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何故現代兵器をファンタジー世界へ持ち込んではならないのか?  作者: ウォルギリウス
第二章

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会戦

意外とあっさりめ

カジミエシュ8世は手勢を率いて王国軍へ果敢に突撃する。

「行け!者どもかかれ!!怯むな、我らの敵は丘の上に居るぞ!!」

彼の率いる民兵や騎士たちは砲撃に晒されながらも鬨の声を上げて隊伍をやや乱しながらも王国軍の陣地に突撃していた。


しかし王国軍は冷徹に敵軍の接近に対して冷静な面持ちの士官が大半であり

「敵兵やや近距離に接近ぶどう弾装填、装填次第撃て」

「了解、ぶどう弾装填」

と既に近距離に詰め寄られていても大して動揺せず訓練通りの対応をしていた。


更に野砲部隊や戦列歩兵よりも後方の位置に居る榴弾砲部隊も

「上2°修正、左1°修正」

「了解、修正します。」

と野砲隊以上に冷静沈着に砲撃を継続しカジミエシュ率いる反体制派の攻勢をくじきつつあった。


更に馬に乗り、槍を持って突撃した騎士たちは丘の上に駆け上がると勢いを削がれた上で歩兵達の方陣に絡め取られてしまい、戦場の華であり勇猛果敢な騎士達は無個性な群れの歩兵連隊の剣山の如き銃剣を前に悲鳴を上げて倒れざるを得ず英雄譚は新たな形で綴られる事を世界はこの一戦で認識せざるを得なかった。


「父上!!」

最前線で指揮を執っているカジミエシュの隣に居たアレクサンデルは、父を馬上から突き飛ばすと彼の頭へ野砲隊の砲弾が直撃しそのまま抉られるように消えてカジミエシュの顔を血肉がべっとりと付着した。


「あ、あ、アレクサンデル!アレクサンデル!!我が子よ!!!ああ、そんな!!!!」

アレクサンデルは父を庇い死んだ。

そして父王は彼の戦死により心が折られてしまった。

「て、撤退だ!撤退だ!!今すぐここから離れるぞ!!!」

カジミエシュ率いる部隊は総崩れを起こしそして丘を駆け登っていた部隊が敗走した姿を見て連合軍も敗走を開始。


この戦いはこれで幕が下りたかと思われた。


「ぐあああああああ!!!」

「何だ!何が起きている!?」

しかし王国軍の騎兵隊が敵敗残兵の殲滅の為に追撃していると突然悲鳴が聞こえ始めた。


「皆、頼むから俺から離れてくれ!!!大尉殿!お願いします!私を、私をこの細くて長い「糸」から解放してください!!」

「何だこの糸は、サーベルどころか斧でも切れんぞ!??」

それは敵の悲鳴ではなく王国軍騎兵の悲鳴でありその後続々と首をねじ切られたり、何故か王国軍同士での同士討ちを開始したり、戦場で突然起きた混乱に動揺した王国軍は対応出来ずやむなく被害を抑えるために後退を余儀なくされました。



そこには扇情的な服を着た2人の少女が立っており彼女達はそれぞれのギフトを行使して交戦しています。

「何だあれは?戦場に露出度の高い服を着て来るたわけなんて」とここまで言うと隣のナディアを見て咳払いして誤魔化しました。

「申し訳ございません閣下。」「いや謝らなくて良いぞナディア。謝らなくて良いがまぁ、そのだな。大した事情も無いだろうにあんな服を着るような奴なんて異常者って話だよ」

戦狼の国では割と良く有る服装ですし皇帝の娘で聖女ともなればそれなりに露出も多くなります。

今は平原の国の服に身を固めていましたが以前戦争の際に着ていた皇族用の服は「勝負服」として大切に保管しています。


ついでにヤドヴィガ殿下も煌びやかな服が似合う女性に成りたいと思っているそうですが君塚はあんまり破廉恥な格好は好みではありません。


このように攻撃を受けて後退していく兵士達にどこからともなく突然現れた狼の群れが現れて慌てふためく兵士達を次々食い荒らしていました。


「あーこりゃ間違い無いな、転生者だ。聖女なら確かに可能かもしれんが…なぁ?」

ナディアに確認の為に問いかけます。

「ええ、あのレベルの聖女ならまず何処かの勢力の傘下でしょうが、あの胸元も腕も腹部さえも露出してしまうような服を着せる国は存在しません。あのスケベ心の強い神聖皇務庁でさえ修道服にはキチンとした様式が有ります。」

