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41話 白き岩山と新しい風

前回までのあらすじ


 クネペパを倒したエイジャーたちはアラクネ盗賊団の尻尾を掴むべく調査に出発する。

 イカイサの王族であるエリザから渡された手紙が発端で亡き妻 サーヤとの出会いを迫られ回想する中、馬車は疑惑の土地ロックリフ鉱山へと近付いていた…

「あれが鉱山?あそこだけ山が真っ白だね」


「確かに…ちゃんと見るのは初めてだけど不思議な感じだ」


 エイジャーの馴れ初め話もそこそこに、3人は目的地であるロックリフ鉱山に到着、土地に詳しいという団員と合流するため近くの林に潜伏していた。

 林の中に突然現れる白い岩山は、まるで誰かが置き忘れていったかのような違和感に包まれている。


 ロックリフはかつて貴族が権利を独占していた土地で、権利者がクーデターで殺害された後はしばらく管理者がおらず違法採掘の温床となっていた。

 そこで王都アストラを含むいくつかのコミュニティが合同で権利を持ち、許可と対価次第で誰でも採掘できる土地に落ち着いた経緯がある。


「お?調査に来るのってグラセンだったんだ〜おひさ〜」


 なんとも気だるげな声に3人が振り返ると、なんとも派手な女性2人がこちらに手を振って近付いてきていた。肌の色は白と小麦色で対照的だが、彼女たちの容姿を一言で表すなら"ギャル"である。

