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廃村に転生します

神様の手違いで死亡したユキは異世界の廃村に転生することになった。

転生先に条件を付ける代わりに、チートスキルを授かったユキは廃村を再建させるべく奮闘する。

キキーーーーーーーーーー! ドンッ!

大きなブレーキ音と共に凄まじい衝撃が体に走る。

「キャー」「オイッ!大丈夫か!」

遠のく意識の中で、叫び声や心配の声が聞こえてくる。

(あぁ、もう死んでしまうのか、短い人生だったな)

意識がなくなり、動かなくなったはずの体がふわりと軽くなる感覚がした。

「ここは、、、どこ」

空の上のような少し霞がかったような世界。

身体はふわりと浮いていて、死後の世界であることは確実であった。

「すまない。待たせたようだな」

どこからか声が聞こえてきた。

「百原ユキであっているな。私は再生の神デニール。其方を導くためにここに呼んだのだ」

「神様、、、?」

「あぁ、そうだ。言いにくいのだが、実は、其方の死は手違いでな。まだ寿命が十分残っているのに、新

 人がミスをしてな、其方を殺してしまったのだ」

「そうなのですね」

「随分とあっさりしているな。やはりこの状況が飲み込めないのか?」

「いえ、とくにやり残したこともありませんし、私には家族も友達もいませんでしたので」

「そうか、、、。それでだな、其方を転生させることになったのだが、其方がもといた世界に転生させる

 と世界に歪みが生じてしまう。そこで別の世界に転生させたいのだが良いだろうか」

「生き返ることができるのなら、かまいませんが。別の世界というのはどんなところなのでしょうか」

「其方がいた世界とは大きく異なる世界だ。魔法や魔物、貴族制度なんかもあるな」

「元居た世界でもなじめなかったのに、やっていけるのでしょうか」

「それは大丈夫だ。君には条件付きで特別待遇の転生措置をとってやるつもりだ。魔法も使えるようにす

 るし、特別なスキルも授けてやろう。だからな、其方に転生先の世界で廃村を再建してほしいのだ」

「廃村の再建ですか、」

「あぁ、建物などは残っているが、今はもう人は暮らしていない。魔物の住む森の中にあるから、王国も

 手付かずの土地だ、貴族や王族のいざこざに巻き込まれることもないだろう」

「わかりました。どうなるかはわかりませんが、やれるだけやってみます」

「そのいきだ。では、行くぞ!健闘を祈る」

足元から光があふれだし、思わずめをつむった。


「ここは」

目を開けると、古びれた建物の中にいた。

「ここが廃村なのかな、家は古いけど、大きいし綺麗にしてある。これも神様がやってくれたのかな」

扉をあけて外に出てみる。

目の前に広がった古びれた村、半壊した家や放置された畑、村の周りは森に囲まれていて少し薄暗い。

神様の言った通り本当に廃村に転生していた。

「無事に転生できたようだな」

耳元で神様の声がする。

「村の周りと其方の家には結界を張っておいた。魔物は入ってこれないだろう。それと、其方のステータ

 スを見てみろ。いくつかのスキルを与えておいた。頑張って再建するのだぞ!」

そう言って神様の声は聞こえなくなった。

「ステータス、どうやって見るのかな」

<ステータスを確認しますか?>

機会音のような声が頭に響く。

「あっ、はい」

<スキルを展開します>

半透明の文字盤が浮かび上がり、スキルやステータスを確認できた。

「スキル、えっと、鑑定、スキル自動習得?なにこれ」

ステータス画面を押してみた。

<スキル:鑑定 様々なもののステータスを確認できる>

「なるほど、便利だな」

<スキル:スキル自動習得 あらゆるスキルを思い浮かべることでそのスキルを習得できる>

「思い浮かべるだけって、これって実質チートなんじゃ、神様やりすぎですよ~」

神様に軽く文句を言いながら、再びステータスを確認する。

「魔法も使えるみたい。火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、雷魔法、光魔法ってこれ全属性魔法使えるよ 

 うになってる」

<光魔法:魔物を滅する光を放つ魔法。邪気を払い、結界を張ることもできる>

チートすぎるスキルと魔法に驚きを隠せず、ベットに横たわった。

「展開が急すぎて、疲れたな。死んだはずが、手違いで異世界に転生なんて、夢みたい。信じられないけ 

 どここで頑張るしかないのよね」

ユキはそのまま眠りについた。


ー翌朝ー

カーテンを開き、背伸びをする。

「よく寝たな、異世界に来たとは思えないくらい」

外に出て、今一度村の様子を確認しに行く。

「廃村とは聞いてたけど、予想以上にボロボロだな。ほとんどの建物は崩壊してるし、畑っぽいところも

 放置しすぎて草もボーボーだし、神様が言っていたよりもずっと酷い状態じゃん」

村の中を歩き回ってみる。

「残っている家は何とか再築できそうだけど、どの家も私の住んでる家と比べたら小さいな。1LDKあるかないかくらい。私の家は村長さんとかが住んでたのかな」

村の状況や建物の大きさから、どんな村だったのかを想像する。

「ここを私の村に再建していくんだ」

期待と不安が入り混じるような気持ちだったが、ユキの顔は晴れやかだった。

「よし!とりあえず、スキルとか色々試してみよう!」

廃れた畑に生えていた草に鑑定をかけてみる。

「鑑定!」

<鑑定:雑草 一般的にどこにでも生えてる草。食用ではない>

「おぉ~!すごい!どうでもいいことまで教えてくれる!」

興奮して色々鑑定している内に、雑草で指を切ってしまった。

「痛っ!あちゃ~、どうしよう、結構血でてるな、絆創膏とか持ってないし、回復のポーションとかあれ

 ばいいんだけどな~」

冗談交じりに言うと脳内に声が響き、ステータス画面が開かれた。

<スキル:ポーション生成を獲得しました>

開かれたステータス画面にポーション生成が追加されている。

「もしかして、スキル自動習得発動しちゃった⁉」

困惑しながらも、ポーション生成のスキルを確認する。

<スキル:ポーション生成 薬草を取り込むことでポーションを生成できる>

「薬草か、タダで作れるわけじゃないのか」

村の中に薬草が生えていないか鑑定をかけ続ける。

<カイン草:切り傷や擦り傷に効く薬草>

「あった!これを取り込めばいいのね」

薬草を摘み取り、ポーション生成のスキルを使う。

「ポーション生成!」

薬草が青い光となって体に取り込まれ、指先から青い液体があふれ出した。

「あわわわわ!入れ物!入れ物!」

急いで家に戻り、透明な小瓶の中にポーションを注いだ。

「これがポーションか」

ポーションに鑑定をかける。

<鑑定:初級ポーション 切り傷や擦り傷を治す効果がある>

ポーションを切った指にかけてみると、みるみる傷が治っていく。

「すごい!一瞬で治っちゃった!」

ポーションの効果に感動しながら色々考えを巡らす。

「初級ポーションってことはその上もあるんだよね、色々な薬草を混ぜたり、取り込む薬草の量を増やし

 たりすればもっといいものができるかも」

作り上げたポーションを眺めながら、棚にあった白紙の日記帳に薬草のことをメモしておく。

「書いておけば、必要な時にすぐ作れるからね」

今日鑑定をかけたものを種類ごとに分けてメモしていく。

ユキの廃村生活はまだまだ続く。

人物紹介


主人公 百原ユキ 17歳

神側の手違いで死亡したが、廃村に転生した少女。


神 デニール

ユキを手違いで殺してしまった神の上司。ユキにチートスキルを授け、廃村に転生させた。

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