37話 匂い
如月に仲良くしてと言われた日から二日経った。
廊下を平山と歩きながら喋っていた。
「結局どうなったの?如月さんのこと。」
「昔会っていたと思う。まだ思い出せないけど。」
ファミレスで話し合ったことを簡潔に言った。写真の話などはめんどくさいので言わない。
「まあ僕も小学校の時のことはあまり覚えてないけど、如月さんみたいな子を忘れるなんてね〜。…あ。」
話している途中に平山が不意に声をあげた。
「なんだ。」
「あれ、如月さんじゃない?」
そう言って平山が指をさした方向には、一人で歩いている如月の姿があった。金色の髪をなびかせながら歩く姿は廊下にいる人たちの視線を集めていた。
自分は嫌な予感がしたので平山の後ろに隠れて気配を消す。
「ん?どうしたの奏?」
「いや、気にしないでくれ。」
「…そういうこと。いいじゃん如月さんに喋りかけらるなんてうちの男子は全員願ってることだよ〜。」
「目立ちたくないんだよ。」
「まったくぶれないね〜。奏は。」
そんなこと言ってる間にもどんどん近づいてくる。そして横を通り過ぎて歩いてく如月。どうやら気づかれなかったようだ。
「………ん?奏くんの匂いがする。」
え、なんだそれ。と思っていると如月はこちらに戻ってきた。そして平山の後ろにいる自分を見つけた。
如月は嬉しそうな顔をしながら言う。
「やっぱり、奏くんいた!」
「奏、ばれちゃったね?」
「平山くんどういうこと?」
「え、名前知ってるの?」
「それはだって平山くん、有名人じゃん。」
「え、そうなの奏?」
「自分に聞くなよ。水嶋にでも聞いとけ。」
確かに平山は茶髪でイケメンということもあって有名だ。
「それよりばれたってどういうこと?」
「奏がね、如月さんに話しかけられると困るから隠れたらしいよ。」
「え、え、そうなの?私のこと嫌いになっちゃったの?」
如月は何故か不安そうな顔をする。別に嫌いになったわけではない。
「別に嫌いじゃない。」
「じゃあどうして?」
「如月は金髪で目立つし可愛いだろ、だからあまり学校とかで喋ったりすると視線が痛い。」
主に男子の。
こういう言い方をしたら嫌味に聞こえるかもしれないが別に構わない。そう思っていたがそんなことはなかった。
「可愛い…えへへ〜。」
如月は嬉しそうな顔をしていた。…そんなに可愛いって言われることが嬉しかったのだろうか。言われ慣れていると思うが。
「なんで奏が隠れるってこと、匂いで分かったの?」
「私、鼻がいいんだよ。それに奏くんの匂いも覚えてるから。」
如月は自信ありげに言う。そんなことに自信を持っていてもどうなのだろう。
そんなこと思ってるとそろそろチャイムがなる時間になった。
「あ、そろそろ鳴っちゃう!それじゃ奏くん、平山くんばいばい!あ、後奏くん、今日一緒に帰ろ!じぁあね!」
如月はそうそうと帰って行った。
「…これはまた、和也に言っとかないとね〜。」
「何を言うんだ?」
「こっちの話〜。」
平山の言うことが気にかかったが、まあどうせ大したことないとだと思うので無視しておく。
明日からはまた一本投稿に戻ります。
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