 とはいえこの時代にギャルという概念は存在しない。彼女たちが放つ異質な雰囲気にアルジードは警戒し、ルルも少し緊張しているようだった。


「大丈夫、俺の知り合いだよ。色白な子がアゲハ、焼いてる子がランヅキ…副団長が言ってた鉱山に詳しい者って2人の事だったんだ」


「こう見えて地頭良いかんね。てかそっちのコ紹介してよ!オシャレで焼くなんて超イケてるじゃん」


 ランヅキは両手でエイジャーを指差しながらしたり顔を披露した後、似たような肌の色をした少年…未だに警戒しているアルジードに詰め寄るとスキンシップを取り始めた。

 彼女たちは興味を持ったものにすぐ触れてしまう癖があるのだが…歳上の女性に突然触れられたアルジードの声が思わず上ずる。


「これは親父の血で元からだ…ってベタベタ触んなって!」


「お、意外と反応がカワイイ。あーし気に入ったかも♪」


 まるで愛玩動物を愛でるかのような容赦ないランヅキの猛攻にペースを崩されるアルジード。

 そんな2人をなんとも微妙な表情で眺めているルルにもう1人の色白なギャル…アゲハもまた、珍しい石を見つけた子供のように目を輝かせて近付いてきた。


「じゃあウチはこっちの子…ヤバ、間近で見ると肌透き通ってんだけど。しかもグラセンにぴったりくっついて超カワイイ…!」


「あー2人とも…この子たちがビックリしてるから一度離れようか」


 このままではスキンシップだけで日が暮れてしまう…エイジャーは2人を引き剥がし、騒ぎが聞こえない場所まで移動することになった。


────────────


「改めて…今回の調査を手伝ってくれる討伐隊のアゲハとランヅキだ。だいぶ独特な距離感だけど…悪い子たちじゃないから許してあげてほしい」


 エイジャーの紹介を受けた2人がピースで応える。一方のルルとアルジードはモミクにされ、すでに疲れの色が顔に浮かんでしまっていた。


 ギャルというだけあって騎士団にも関わらず服装も自由で、今日は作業着こそ着ているが上のインナーを露わにした開放的な出で立ちである。

 スタイルもなかなかのものであり、見慣れているエイジャーはともかくアルジードは目のやり場に困っているようだった。


「…で、俺の仲間のルルとアルジード。ルルは魔力で植物を操ったりできて、アルジードは暗器使い。…それでロックリフについて何か情報は?」


「もー相変わらずマジメだねグラセンは!まあウチらもあんまり遊んでると怒られるしやりますか〜!ってことでランヅキよろしく★」


「ってあーし〜?ほんとアゲハは要領いいよね~」


 と、今度は2人でスキンシップを始めてしまった。歯止めが効かなくなるまえに動いたエイジャーの仲裁もあり、ようやく状況説明が始まった。


 まずはロックリフ鉱山は少々特殊な地質をしており、露出した白い山部分からも地下と遜色ない資源が採れるらしい。

 ゆえに通常であれば山を切り崩しながら資源を回収、途中から坑道を掘っていくのがセオリーだそうだ。


 だが最近になって山の1つを丸ごと買い取り、いきなり地下を掘り進めている妙な団体がいると作業員の間で噂になっていたらしい。

 時たま資源の回収に来る者を見るが坑道から人が出てくる姿を誰も見たことがなく…魔族に採掘させているという突飛な憶測が浮上したのもあり誰も近寄らないという。


─いきなり地下掘るとかありえねーってオジさんたちが言ってた。人に見られたくない何かがあるんじゃねって


─手段か、採掘している者たちか…聞いてる限りでは確かに魔族が思い浮かぶけど、あいつらが人間に協力するとは思えないし…


─にしてもそんな奴らがよく今まで調査されなかったな。誰かが囲ってんのか…?


 エイジャー、アルジード、ランヅキの3人が意見を出し合う中、アゲハは話についていけず退屈そうにしているルルをつついて遊んでいた。


「…アゲハはエイジャーと仲いいの?」


「ん〜見習いの頃はけっこう面倒見てもらったかな。グラセンって誰にでも優しいからさ、暇な時にイロイロ教えてくれたんだよね…てか何、もしかして嫉妬してる?」


「別に。すぐ女の人にデレデレするから聞いてみただけ」


 そう答えるルルの表情は明らかに嫉妬の感情が滲み出ている。アゲハはもう少しからかうか迷った末に、今回は真面目に答えてあげることにした。


「取ったりしないから大丈夫だよ〜ウチはマジボス一筋だし。それに強く断れないだけでグラセンは一途だよ?ルルちゃんがくっついてるの見てビックリしたし」


(ウチらがノリで抱き着いてもソッコー剥がされるしね。拒否しなかったのはサヤ師とこの子くらいっしょ)


 自分が特別と聞いて少し、いやかなり機嫌が良くなったルルを見ながら心の中でつぶやく。

 アゲハは隊長格ではないため他の隊の動向については知らないことも多く、上官の意向もありルルのことはほとんど聞いていなかった。


 しかし彼女の態度から見るにかなり懐いていることは明白…どこで捕まえて誑かしたのかを聞いてからかってやろうと心に決めていると、打ち合わせを終えたエイジャーたちが戻ってきた。


「お待たせ。そろそろ回収班が来るかもしれない、外と坑道の両方で調査を進めよう。アルとランヅキはここで待機、2人は俺と坑道探索だ…ところで武器はどうした?何も持ってないように見えるけど…」


 エイジャーの言う通り、2人は背中に妙な筒と箱を持っているだけだった。いくら調査が目的とはいえ盗賊絡みの案件、武器を持たないなど不用心が過ぎるが…

 それを聞いた2人は顔を見合わせ、イタズラを思いついた子供のような笑顔を浮かべながら謎のアイテムを見せつける。それはメカメカしい筒と箱だった。


「「ここにあるじゃん、グラセン♪」」


────────────


「…で、あんたらの武器ってなんなんだ?あとマジボスって上官のことか?」


「あったり〜マジでLOVEなボス でマジボス。んでこれはイソーで開発してる試作品。レビューよろって事で横流ししてもらったらしいよ」


 坑道へ向かっていくエイジャーたちを見送りながら、アルジードはランヅキが持っている箱のようなもの…曰く"マジボスからのプレゼント"を訝しげに眺めていた。


 盗賊との接触も予測される状況、もちろん2人はイソーから馬車で来ていたのだが…ランタンやツルハシなどの採掘道具やおやつばかりで、武器と呼べそうなものは置いていなかったのである。


(技術都市の試作品…こんなとこに持ち込むくらいだからガラクタじゃねえとは思うが大丈夫なのか?)


