表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界やりこみドMプレイ〜持たざる者から始めます〜  作者: 塚木 仁
1章 【少年期 修行と検証の日々】
15/154

魔弓の威力とご褒美

模擬戦の次の日、師匠と俺は王都近くの

平原で魔弓の実験にきていた。


快晴で太陽がじりじりと肌を焼く

昼間だということもありさらに暑く感じる。

師匠もダルそうに、ふらふらと立っている。

「師匠、無理しないで小屋でも出して中から

見てて貰えれば大丈夫ですよ?」


「さすがに、こんな平原に小屋があったら

言い訳できんだろ……ぁっぃ……」

仕方ない様子でアレクの提案を却下する。


「だったら、さっさと魔弓の試し射ちして

拠点に戻りましょう」

アレクは用意していた魔弓を背負って

動き出す。


平原にある大岩を背に弓の練習用に作った

丸い藁の目標を置いて準備する。


(【身体強化】)距離を取り弓を構える。

矢をセットし、絞り放つ。


『ドガッ!』鈍い音が響くと大岩の一部に

亀裂が入る。

「なっ!?どうなってるんだこれ?」

アレクが驚きの声を上げる。


「凄まじい威力だが、ぼーやが目標を

外すなんて珍しいじゃないか?」

師匠が威力よりも、目標を外したことに

興味を持ちながら問いかけてくる。


「いやいや、矢が岩に刺さるとか普通に

おかしいでしょ?そちらに興味を持って

下さいよ師匠は……」


「普通の弓では、ないことは分かって

いたんだから今更だろう?それより何故

目標から外れた?」


自分の感じたこと素直を話す。

「恐らく、矢が弓の性能に耐えられなかった

のでしょう。凄まじい力で射出された矢が

風の抵抗を思った以上に受けたのか……

それともやじりの強度の問題……

それとも、シャフトの問題」


アレクが深く考え込んでいると師匠が

ニヤニヤしながら話し掛けてくる。

「ぼーや、最近そうやって考え込む所が

私に似てきたんじゃないか?うん?」


「え?僕が師匠にですか?いやいや、それは

ないでしょう」冗談じゃないと言う感じで

アレクは否定する。


「ぼーや自身は自覚なしか……

私のように自覚がある者よりも厄介だな!

ぼーやの仲間になる者たちは大変だろう」

師匠が、何故か俺の未来の仲間たちに

同情していた。


「良く分からないですが……失礼なことを

言われたのは分かりますよ?」


「それより魔弓は、このままでは使い物に

ならんぞ?当たらない弓など邪魔以外の

なにものでもないからな」


「分かってますよ!一応、前から考えて

いたことがあるんです。まだ検証の域を

でませんが……」

弓の威力向上や精度の向上などは魔弓を

手に入れる前から何とかならないかと

考えていた。


「ほぅ?それは楽しみだな?」

師匠も、俺の研究結果を楽しみしているようだ。


「はい、それに昨日の模擬戦で力になって

くれそうなスキルを持つ人がいましたので

協力してもらいたいと思います」


「そちらも、いいが私にも協力できることは

ありそうか?」

最近、師匠は単身でギルドランクを上げに

依頼を受けまくっていて拠点で会う時間が

少なくなっていた。それを気にしての

申し出だったのだろう。


「師匠にも、ぜひ協力してほしいです。

そろそろ、本格的に魔法を教えてほしいと

考えていたところでした!」


「そうか、では拠点に帰ってから

ゆっくり手伝うとしよう……」

そう言うとフラフラと王都の正門へ

師匠は歩いていった。



拠点に帰ってきたルシアとアレクは

作業部屋の1つで向かい合っていた。

「ぼーやは、【魔力操作】【魔力探知】を

欠かさず毎日行い、かなり熟練度を上げて

いるな?それなら基礎魔法は使えるはずだ」


師匠は、人差し指を立てると順番に

魔法を発動させて見せてくれる。


「【ファイヤ】」指1本分の大きさので魔法が指先から発生する。

「【ウォーター】」少量の水が発生する

ちなみに濁っていて飲めそうにない。

「【ウインド】」師匠の指先で小さな

風の渦が発生する。

「【サンダー】」『バチバチ』と小さな雷が

指先から上に昇っていく。

「【ストーン】」ドミノほどの石板が

発生する。


「これが基礎魔法、魔法を使うものが

誰もが通る道であり簡単な為。

別名 生活魔法とも呼ばれている」


師匠は、復習のように話を続ける。

「魔法は、魔力(MP)を消費し行使できる。魔法の習得は誰でも出来るが魔法職で

ないと強力な魔法は使えない。普通の者が

強い魔法を使えない理由は、無理に使うと

威力低くなることと消費魔力が多くなる為」


「そして、魔法はスキルのように習得に

時間が掛かるが……一度、覚えてしまえば

簡単に発動することができる。古代魔法などの一部の魔法は詠唱が必要なものもある」


(つまり、イメージ力で習得を早められる

ってことだよな)


