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【書籍化】転生聖女は友情エンドを目指す! ~腐女子なのに乙女ゲームの世界に転生しちゃいましたが親友キャラとイチャイチャ百合しながら悪役令嬢と派閥抗争してます~  作者: 川獺右端
第九章 ファルンガルドへの巡礼

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第1573話 檻を噛み破り正体をあかす

 なだれ込んできた兵隊は槍を振り上げ檻の中の巡礼団と楽士を突き刺そうとした。

 昼間、話をした兵士のおっちゃんと目があった。

 辛そうな目をしていたが、槍は振り上げていた。

 槍に殺気がこもっていた。

 目線をそらし、槍から力が抜けた。


 ガチャガチャーン!!


 轟音がして、障壁が割れて兵隊の槍は力を失った。

 バルバラさんが槍の穂先を掴み、檻に引き入れた。

 ダルシーが重拳で槍を重くする。


 やばい、檻から出ないと突き殺されるだけだ。


(ヒューイ! マメちゃん!!)

《もう居るぞ》


 よし!


 私は収納袋から聖剣フロッティを出して、鍵に斬りつけた。


 ガキン!


 くそ、対物用の聖剣じゃないから切り込めるけど、切断は出来ない。

 槍を再度構えた兵隊たちの中にヒューイが跳び込んできてふき飛ばした。


「ヒューイ!!」

《またせたなっ》


 ヒューイはドカーンドカーンと檻の前の兵隊にヒューイパンチをくらわせた。


 ダルシーがブラスナックルを手にはめてガンガンと檻の鍵を叩いていた。


 この修羅場を見ながら、ハンネス伯爵と奥様は微笑みながら食事をしていた。


 いかれてやがるっ!

 くそ、早くカロルを追わないとっ!


「マメちゃん!! カロルを追って!!」

「わんわんっ!!」


 マメちゃんはヒューイの影から出て、猛然と走り始めた。

 彼の視界をつかえば、カロルの状況が読める。

 カロルは、チェーン君もいるし、たぶんオルブライト騎士団も連れて来ているから、まったく無力なお姫さまという訳じゃないだろうが、心配だ。


 尼さん達は座り込んで振るえる声で聖句をとなえはじめた。

 槍兵の妨害用に障壁を張りまくっているので、いまだ被害が無いので、ハンネス伯爵がいぶかしげな顔をしていた。


「尼さん等に、なにを手こずっているのですか?」

「そ、それが、【障壁】持ちの尼がいるらしく」


 バルバラさんは奪った槍で、逆に兵士を突いて倒していた。

 ダルシーは必死に鍵に鉄拳をくわえ、鍵が歪んできた。

 ヒューイが檻に突っ込んできて体当たりした。

 端っこが歪んだが、壊れはしない。

 くそ、頑丈な檻だな!

 何か収納袋に役立つ物は無いのか。


「マリー、私はアントニアさんを追う!」

「は?」


 痩せてちびっこいミラナはヒューイの体当たりで出来た檻の隙間を無理矢理通って走り始めようとした。

 昼間の兵士のおっちゃんが通せんぼしようとした。

 ので、奴の横に障壁を張った。

 彼は障壁に当たり、ミラナへの通せんぼができず、彼女はハンネス伯爵一家のテーブルの前を通り過ぎた。


「何をやっているのです、どれだけ貴方たちは無能なのですか、全員解雇しますよ」

「は、はいっ! ハンネス伯爵さまっ!」


 兵士たちがまた、猛然と攻めて来た。


「みんな、目を塞げ!!」

「「「「えっ?」」」」


 無詠唱で兵隊の真ん中にライトボールを打ち込み、五倍の魔力を注ぎ込み崩壊させた。


 カッ!!


 ホールが一瞬で真っ白になった。

 私は鉄格子に聖剣フロッティで切り込みを入れた。

 ヒューイがそこに体重を乗せたヒューイパンチ、鉄格子は折れて曲がった。

 なんとかむりむり体を通し、外に出る。


 フロッティを縦横無尽に振り、飛ばす斬撃で目が見えにくくなった兵士の手足を傷つける。


「なんだ、あの子供は、何故魔剣を持ってる!!」

「うるせえ、伯爵てめえっ、只じゃおかねえぞっ!」

「下品な下町女めっ!! であえであえっ、ジョルジュ、貴様もでろっ!!」


 ジョルジュが三度、私の前に出た。

 ニヤニヤ笑っている。

 ダルシーが折った手足は治療されたのか、綺麗に治っていた。

 長剣と軽鎧を着込んで完全武装だ。

 ちっ、ハンネス伯爵に雇われやがったな。


「障壁を使ってるのはお前だな、子供、ドリアにも張ってたな」

「そこをどけ、殺すぞ」

「修道女になろうってのに、そんな口を利いてもいいのかよ」

「いらねえよ、元より司祭だからなっ、『戻れ』」


 私は収納袋に手を突っ込み、自分の鏡とヒューイの鏡を握って解除の魔法を唱えた。


「ま、まさか、お、お前、聖女……」

「まあ、なんて事なの、我が領に聖女様が来て下さったのに、こんな不調法な……」


 ハンネス奥様はなんだかずれてやがるな。


「ああ、マリーが聖女さまだなんてっ」

「ふてぶてしい子供だと思っていたら」

「聖女さまと一緒の旅だったの」


 尼さん達が座り込み、私に向けてお祈りを始めた。

 てめえら、さっさと安全な場所に逃げろっ。


 ジョルジュは満面の笑みを浮かべた。


「ああ、すげえすげえ、聖女マコトだったのか、ああ、あのすげえ魔力も不思議じゃあねえっ、ああ、俺が当代の聖女を殺せるだなんてなあ、夢みたいだぜえ」


 ダルシーが、私の出て来た檻の穴を広げたらしく、抜け出てきて、私の前に立った。


「ふざけるな、お前はここで殺す」

「いいねえいいねえ、お前はダルシーだな、聖女の護衛の武闘メイドだ」

「やめろ、ジョルジュ、聖女様に手をだすなっ、アップルトン王軍が我が領に攻めて来るっ!! ああ、聖女さま、誤解誤解なのでございます、今すぐ兵を引きます、巡礼団にも保証をいたしましょう、ですので、どうかどうか」

「うるせえよ、爺、黙ってろ、こいつは、このとびきりな獲物は俺のもんだっ」


 ジョルジュは顔を真っ赤にして欲情したような笑顔で私を見た。

 私はこんな奴の事は気にしていない。

 マメちゃんの視界と、ミラナの視界で、カロルの行き先だけが気になっていた。

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間違いなくキマッてるでしょ伯爵家
おもいっきりジェルジュの真ん中を蹴り上げてほしいですわw
愚かな・・・ここまであからさまにやっておいて今更言い逃れも誤魔化しも効かねえっつぅの 王国で極めて重要な位置を占めているオルブライトの跡取り抹殺未遂、そして聖女を含めた巡礼団を暗殺し罪を擦り付けようと…
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