 ランヅキは箱のようなもの…手すりと、何かを引っ張るレバーがついたそれを乱雑に叩く。とても攻撃力があるようには見えず、他に変わったことと言えば何かをはめ込むような縦長の穴が空いているくらいである。


 …などとアルジードが考えていると、自分もまた彼女から視線を送られていることに気がついた。あらぬ誤解をしているようで、胸元を指差しながら挑発するような表情を浮かべている。


「アルちんさっきから目線がエローい!そんなに見たいならもっと近くに来なよ!」


「そっちじゃねえよ!…あんたのボスもやっぱりチャラチャラしてんのか?」


「そんな風に思ってたんだ〜ちょいショック…マジボスは怒りん坊だけど、あーしらみたいなのも面倒見てくれるし意外と優しいよ」


 彼女たちはイソーから来たと話していたので、マジボスなる人物はそこの隊長なのだろう。

 王政派閥じゃないとはいえ技術都市という重要な場所を任されているのだ、それなりの人物に違いない…などと予想していると、アルジードは鉱山に向かう集団を視界の端で捉え、ランヅキの姿勢を下げさせた。


「前の連中、どう見てもツルハシ振るえる体してないよな?妙な連中だな…それに後ろの。ありゃ荒事に慣れてる奴の目だ」


 集団はやつれた様子の男がたちが先行し、その後ろを牛車が追いかけている。服装はバラバラで正規の作業員には見えないが、かといって旅行者にも見えない。


 特に牛車に乗っている男は野蛮で攻撃的なオーラを放っており、頰に走った大きな傷は暴力が身近な生活をしている者のそれである。

 資源回収の時期と被っているらしいこともあり、確証はないが素通りさせていい部類の集団ではなさそうだった。


「オレが連中の注意を引く、あんたはタイミングを見て加勢してくれ…無理はすんなよ」


(グラセンが置いてくだけあるわー頼りになる…感覚鋭くて優しいしちょいキュンかも)


 密かに"ちょいキュン"されている事を知らないアルジードは大回りで茂みを脱出し、集団の最後尾から姿を現して声をかける。テンガロン襲撃騒動を参考にするならば、厄介な道具を使ってくるのはボス格だけという判断からだ。


「ようそこの集団!ちょっと道を聞きたいんだけど…この辺詳しいか?」


「チッ…聞く相手を間違えたな。とっとと失せろ!」


 男は取り繕う気もない薄っぺらい笑顔を浮かべながら、気安く話しかけてきたアルジードに強い苛立ちを覚えているようだ。


 しかしアルジードにとってほぼクロな後ろの男などどうでもよく、知りたいのはむしろ前を歩かされている者たちがどう反応するかだった。彼らも族ならば、こういった咄嗟の出来事に敵意や警戒心を向けてくるはずだからである。 


 予想通りというべきか、彼らは敵意を向けてこない…というよりも関心がないようだった。頭はおろか目線すらこちらに向けてこないのだ。

 素人にしてもやや引っかかるものを感じつつも、まずはこの男から聞き出すことが先決と判断したアルジードは、さらに煽るような演技がかった口調で男に迫る。


「いやーあんたに聞くべきだと思うんだよな…"アラクネ"の拠点の在処はさ」


 アラクネ…その名を聞いた男の眉が激しく歪み、今度はくつくつと笑いだした。


「…鬱陶しい連中がいるってのはボスから聞いてたがなるほどなァこんなガキに…オレ様はヒボゥ!この地を任された栄誉ある男!お前の首を捩じ切って、ボスの新しいオモチャにしてやるよ!」