ナディアは対聖女戦闘の訓練も受けていたのでどこの所属の聖女か服装で判断出来るように教育されていました。


司令部から報告を受け、この攻撃で転生者が介入していることが判明した為王国軍単独では処理は不可能と判断しメレツコフ元帥の第二軍管区の兵士達に出動を命じました。


「しかしですな同士君塚閣下、私共もあくまで大量の陣地なら攻略した事は有りますがあのような魔法使い相手に対して我々がどこまで太刀打ち出来るかは不透明であります。」

メレツコフ元帥は、珍しく不安げな声で率直な意見を述べた。

マンネルヘイム線は動かぬ巨大な要塞陣地であり、今回のような小さく動くが強力な抵抗地点には未経験な彼らは上も下も不安が広がっています。

メレツコフ元帥は何とか兵士達の恐怖や不安を抑え込んではいますが無数の細い糸や動物が襲いかかってくる恐怖にどう対抗すれば良いか分かっていません。


「分かっている。分かっているさ、だが彼女達による王国軍への虐殺は止めねばならない。でなければカジミエシュがさっさと戻って来てしまうだろうからあれは何とか仕留めないといけない。」

1回ため息をつく君塚、しかしその目にはまだ闘志は有った。

「大丈夫さ、今から君達の得意分野であの魔女達を何とかしてみせるさ」


「でしょうな、ですが砲撃もあっさり防がれる可能性が高い状況です。…まぁそちらで何かもうお考えになられていると思いますが、お伺いしても宜しいのでしょうか?」

「ああ、たった今ヴァシレフスキーに指示は出した、そして作戦計画は30分で立てれたよ。だが何が有効だと成り得るか不明なので無責任な事には成るのだが後は野となれ山となれだ。人事は尽くした。メレツコフ、多分君の出番はそう多くないと思うよ。強いて言うなら─」


そして即興で組まれた作戦が実行された。


まずは3個師団で2人の少女に対してありったけの砲弾を振り注がせて視界を奪った。

師団隷下の砲兵連隊が弾薬を必死に打ち込み彼女達を制圧して動けないようにしてから近くに寄り付いた兵士達が迫撃砲で煙幕を張り君塚軍の動きを悟らせないようにした。


「ぐっ、この、これじゃ身動きが取れないっ…!ミウ、そっちのお友だち達はどう?動かせそう!?」

「つむぎちゃんむ、むりだよぉ、こんなに大きな音で友だちに私の声が届かないし、作るのも─ひいっ!?」

砲弾がまた直撃したものの2人は無傷でありそろそろ魔力で行う鼓膜防御も全方向から響く砲声により限界が近付いていた。


糸使いの少女─桂木つむぎは糸のドームを作り出して相方の小さな赤ちゃんの狼を抱きしめる魔獣使いの少女─雨宮美羽に対してギフトの使用が可能か確認していた。

彼女達は龍の国の実質的な支配者神堂龍牙のハーレムの下級妃であり今回の従軍の要請を神堂に直接依頼されつむぎと美羽の上級妃昇格を持ちかけられたので従軍していました。


しかしピエール枢機卿は彼女達を疎ましいと思いあまり戦線に出さずそしてこのように総崩れした後今更出てきてしまう事に成りました。


2人が防戦一方で外部の状況を見失っている間に君塚軍は確実に包囲網を狭めていた。

T-80戦車の暗視装置とサーマルセンサーが、煙幕の中の魔獣を捉える。

「目標の害獣を確認した、排除せよ」車長は大隊長や部隊の指揮官から命を受けると砲手には125mm滑腔砲の使用ではなく、同軸機銃が正確に魔獣たちを射殺していく。

「全く、異世界に来て一発目の大仕事が動物虐待かよ」

砲手は愚痴るが車長は

「しかし動物虐待が仕事で良かったよ、魔法使い相手なら俺もお前も膾斬りされてたさ」

と返した。

LZの安全が確保されると、上空から重厚なローター音が響き渡った。


作戦の簡単な解説はこうだ。

まず砲撃で視覚と聴覚から得られるであろう情報を消してしまった後に戦車部隊が魔獣を排除、そして歩兵部隊を展開してMi-24から降りた兵士達が直接制圧するという極めて単純な物である。

現状無線も通じておりこの場に連絡の齟齬は起こり得ない事を確認した上での判断だった。


しかし歩兵部隊には生け捕りを厳命しており兵士達は難易度の高いミッションに赴いていた。

君塚はこの転生者2人が連携して動いている事に注目して2人を何としても捕らえて尋問する必要が有ると思い最悪の場合を除き必ず生け捕りにするよう求めていた。


そして砲撃が一旦止んだ瞬間つむぎは糸を解いた。

その瞬間目の前に現れたのは無数のハインド達で有り、そして自分達の周りを戦車や歩兵が取り囲んでいたのである。

「美羽…」つむぎはそっと泣き出しそうな美羽を抱き締める。2人は元々面識は無かったが神堂のハーレム入りをしてからは彼女達は親友となり美羽が虐められているとつむぎが必ず追い払ってくれた事が美羽の大切な思い出に成ったのである。


目の前にやって来たロシア系兵士1個分隊が2人を拘束した。

そしてその部隊の指揮官らしき男が告げる。

「大変素晴らしい連携でしたね。ではその件で私の雇い主殿がお話があるそうです。ズラトポルまで、ご同行いただけますかな?」


その言葉は丁寧だったが、拒否権がないことは明白だった。

二人は、自分たちの運命を予感し、絶望に目を閉じた。

何とか復調

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