四の愛【性欲魔王】
「あー、ユキト君と同じクラスでなくてよかった。」
「いつもは傍にいないから、その分燃え上がるってやつ?」
「甘いね、りっちゃん。」
「えっ?」
「クラスが一緒だったら、みんな地獄を味わうよ。」
「そんなに酷いの?」
「うん、ユキト君は性欲魔王だから、休憩時間も容赦ないと思う。」
「クラスの中でしちゃうの?」
「そこまではしない……と思いたい。」
「なんか躊躇した?」
「まあ、学校にいる時は昼以外来ないように厳命しているから……今のところは大丈夫だと……ええと……願っちょるばい。」
「信用が微妙だ。」
「ねえ、りっちゃん。一緒にいこうよ。」
「ついでのように一生を左右するような勧誘が来た!」
「そうだ、りっちゃんといつも一緒だと安心の防御力を得られる!」
「私、イージスの楯になっている!」
「ユキト君には嫁を複数化してって、ことある毎にお願いしているんだけどね。」
「旦那さんの試練は続く!」
「ハレムや酒池肉林を肯定しているんだから、気にしなくていいのに。」
「嫁さんは旦那さんの斜め上を疾走している!」
「あの、お迎えに来ました。」
「あっ、性欲魔王だ。」
「ユキト君、いつも律儀だね。」
「はい。ありがとうございます。では行きましょう。」
「あ~あ、またベッドへ直行か。ねえ、りっちゃんと一緒に三人でやらないか?」
「えっ?」
「ダメだよー、ほら、ユキト君固まってるよ。」
「ほれほれ、こんなに乳がたゆんたゆんだよ。」
「ぼ、僕は貴女しか見つめていません!」
「ユキト君、恰好いい!」
「此処は正直だけどね。」
「はうっ!」
「ダメだよー。校内でニギニギしたら。」
「しまった。ついつい油断しちゃった。」
「不覚。もう少しで暴発するところでした。」
「ついでに何発か暴発させとこうか。」
「ぐはっ!」
「わー、手つきがいやらしい。」
「仕込まれたからねえ。」
「仕込まれたんだ。」
「あの……。」
「ほら、りっちゃん。こんななんだよ。」
「膨らんでるね。」
「これは新しい試練なんでしょうか?」
結果から言うと、逆効果だった。
何故か激しく燃え上がるユキト君の勢いはとても苛烈で、何度も何度も失神した。
一人ではその内どうにもならなくなるだろうことも痛感する。
ユキト君は泣いていた。
泣きながらアッハンしていた。
器用だなあ。
やはり嫁を複数化しないといけない。
ユキト君に従う人たちに問い合わせるしかないかな?
どうやろう?
気絶から復活する合間に策謀を巡らし、なんだか訳のわからない内に朝になっていた。