「テメェら同じ脅し文句しか知らねぇのか?来いよクソデブ!吐くもん吐きたくなるまでブチのめしてやる!」


 アルジードは啖呵もそこそこに走り出すと一気に距離を詰め、踵の仕込み刃による蹴りで先手を取ろうとする。しかし肥満体に似合わず俊敏なヒボゥは攻撃に反応すると、馬に括り付けていた金属製のシャベルでそれをいなした。


「そんなもんで戦おうってか?ナメてると死ぬぜクソデブ」


「武器ってのは馴染むかどうかなんだよクソガキ!!」


 ヒボゥはシャベルを地面へ突き立て、激しく力んで土を巻き込みながら投げ飛ばした。腐っても重要なルートを任された男、この場面でただの泥かけなどしてくるわけがない…

 警戒し、大げさに避けたアルジードの判断は正解だった。彼がさっきまでいたところの木がごっそりと抉れているのだ!


 確かに勢いはあったが飛ばしたのは岩ではなく土である。それも予め用意したわけではない、そこにあった変哲のないものを…ただの怪力では説明がつかないが、ヒボゥは掬った土を乱射して考える隙を与えない。

 アルジードは棒手裏剣を投げつけて意識を防御に向けさせると、作り出したわずかな時間で状況把握に努めた。


(明らかにただの怪力じゃねえが団長も使えない従属呪文をこんなのが習得してるとは思えねぇ、となれば…あのシャベルが特殊な道具!)


「『スティールチェーン』!」


 異常な破壊力の正体が道具にあると考えたアルジードによる武器奪取の一撃。服の下から飛び出した鎖は人間の反応速度よりも速く、見事にシャベルへ絡みついた。

 だがヒボゥの力はあまりにも強く、奪い取る事が出来そうにない。時間をかけすぎるとこちらが手繰り寄せられる可能性があると判断し、アルジードは舌打ちをしながら鎖を解除した。


「オレ様じゃなきゃ奪われてただろうな。手の内を晒しただけだったなクソガキ!」


「そうでもねぇよ…シャベルを見てみろ」


「あァ…ッ!?」


 忠告により視線が落ちたのを確認した瞬間。アルジードは腿ポケットから小粒の火薬玉を6つほど取り出し、無防備な状態のヒボゥに投げつけた。

 携行性を重視した火薬玉に人を殺すほどの威力はない。しかし小規模ながらも爆炎と音を発生させることができるため、デリケートな部位の近くで爆ぜれば人体の機能を奪うことはできる。


 ヒボゥは状況を察したもののシャベルを両手で、しっかりと握っていたため即座に反応することができなかった。耳元で爆発した火薬玉は彼の鼓膜を破裂させ、爆炎が肌を焼く。


「〜ッ!!武器を奪おうとしたのも作戦だったのか!?」


「ただのアドリブだよバーカ。目も焼けりゃ良かったんだが惜しかったな」


(アルちんエッグ〜…てか前の人たち大人しすぎね?そんなことある?)


 どちらが族なのか分からないアルジードの戦いぶりを眺めながら、ランヅキは確かな違和感を覚えていた。それは戦っている2人ではなく、牛車の前に立っているそれ以外の人たちである。


 彼らは主が不意打ちを受けようが、近くで爆発が起きようがほとんど反応を示すことなくどこかをボーっと眺めているのである。鈍感というレベルを超えており、いくらなんでも不自然だ。


(前に見たことあんだよな〜あーいう感じの人たち…なんだったかな〜…)


「ナメやがってクソガキが…おいお前ら!『こいつを殺せ』!!」


 ランヅキが記憶の糸を手繰り寄せていると、ヒボゥの叫びによって牛車の前を歩かされていた、これまで何が起きても反応を見せなかった男たちの視線が一斉にアルジードへ集まった。

 同時に男たちから放たれる殺意。あまりの豹変ぶりに困惑するアルジードもお構いなしに、ゾンビの如くうめき声をあげながら向かってくる!