「そして、最近までぼーやに魔法を教えなかった理由がある。それは、【魔力操作】に

よって魔法の威力や消費魔力が大きく

変化するのだよ!」


師匠がもう、1度人差し指を立て

「【ファイヤ】この魔法だけで本来なら

魔力(MP)を5消費することになる。

しかし、こうすると……」


少し大きめの炎だったものが、指の第一関節

ほどに小さくなった。


「この状態では、1消費で済む。さらに

3消費すると……」炎がオレンジから青へと

変化し熱量が上がったのが分かる。


「このように【魔力操作】を緻密に行えば

本来よりも少ない魔力で威力を高めることが

可能となる」師匠は炎を消すとこちらを

見つめる。


「毎日、1つの属性を決め練習すること。

それを順番に行い練習することが大切だ。

それによって、ぼーやの得意な属性が

分かるからな」


「分かりました。練習してみます!

イメージも思い付いたものがあるので

やれると思います!」


「ほぅ、では期待しておるぞ!ぼーやなら

全属性の基礎魔法が使えるようになるはず

だからな」


部屋を出ようした師匠が何かを思い出した

ように振り向く。

「そういえば、バルドからの伝言だ。

模擬戦の報酬を支払う準備が7日後に

決まったから、よろしくと言っていたぞ」


(ああ、スキル伝授の件か……)

「分かりました。ありがとうございます」


それから、7日間は魔法習得に集中して

取り組むことができた。各魔法のイメージは

前世の知識を元に考えることができた。


ファイヤの魔法は、自らの指をマッチに

見立て魔力を火薬・指を擦ることで

摩擦熱を作り空気中の酸素を燃やすことで

火を起こすイメージ。


ウォーターの魔法は、空気中の水蒸気を

魔力によって収束し発生させるイメージ。


ウインドの魔法は、魔力をスクリューの

ように動かし小さな渦を作るイメージ。


サンダーの魔法は、体内の静電気を集め

魔力によって増幅するイメージ。


ストーンの魔法は、意外と苦労して

空気中の塵などを魔力で纏めて土に

変換するイメージに落ち着いた。


===============================


あっという間に、7日が経ち今日は

冒険者ギルドにきていた。


約束の時間に受付へ向かうと今日は

セシリアさんではない女性が受付にいた。

「すみません、バルドさんをお願いします。

模擬戦の報酬の件で、アレクがきたと、

伝えて頂ければ分かりますので」


受付の女性は、一礼すると奥へ向かい

すぐに受付に帰ってきた。

「ふ……いえ、バルドさんがすぐに向かうので訓練所で待っているように。とのことです。それとセシリアから伝言を預かっています。こちらを」


受付の女性から四つ折りにされたメモを

受け取ると一礼して訓練所に向かう。


移動しながら、メモを確認すると

今日の日付・集合時間・酒場の場所が

書かれたものだった。

「これは、訓練が終わったら来いって

ことだよな?セシリアさんだし何もないと

思うけど……まぁ、行けば分かるか」


訓練所で柔軟体操をしながら待っていると

バルド教官とマーシャルさんが現れた。

「いやあ、待たせてすまないなアレク!

今日はマーシャルからスキルを伝授して

もらうといい。私が証人として見届けよう」


「アレクサンダー君、先日はどうも。

あの一戦は、俺にとっても良い経験になったよ!最近は仲間たちと訓練所で技を磨いて

いるよ……君に負けないようにね」


爽やかな笑顔でマーシャルさんが俺に

話し掛けてくる。

「あの〜マーシャルさん、僕と戦ったことで

ご迷惑になったりしてませんか?周りから

その……悪く言われたり……」


模擬戦が終わってから危惧していたことを

恐る恐る聞いてみる。

「まぁ、直後は色々言われたさ!けれどね

そんな奴には君との模擬戦をお勧めすると

皆、黙って去っていくから問題ないよ」

マーシャルさんの少し悪い顔を見て驚いて

いると話には続きがあった。


「それに、あの模擬戦以来。俺たち以外の

冒険者たちも訓練所で訓練することが

増えたんだぞ?若い冒険者見習いに負けるな!ってね」


それに同意するようにバルド教官も

話し出す。

「それについては、ギルドからもお礼を

言いたいぞ!訓練するやつらが増えて

今まで基礎をおろそかにしてた奴に

指導してやれるようになったからな!

