こんな時こその私だな
でっけぇ…なんだあいつ。
特大モンスターがでたとかいうから刀も持ってきたのだけれど特大ってそういう意味?
身長にして約30m、横幅も恐らく5mはあるわね。
大都市中心部から距離があるとはいえこんなのが近づいたりでもしたら一発KOよ。
「行きなさい雪!力比べよ!」
「潰れるわ」
「どうしましょうか。見るからに硬そうですし」
試しに付近に落ちていた拳大の石を拾って振り被る。
「火の玉ストレート!」
「任せなさい!」
「え?」
私が投げた石が雪の魔法によって燃え始めた。
すごいわねついに火の玉ストレートを現実に落とし込んだわよ。
そのままぐんぐん飛んでいって…あら?
なんかあいつ口を大きく開けて、!
「返しが来るよん」
「雪さんに任せなさい」
なんか前に出たかと思ったら重心を軽く落として力を溜め始めたわよ?
それと同時に相手が何でか火の玉のまま吹き返して雪の胸部に放たれた。
「見切ったぁ!!!」
回転蹴りからのってえ!?
なんか超高速回転しながら上空に上がったわよ!?
「ゴッドレク○エム!」
駄女神みたいな技使って石をぶん殴ったがバラバラに砕けたわね…なんだこれ。
「さて、前座が終わりましたので行きましょうか」
「なんでここで砕けるのよ!」
膝も崩れてる奴は置いておくとして今回は梛木の独壇場かしらね。
だって、血が出ない、声を上げないやつにテンション上がらないもの。
とりあえず接近だけは行って隙を見つけて流体拳(我流拳術)をやるのが吉かしら。
「は、はは、はははははは…」
なんか殴られまくって笑ってる奴いるわね…いやよく見たら全部カウンター入れてるわ。
さてあの子はどこに…ん?
「よっしゃあ!てっぺんだぜ!」
頭部に登頂していた、私も何かふざけないといけないかしら?
であらばまず地面に両手をついて…流体拳!
うわっと、思ったよりも飛べるわね。
地面がそれなりにヘコんでいるがまあ大丈夫だろう。
「すごいわね、まさかここまで来るなんて」
「は?」
なんか横に雪がってどこに座ってるんだ私!?
「安心してちょうだい。座面として氷を敷いてるわ」
「おしりが痛くなるわよ?」
「そこはあれよ、魔力パワーで」
あら、あの子が頭部を粉砕したわね。
次いで梛木が両腕を破壊して最後に胴体をぶった斬ったわね。
以前の私たちなら少しは苦戦しただろうが今となってはこの有様だ。
デカいだけ、硬いだけでは苦戦しないのよ。
「そりゃそうよ。あんなちっちゃくてもちもちしている嬢ちゃんにボコされたんだから」
「言うほど小さいかしら?あの子と身長ほぼ同じよ」
「まじで?」
「まじで」
「じゃあハチマキ巻いたら実質雪梛じゃん」
「そうはならんやろ不定期」
「定期付けるのは見たことあるけれど不定期は初めて見たわ」
「冷やし中華」
「はじめましたじゃないのよ。やめなさいこのノリは以前梛木とやったわ」
どうやら二番煎じだったらしい。
「じゃ、そろそろ戻ろうかしら」
「そうね」
途端に座面が消失して上空30mからの自由落下が始まった。
「そらへまーうせーかいのかなた♪」
「やみをてらすかいせーいえーえぇー♪」
やっぱ高所から落下したらこれに限るわ。
てかどうやって衝撃受けようかしら…
やばいわよもうぶつかるわ!?
「上へ参ります」
「うわぁ、浮遊感がめちゃめちゃ気持ち悪い」
「空から美少女が!ラノベの始まりか!?」
「好きです!結婚してください」
「喜んで」
「逆に成立してからの物語展開ですか?」
よし、岩も崩し終えたことだし帰ろうかっ!?
左よ!
この子に抱きついて体の感触を楽しみながら左に回避。
「再生タイプですか、どうします?」
「待ちなさい、今いいところだから」
「働きなさいあほ」
しょうがないわね…
少しだけ焦点が合ってないこの子を置いてナイフを二本。
大量殺害するなら刀よりこっちのがいいわよね。
先程の戯れで欲望が解放されたため瞬時に背後をとってナイフの柄でぶっ叩く!
肩を頂いたわ、続いて反対側、背中の中心点。
右です左です中ですをミスらず打ったのでベルが揃ったわね。
そのまま流れるように迫る拳を左半身で受け止めカウンターに派生。
多少のダメージの代わりに相手のエネルギーを回収したわ。
頭部に思いっきり刃を叩きつけて粉砕玉砕大喝采!
一体の遺体が人生を引退して痛いから解放されたわね。
「小さくなった途端めっちゃ弱くなった?」
「おや、岩の様子が…」
「え?」
なんか梛木が進化の予兆を感じ取ると同時にどんどん集まり始めたわ。
あ、キングスラ○ム形式か…勝てなくないかしら?
なんか一撃で破壊できれば問題ないのだけれど…
「誰か一撃の大技持っている奴いないかしら?私の流体拳では力不足よ」
「ないですね」
「ねぇ」
「ないわ」
え、詰みじゃん…
「こんな時こその私だな」
「エンジニア!?どっからわいて出てきたのよ」
「ピンチそうだったのでお助けに来たというわけだ。あいつらを戻してくれた借りのあるしな」
歩いて近づくと拳を前に出して相手の蹴りを待っているようだ。
そして触れた瞬間、え?
瞬く間に粉々に砕け散って動かなくなってしまった。
「こいつはただの岩だ。いくらちょっと固いからといっても内部密度は大したことない。つまり全体を支える核の部分をとらえることさえできればそれを穿って砕けばいいんだよ」
「何を言っているんだこの小娘は…」
「そういや今暇か?暇なら雪を借りたいんだが」
「いいよぉ。雪いってら」
「あざす」
「え!?本人の合意なしに取引が成立しているのだけれどもちょっとまちなさい!!!」
文句を言う雪をよそにエンジニアが一緒に消えていった…まあ、雪なら大丈夫よね。




