に紛れて姿を消してしまった
禍刻「ちっ!また逃げやがったか…」
ルシファー「その様だな」
その瞬間、周囲に閻魔の声が響く
閻魔「漸く繋がったか…」
禍刻「その声は閻魔か?」
閻魔「あぁ、どうやら二人とも過去の追憶を全て完了した様だね」
六華「うん、まぁ…魂が融合してまだまもないんだけどね…」
閻魔「しかし、融合した事は事実だろう?」
空亡「そうだな、妾達は紛れもなく融合した」
閻魔「あぁ、話を戻してもいいかい?」
空亡「おっと、すまぬな閻魔」
閻魔「気にしないでくれ空亡様」
禍刻「そんで、話ってなんだ?」
閻魔「あぁ…実は晴明の改変したものは冥府の追憶ではなく、妖怪全体の記憶の様なんだ…」
禍刻「は…?」
六華「それって、どういう?」
閻魔「どうやら我々は予言の内容に対して大きな勘違いをしていたようでね」
ルシファー「勘違いだと?」
閻魔「そうだ、あの予言で記されていた記憶と言うのが前述したもののようでね」
六華「そんな事って…」
閻魔「恐らくあやつならばできるのだろうな…」
禍刻「いや、待てよ?」
閻魔「どうした?禍刻」
禍刻「さっき、晴明が主って言ってたんだよ」
閻魔「主?」
禍刻「もしかしたら、確証は無いが記憶を書き換えたのはアイツの力じゃないんじゃないのか?」
六華「って事は…」
禍刻「事前に書き換える為の何らかの道具、又は力を請け負っていたんじゃないのか?」
空亡「その可能性はあるな」
閻魔「なるほど、こちらでも探ってみよう」
禍刻「頼んだ」
閻魔「承知した、ならこちらへ戻ってきてくれないか?」
禍刻「わかった」
一行は閻魔宮殿へと戻った
そして、閻魔から現世にて少々厄介な事が起きていると告げられた
閻魔「という訳らしくてね?ベルゼブブが言うには、怪異が手に負えなくなっているみたいなんだが…」
六華「あぁ、何となく想像できるかも…」
禍刻「なるほど、なら直ぐにでも現世に戻るとするか」
閻魔「そうだね、こちらも何かわかったら連絡する」
禍刻「わかった、行ってくる」
次回 仮面ライダー逢魔ヶ
霊華「あ、ようやく戻ってきた!」
禍刻「またお前か晴明!」
晴明「あ、主…様…申し、わけ…」
和装の少年「はぁ、せっかく蘇らせてやったのに…」
絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か