これで少しはCランク以下の冒険者の生存率も上がるだろう!」


意外な方向にギルドが向かい驚くアレク。

「そんなことになっているとは……

知りませんでした!それなら僕達の

模擬戦も意味があったということですね」


「そういうことだね、じゃあそろそろ

スキルを伝授しようか?教えるスキルは

かなり有用だから期待してくれ」


「はい、よろしくお願いします」


「君に教えるスキルは【付与】だ。

分かりやすく言えば模擬戦の時に俺が使った

冷気を帯びた剣が挙げられるね」


「あの冷気の剣ですか……確かにあれは

有用ですね。あれは魔法を【付与】した

のですか?」

(でも、付与魔法は別であった気が

するんだよなぁ。違うということかな)


「いいや、魔法を付与しても あの冷気の剣

のようにはならないよ。あれは魔法の特性を

【付与】したんだ」


「特性の【付与】ですか。そんな

特殊なスキルの習得方法は難しいんじゃ

ないんですか?」


「今回は、スキルブックを用意したから

問題ないぞ?もちろん、費用はギルド持ち

だから心配しなくていい。模擬戦の

報酬だからな」

バルド教官が聞き慣れない言葉を発し

興味を惹かれる。


「スキルブックって、なんですか?」


「アレクは、スキルブックについて

知らないのか?なら説明しておこう。

スキルブックってのはな…………」


バルド教官の説明によるとスキルブックとは

スキルを時間をかけずに習得できるアイテム

で1回限りの使い切りで高価だがスキル所有者が許可することでスキルの伝授が可能になる。との話だった。


「便利なものがあるんですね……それは

どうやって使うのですか?」

アレクは興味津々で質問する。


「実際に見た方が早いだろう、マーシャル

頼む」そういうとバルド教官が

スキルブックをマーシャルさんに渡す。


マーシャルさんは、本の上に手の平を乗せ

精神を集中するとスキルブックが光り出す。

やがて、光が落ち着き儀式は終了する。


「これで、儀式は終了だ。あとはアレクが

本を読めばスキルが習得できるぞ?スキルの

詳細についてもそれで分かるはずだ」


「すごい!早速、試してみてもいいですか?」我慢できずに渡された本を

すぐに開いてしまう。


本を開いた瞬間、まるで文字が光り

浮き出るように見えたと思うと頭に

情報が直接流れ込んでくる。

(これは、すごい!知識が頭に……

経験したことのない感覚だ……)


スキルの習得が終了すると、少しだけ

目眩を感じ倒れそうになるがバルド教官が

体を支えてくれる。

「大丈夫か?きついなら座って休んで

いいんだぞ?」


「いえ、もう大丈夫です。助かりました。

ありがとうございます」

意識をはっきりさせるように頭を軽く

振り、頬を叩く。


「大丈夫なら、念の為にギルドカードで

スキルの確認をしておけよ?」


「そうですね、確認してみます」


〔名前〕アレクサンダー

〔年齢〕12

〔職業〕持たざる者

〔レベル〕5

〔体力〕(HP)400

〔魔力〕(MP)80

〔攻撃力〕220

〔防御力〕110

〔敏捷性〕170

【スキル】

歩行術 投擲 弓術 剣術 盾術 体術 隠密

気配探知 魔力探知 魔力操作 解体 身体強化

付与

【称号】

なし


「お!しっかり【付与】が習得できてます。

マーシャルさん、ありがとうございます!

これでまだまだ強くなれます!」


「いやいや、これは報酬だからお礼は

いらないよ!お礼なら副ギルドマスターに

言ってあげ…………あっ!」


(バルド教官を見ながら、マーシャルさんが

とても気になることを言った気がする。

副ギルドマスターって言った?)


「えっ?バルド教官……まさか……

バルド副ギルドマスター?」


「マーシャル……お前……あれほど言うなと

注意したのに言うとは……覚悟しておけ」

少し機嫌が悪そうにバルド教官が呟く。


「バレてしまっては仕方ない。私は

冒険者ギルド 副ギルドマスターのバルドだ。

ちなみに私の兄 ガルドがギルドマスターを

している」


「何故、秘密にしてらっしゃったんですか?

別に言っても僕は……」

(立場は変わろうと武術の教官であることは

変わらない!そう思っていた)


「まぁ、その辺の事情はセシリアから

聞いてくれ。今日は会う約束をしてるんだろ?その時にでもな……」


バルド教官は、何か照れくさそうに

俺を訓練所から追い出した。

その後ろでマーシャルさんが青ざめていたが

俺の知ったことではないので合掌して

成仏するように祈っておいた。


そして、セシリアさんとの約束の場所へと

向かい冒険者ギルドを後にした。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