「急に元気になりやがった!?テメェこいつらに何しやがった!」


「ドハハハハ!面白ェだろ?殺さねぇように調教するの大変だったんだぜ?さあクソガキ!さっきの礼はたっぷり…なんだ!?」


─話なげーオヤジは嫌われっぞ〜


 一般人をけしかけての連携攻撃。今度こそアルジードを殺害すべく仕切り直そうとしたヒボゥの巨体は、第三者…ランヅキによる側頭部への不意打ちに大きく揺らいだ。


「こいつらたぶんヤク打たれてるよ。あーしの武器だと殺っちゃうからアルちん、テキトーにボコって大人しくさせといて〜」


「それはいいけどランヅキは大丈夫なのか?そいつの一撃食らったら…」


「これでも騎士団のセンパイよ?おねーさんに任しとき♪」


 投げキッスになんとも言えない表情を浮かべながら対処に向かうアルジードを見送った後、ランヅキは爆発の影響で本調子ではないヒボゥに向き直る。

 挑発的な笑みを崩さない彼女もまた民を救うべく志願した騎士団である。目の奥には卑劣漢への怒りが燃え盛っていた。


「なにジロジロ見てんの?アンタみたいなきたねーヤツ喜ばせるために自分磨きしてるわけじゃねーんだわ」


「へッ、あんな蹴りで勝ったつもりか?茶色い肌はシュミじゃねぇが肉付きは悪くねぇ…生け捕りにしてトレードに出してやる!」 


「茶色とかオッサンかよまーじ萎えるわアンタ…さっさと終わらせてマジボスとアルちんに褒めてもらお…」


─ブオォォォン!!!!!!


 ランヅキが大きなため息をつきながら箱のレバーを勢いよく引くと、細長い穴から金属の板が飛び出し、さらにその中から無数の小さな刃が展開した。

 隊長に持たされたというイソーの最新作は魔力に反応する石を混ぜ込むことで金属に形状記憶に近い性質を与え、起動と同時に箱の中から刃を展開するチェーンソーであった。


「言っとくけどあーし、人にヤク打つようなキモメンには容赦しねーから」


───────────


「ルル、暗いから足元気を付けて。…2人とも大丈夫かな」


「2人ともグラセンに鍛えてもらってるから心配ないっしょ!てかウチは?その子みたいに手とか繋いでくんないの?」


 一方その頃…エイジャー組は無事に坑道へ到達、見張りなどもおらずあっさり潜入に成功していた。

 中は意外にも広く、素人がやったとは思えないほど綺麗に掘られている。なぜか光源がないためランタン頼りだが、資材を運ぶトロッコの線路はまだまだ奥深くへと続いているようだった。


「アゲハも俺が鍛えたでしょ?だから1人で大丈夫。…にしても聞いていた話とずいぶん印象が違うな。俺には怪しいところが無いように思えるよ」


「どうだろ…人が掘ったにしてはキレーすぎるんだよね。話を聞いたオジさんたちの坑道はもっとゴツゴツしてたもん」


 言われてみれば…エイジャーはランタンを照らしてあたりを見回してみる。掘り進められた硬い岩盤の表面は滑らかであり、まるで子供が砂山にトンネルを通したかのようである。

 本当にトンネルでも掘るならまだしも、単純に鉱石を採るだけならここまで綺麗に仕上げる必要はないはずだ。


(ここで作業しているのは人じゃない…?それなら何をしようとしているんだ?)


─ペタ、ペタ…


 何かが静かに這うような音を耳が捉えた次の瞬間、2人が持っていたランタンが突然割れて…いや、割られてしまった!

 エイジャーとアゲハは即座に反応し、ルルを庇うように背中合わせの位置取りに立つ。姿は見えないが大きな生物の息遣い…ランタンの破損は何者かの介入に間違いないようだ。


「あちゃーやっぱこうなるか!ウチのオモチャはテキトーに振り回せないからグラセン、任せてもいい?」


「分かった!アゲハはルルから離れないでくれ!」


─お前たち組の者じゃないな。…痛い目を見る前に出ていってもらおうか!


 真っ暗闇に響き渡る第三者の警告。エイジャーは剣を抜き、暗闇での戦闘に備えた。




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